短歌を百首作ってみよう
とりあえず300首は定形にしろみたいなことをどっかに書いてあったのでちょっとやってみよう
感情と景色が上の句下の句で分かれて描写するのが一個の定石としてあるらしい
ルール
なるべく定形っぽくする
定形もなんもわからんからあくまでそれっぽく
助詞を抜かない
予定調和でオートマチックな表現を行わない
意外性
困ったら雨を降らせろ月を出せ花を咲かせろ鳥を飛ばせろ風を吹かせろひかれ誰か、何かを待て時間空の様子、季節を述べろ
意味の重なりは削る
迷宮に迷い込んだら即次に行く
方針
ワードから連想
どういうものを読みたいか、を一旦文章で説明してみる
それに合わせて色々こねる
cman.iconぼくは文章を作るほうが得意なので、それを縮めるのがいいかな?
呪いたい感覚を重視
2022/04/22あたりから読み始めてる
2022/05/01 21:30~0:00 3ポモ 5首
歳時記読んだほうが良い
一番下
春
春にたいしてそんなに巨大感情はないかな。
桜の花弁が散るということ
美しさは散っていく
窓開いて薫る風から春のどか 何処がのどかだ暑すぎんだろ
寒くても新緑若芽はぽつぽつとたぶん輪廻は春に始まる
不整脈つめたい呼吸に這入る花 来ないと信じてたんだよ、四月
時間からひとつひとつを拾っては春と秋とを分けてく仕事
春夜風 サウナの後の煙草には命の危険と幸福がある
夏
秋
秋だけは僕と一緒に死んでくれる 響く紅葉が潰された音
これパッと出たのに気に入り度高いな
鈴虫が僕を呼んでる午前四時ずっと待ってた秋が見つかる
銀杏ってほんとに食べられるんだろうか。こんなに臭くてグロテスクなもの
肌寒くなれ立秋よ 長袖でいても生きれる命をください
あの青が君を求めたあの夏にさよならを言って、秋
秋晴れのより澄む青に飛蚊症眼球蠢く光の散乱
太陽は未だに夏を主張する秋の晴天は高く青色
朝情報ほしいかもな
夏雲と秋晴れへ往ける丁字路でグラデーションを僕に綴じ込む
右の空は夏で、左の空は秋で、その境目にあるグラデーションを撮る
童らが土を撫で探る公園で「どんぐりみっけ」と秋が聞こえた
童が屈む どんぐりで秋の見つけ方を知る
晩秋よ 迄三十手をもちまして俺が自分を殺す日が来る
高層雲 線引きされた晴れ間だけなぞるみたいに飛んでく鴉
晩秋の寒さで起きる午前四時 コーンスープが入ってたマグ
冬
弔い
死んだあとの季節だ
降る雪は静かに枯れ木に積もってく ねぇ僕だけが生きている冬
shall we dance 消え去った手のぬくもりを悴みで踊り殺してよ冬
文明の利器には詩情がわからない暖房を消してはつける馬鹿
悴んで眠るまぼろしで確かめる水槽の中は呼吸が出来る
〈親友〉が〈恋人〉になる帰路 覚醒 未明冴え風 ひとり 重力
花
鳥
風
月
空を見上げた月がやけに明るいことで中秋の名月を知る
ああ、月がこんなに明るい夜なのに僕はこの月を共有出来ない
自由お題
お題なし
「愛してる」すきって言わせておひめさま 君の死体の首にキスする
ハルシオン飲んで迎えるしゅうまつへ 寝ている間に世界よ終われ
夜煙草の昇る煙を追いかけて夜空に夏の大三角形
煙は当然昇る、煙の字が干渉する、追いかけてるのはそらそう
副流煙
夏の大三角形は夜空に決まってる
線香を背負う鋼のかたつむり 匂いは秋の金木犀
梅雨曇り 通学路沿いの灰皿に大人が捨てた不合理が積もる
題:梅雨
笑うなよ ぼくがわかるかおまえごときに この空白さえよめないくせに
泣いたことのあるAIに質問です 次の内どれがココロですか
褐色の滴《しずく》が白へと飛び跳ねる さては生きてるなカレーうどんめ
人生にセーブもロードも存在しない タイプライターを叩く毎日
この道を進むと決めたはずだろう 崖から落ちても背中を見てろ
実感、ナシ!
