発散と収束
折り返し地点の条件は何か
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発散と拡散において、発散を始めるときは、無軌道にアイデアを出すわけではなく、何らかの価値に向けて出していく。しかし、最終的にはアイデアを選択しなければならない。発散の後にはアイデアの選択という収束が始まる。
では、この収束は、いつどのように条件が見出されるのか。実は発散の過程で、収束の条件が見出されるのではないか。「時間が来たから、発散はそろそろやめて、収束していきましょう」というプロセスは、この収束の設計の経験を奪っていないか。
意思決定プロセスの観点から考えてみよう。意思決定プロセスは環境の把握、選択肢の洗い出し、評価、選択という流れで進む。各要素が独立しているのではなく、環境の把握や選択肢の洗い出しの過程で評価が見出されるのではないか。環境から何を状況として抽出するのか、どのような価値を実現するために選択肢を洗い出すのか。この現状把握や探索が選択肢の評価を形作るのではないか。
高いレイヤーの問題と分業
問題を高いレイヤーで定義すると、自分達の手に負えなくなってしまう。分業は問題を常に低レイヤーに押し込んでしまう。価値の探索が許されず、すでに決められた問題の分解をやらされることになる。
分業は高いレベルの探索と実行を不能にする。
行き詰まりと無の混同
高いレイヤーで問題を定義したとき、自分達の手に負えなくなってしまったときの感情的な反応は何か
行き詰まり
難しくて解決できないという行き詰まり
無
そもそも問題が間違っているという無
この行き詰まりと無を混同すると
問題を解決しても良いモードと、問題を解決したくはないモードを分ける考え。
多くの人にとって問題解決はモーダルである。
「今は問題解決はしないでシステム1で過ごすモード」
「今は問題解決するモード」
このようにモードを持つで構成される企業では、問題解決のスタートは慎重にコストをかけてスタートする。一週間後に○○の議題で打ち合わせをするなど。そして打ち合わせが始まると、専用のモードで会話が開かれる。
「現在の状況は○○だが、本来なら○○になっていなければならない。これは解決が必要な問題である」
つまりクエストが始まったのである。このようにコンテキストが提供されなければならない。
モーダルな問題解決は非常に認知経済性に優れている。常日頃問題について悩ませなくて言い。誰かが問題として取りあげて(コンテキストが提供されて)から、反応的に考えればいい。
一方で常に問題解決している人は、かなりのコストを支払うことになる。自分でコンテキストを設計し、望まなければならない。
巨大な問題を扱うインセンティブはあるのか
たとえば部門を越える問題は、分析や解決策の創案、実行に労力がかかる。ではその労力に見合った報酬はあるのだろうか。
報酬どころか、「それはあなたの仕事ではない」とペナルティを喰らわされるのではないか。
職位が責任分界点によって分解されている環境で、部門を越える問題に着手することは、上司に恐怖を与える。上司ですら扱えない自分のコントロール範囲を超えることをやろうとしている。あたかも越権行為のように感じてしまうし、もし解決してしまったら自分の立場が危うく思えてしまう。
「メンバーが小さな問題ばかり解決する」のは、実はマネージャーの恐怖が発端となって、巧みに制御された結果ではないか。このような構造が多重に連鎖し、より小さな問題を扱う組織が生み出される。
この構造の問題は、問題の発生源である原因の部署と、問題の結果である被害を受ける部署が違う場合に現れる。たとえば企画の設計ミスが開発工程で発覚したとする。開発のメンバーが、これは企画のミスであると主張しても、メンバーの責任分界点の外側の事であり、越権行為のように評価されるかもしれない。
巨大な問題と、巨大な解決策
大きな問題には大きな解決策が必要だ。複雑な問題には複雑な解決策が必要だ。このような考えにはどのような前提があるのか。
個別の問題の事象に対して、個別に解決する必要があると考えるからか。つまり大きな問題は1000の問題の集合であり、1000の解決をしなければならないと思うからか。これは問題定義の先の、解法を先取りして考えてしまっている。
「問題は分解しよう」という考えがある。ひとくくりでは扱えない問題も、10に分解すれば、一つ一つは解きやすいという解法だ。大きな問題になるほど、複雑な問題になるほど、この分解の数が爆発してしまうのではないか。そういう懸念があるのだろうか。
複雑な問題を解決するには時間がかかるか
多くの部署が関係してくる人が複雑だと感じる問題には、時間がかかるという反応が起きる。これにはどのような前提があるのか。
・多くの人が関わる
・多くの人に新しい方法をやってもらわなければならない
・説得する必要がある
・部署によっては不整合が起きるので、やり方を調整する必要がある
このように、様々な「摩擦」がコストとしてイメージされる。
では、こうした複雑な問題なのに、摩擦を感じさせずに短時間で実現できることには何があるのか。