ヴィーガンが嫌われる理由
動物倫理を不具にする企図は、健常者中心主義がいかに種差別主義に加担しているかを明らかにするのと同時に、健常者中心主義がいかに動物権のコミュニティに浸透しているかを検討する試みをもともなう。 たとえば、人間の健康に焦点を定めたヴィーガン・キャンペーンにおいて、障害はいつも恐怖を煽る比喩として用いられる。なかでも最悪の例が、〈動物の倫理的扱いを求める人々の会〉(PETA)の「自閉症になった?(Got Autism)」キャンペーンだ。これは酪農産業の「牛乳を飲んだ?(Got Milk)」という宣伝に対抗することを目的として、牛乳を飲むことと自閉症のあいだの、いまだ確証されてもいない連関性をほのめかす。このようなキャンペーンは、大衆の自閉症に対する恐怖と誤解をヴィーガンというアジェンダを宣伝するために利用する。荷を引く獣たち スナウラ・テイラーp.112
以前、ヴィーガンの人たちのポストとか発信とか永遠に見たくないと言ってる人がいた。「食べるものを選べる」という特権を持った人たちなのに、選べないこちら(たとえば体質であったりアレルギーであったり)を上からジャッジしてくると。食べないでいるための必要な努力量はフラットではないのそうであるかのようにいうっていう。「社会の仕組みがどれだけ変わろうと食えないものは食えないから」とのこと。
moriteppei.iconヴィーガンって特定の食べ物を「選べない」人間なんだけど他方で「選べる」から「選べ」という人間でもあり、「選べる」はずなのに「選べない」のは社会の仕組みがそうなってるからであることがほとんどだからなので、「元から食べられない」人が全然念頭にないのかなあ......。
しない自分を肯定するためにしている他者を否定するの逆でしている自分を肯定するためにしない他者を否定するパターンもあるのよな.....。
引用されている「荷を引く獣たはち」は私も読んでおりますが、この著者の方もヴィーガンでして、自身と同じく食べられない方を想定しつつもヴィーガンであることを肯定しておられます。 @jamchibitomo • Threads
Threadsでこのようにリプライされたのだけれど、どういうつもりのリプライなのかマジではかりかねる。引用しているということは普通に考えて112ページまで>moriteppei.iconが読んでることは明らかで、著者のスナウラ・テイラーがヴィーガンであることを森が知らないはずがない。というか、この本は「動物解放と障害者運動の共通の敵はエイブリズム」と障害者である著者が主張する本なのだから、これで著者がヴィーガンじゃないと想定するほうが極めて難しいし、ヴィーガンだと書いてある。書いてあるからこの方も「ヴィーガンですよ」と「指摘」できているのだが、じゃあそのことを森が知らないと思って言ってるのか、知ってるけどわざわざコメントしてるのかが謎すぎる。
そもそもなのだが、森はヴィーガンを否定していない、というかむしろ肯定している。現在、ペスカタリアンチャレンジなんてやってるくらいだし、ヒトは食べ物でできているを見たりもしているわけで......。それはScrapboxのリンクを少したどればわかることだ。そもそもSNSのプラットフォームからわざわざScrapboxまでリンクをたどってくれたのは素晴らしいが(そういう人ですら現在ではほとんどいない)、何か書く前に他のリンクも見てみようとか思わないんだろうか。
ヴィーガンに対して肯定的であることと、それでもなぜか嫌われる理由や、倫理性として問題ある点を指摘することはなんら矛盾しないし、それこそがスナウラ・テイラーがやっていることであり、森も正しいと思う論点である。