タイムマシーン
嫌な思い出が蘇る、その場にいるように感じる = タイムマシーン
あの過去に自動で連れ去る自罰刑 僕の脳内タイムマシン
あの過去に自動で連れ去る……嫌だ、止まれ! 僕の脳内タイムマシン
止まれ、止まれ! 自動で連れ去る自罰刑、僕の脳内タイムマシン
ミサンガを失くした 川辺に再会するまでは願いを憶えてたかった
夜行バス 碧は夢には出てこないから朝の海では僕も起きてる
イマジナリープレバト「写真を見ていない人からはなんのこっちゃわかりません」
口づけを落とす部位には意味がある 恋慕以外に必要ないのに
終点を告げる電車のアナウンス あなたに縋るキスの行き先
あなたにはあなたなりの才能があるとか言ってる奴は殺した
母からの実家の壁の穴の写真 この形はまぁぼくの拳か
これちょっと浮いてる
連歌「ご自由にお詠みください」ちいさなものをめっちゃ読むのがいいかも
ご自由にお詠みくださいあなたにはすてきな翼があるはずなので
キャラメルがサイコロであるということ 食べたあとにも遊べる紙ゴミ
えびフィレオのセットと単品バーガーひとつ Mのポテトが食べきれない
運動もしないのにプロテインを飲む、そんな一日の終わりが終わる
喫煙はあなたにとって肺がんの原因になるし救いにもなる
エアコンと扇風機が出す駆動音 蝉.wav(ドットウェヴ)に上書き保存
DG01《ミラノ風ドリア》とDB01《セットドリンクバー》 あ、人間らしさも追加で一つ
くしゃくしゃになったストローの袋紙 削減しましたプラの可愛さ
? 紙ストローでも袋あるやろ
プラストローの可愛さかもな
可愛さ、という漠然とした感覚を具体化したほうがいいかもしれない
ペヤングのMAXENDに挑む夜 インスタントな頑張ったで賞
擦れる音 赤い頭薬が燃えきって真っ黒になる誰かの情熱
探してる 最小単位のエモーショナル 一円玉はアルミを含む
マンホールの子どもの名前は「おすい」という 名札がついてたから間違いない
カラーコーンの紅白とここ十年は紅白を見ていない僕たち
ラーメン屋の定休が覚えられなくて足を運ぶといつも水曜
家族葬とユニットバスの看板が並び立つ街を地元と呼ぶんだ
僕たちは商店街のアーケードに通る人々を地元と呼んでる
OS-1 この世で一番うまい水 いつもなにかに乾いているだけ
ちょっときにいらない
薬局に売ってる酒の品揃え 百薬の長を敬いたまえ
午後四時をすぎるともはやこの街じゃ麺類を食べることはできない
ここまでで18
落ち着いて、誤解なんだよ布団ちゃん タオルケットは夏のときだけ
夜の窓 道路から生える街灯は昼夜逆転を許されている
道路から生えるが効いてない
また明日生きていたなら会いましょう 詩情を持ちうる全てのものよ
この町に知らない店が百個ある 週3で開く洋菓子店とか
一般ゴミotherwastesの表示あり せめて特殊なゴミになります
たぶん夜光るだろうと思われる棒状ライトが僕を無視する
タチバナと明示されてる細い木に群がる花はホットピンクの
信じたい、そう思えたあの存在を指し示すための言葉を知らない
お前は生きている 白く柔軟なみぃと鳴く仔で暖を取る夜
猫(NG,猫)
まひるまの公園で読む歌集にはガス管工事の音が纏わる
演技派人間
演技派と呼ばれる彼がいることで容姿派だったとバレるひとたち
ぼくたちはぼくたち以外のものになる、あの青空とか恋の歌とか
きらいきらい、全部嫌いを捨て去ってそこに残ったそれが〈ほんとう〉
「おめでとう」言葉は死ぬより嬉しくて産まれた日から何度目の零時
ここではないどこかを探して生きているそれがどこにもないのを知ってる
ようちえん
「なつるくん、なってるものは取らないの」落ちてるものならいい倫理観
虫の行列を見つけたことを叫んで知らせるこどもの感動
恐竜のように叫び合う子供たち 走り去るのに目が合う無邪気
こどもは、なぜか目を逸らさない
吸い殻は触ってはいけない 児童への注意を聞く喫煙者
胸中に環状迷路がありましてそれを最速で粘菌が解く
オーライと夜の住宅街を占拠する彼らは何を作る人だろう
夜に、大きな車を誘導している警備員。そこは住宅街で、とても静かで、月は出ていない。「オーライ」という声だけが響き、手に持つライトが道路を照らしている。寒さに震えながら、あの大きな車はなんの車なのだろう、と思う。近づいてみると消防車だったけど、ほんとうに何をしているんだろう。
講釈を垂れて台無しにしやがってこの空は青それでいいだろ
こんにちは自動書記的五七五きれいに生んでやれなくてごめん
なにもかもないカナル型イヤホンのゴムも
まだ夜の残滓が残る時間
そこにある摩天楼とか夜や朝どうすべきもなく響けパノラマ
あなたには利用されたい都合よく名付けたいなら友情でいい
許容することが愛だと思うけど君が嫌ならそうじゃなくても
電車の悲鳴 無視して眠る乗客 夜が明けない五時
夜勤前短歌を読んで泣きそうで枝豆スナック噛み潰してる
そばかすをマスクで隠した女の子
あの頃は月のウサギが見えたのに 陰になるほど増えるクレーター
借り物の言葉なんかに騙されて君色の今日は死んでるみたいだ
帰路の闇とける歌声呟いてひとりは叫びたいほど正しい
薄膜の張った感触くすり指 あなたをパズルにしない倫理観
あなたの心を壊して剥がして再構成して、ぼくの手でしか解けないパズルにしたい、けど、しない。
歌会にむけてつくったの
山の上の住宅街には幸せが 冬の暮 たしかなこと たしか
しあわせな住宅の群れは山の上 暮れきる前に死んでゆきたい
小学生の頃からここに住んでれば階段なんかで息切れしない
***** グーグルマップは教えない 坂を登らず帰れる経路
たそがれの昏く自由な住宅を一人で歩ける小3の君
星月夜 イルミネーションが目を刺した パチンコ屋とかは潰してくるが
喫煙所は人数制限四人まで覗いて帰る五人目の顔
歌会用短歌2
枝に雪歩道も車道も赤信号時も気持ちも止まらないまま
痛いぐらい冷えた流水が蛇口から 冬眠できない恒温生物
情緒すら凍りついている冬枯れに慈しむように撫でる指先
形状を記憶している鉄の箱 心を守れるだけの冷たさ
繁華街路上にしゃがんだ飼い主と夜の帳の大きさの犬
凍て風よ マスクを外した散歩道 冬と排気とこの街の匂い
氷華とは花の名前でないことを君は知らずに雪を食んでる
身体の感覚がない イヤホンのゴムもスマホの充電もない
バファリンの半分だけを食べている ブドウ糖とかと同じ味がする
明日には死んでいるはずのぼくなのに部屋の片付け目覚まし時計
救急車のサイレンを聞く深夜二時 通話の相手も不健康だし
内言が反響しては叫びだす 「お前に生きてる価値なんて」「在れ」
青空に合成された半月がオーバーレイで統合されてる
愛想笑い世渡り上手も疲れたね 薄暗い部屋の大千秋楽
最低限文化的かつ健康な生活が今日も僕を置きざり
記憶には五人囃子の音はなくあられの幽かな甘さだけ知る
寂しさと一緒に四時まで起きている 今日やれたことを数えてはゼロ
おうじさま、キスで起こしてくれますか? オタマジャクシを蛙が喰らう
そんなこと言われましてもパラノイア 春も朝日もわらってくるじゃん
童心に帰る蛙を潰してたあの頃みたいな残酷ささえ
てふてふの路上に張り付き死んでいるごとくリボンの飾り付きゴム
グレープのお菓子の色した幼児バス 左右前後にいけない交差点
白樺の樹のごと地獄のピーヒャラは息を吹いたら枝分かれする
卵かけごはんも君が混ぜたのが美味しいからさ 朝食はパン
雨粒に頭をノックされている 居留守を使って続ける歩く
花の雨きみんちの前の桜さえ散らなきゃいいから十重に触れ合え
姉と母は声の調子が心電図 桜が満開なのはわかったよ
割れろ硝子 おまえは桜を見ていない かぜはなうたこえ四月が来やる
傷つけてほしくて晒した心臓を優しくなでる残酷なひと
昨日には「明日にしたい」と書いたメモ 「明日死にたい」と空目する今日
舞い落ちる花弁を美だと言えるなら二階の窓で目が合った娘も
深呼吸 吐いて吸ってはまた笑んで プリーツスカートこわれた折り目
何一つ世界を表す言葉などないとは言えないくらいに好きだ
不整脈つめたい呼吸に這入る花 来ないと信じてたんだよ、四月
お前らがちゃんとしているフリをするせいです僕が死にたくなるのは
人流で救いを求めるようにしてつり革へ伸ばす手のぎこちなさ
縋り付く電気毛布 春の夜って暴力的だし必死に眠る
構造物ばかりの街なら彷徨える魂みたいに21g
死にかけた声の車掌のアナウンス ノイズ混じりの「お乗り換えです」
叫び出したいだけなのになぜ定形詞に頼るのか そうでもしなきゃ聞かれないだろ
僕だって諦めないで生きれるよ世界を眺めるだけで良いなら
助けてって何度言っても助けなど来ないことならすでに知ってる
僕よりもクズじゃないやつが書いている僕が書くよりいい物語
殺さなきゃ今すぐあいつを殺さなきゃ理想を見ながらこめかみに銃
あなたとは顔を見ながら喋らない 口を滑らせて好きとか言わない
「本当に、瞬発力だけはあるよ君」カラコロ鈴鳴りうれしさの勝ち
先端が赤く色づく木々がある あれは花かな、それとも秋かな
少年の細さに関するエトセトラ首とか肩とかいのちのかたち
「お前にはがっかりだよ」と言う人は何を僕らに期待したのか
人間は加点するなら百億満点 その代わりみんなはじめはゼロ点
姉の名に春という字が入ってる 春より夏か冬火事の女
妹の名を懐いだす夕ぐれの香りはペトリコールと煙草
春な なるは
ここにある体験全てを閉じ込めてアクリルケースの中は極彩
吐きそうなほどの濃淡 青色は暗がりの中で鮮やかになる
春疾風凍る足先が求めだす ほんとのぼくよりあったかおふとん
生きていることが歌とかになればいいのに 再生回数1回の曲
べたべたと纏わり触る春雨を傘がないからタオルで拭いた
我々が生きているのだということを誰にも知られず生きておきたい
未来って左右対称でムカつくし叩き壊して海に捨てよう
春風が暴力的になっている 夏風邪引くなよ、ばか人類め
エスカレーターをお降りの際に掴まれず文句も言わない黒いマスクは
この道を油圧ショベルが壊してる ミーツ・ガールは起きやしないまま
ボーイングなんちゃら便が空を飛ぶ うるさいことだけぼくにはわかる
トンカチで心を何度も叩いたら アルミホイルの奇麗な球体
タスク足すタスクが多数になった明日 何をかけてもゼロなエックス
しあわせが飴とかガムで売ってたら舐めやしないし噛み締めないし
音楽も流していないイヤホンが街の地響きシャッフル再生
うしなったものを数えて零と言う 得たものも同じ零にしている
べたべた
梅雨から夏に移り変わる空気はべたべたと身体に触れてくる
この主題、前に読んだきもする……
あなたとかきみとかそういう二人称ばかりを書いてて夏が来ました
扇風機はエナジードレインが使える
風に生命力を奪われてる感覚があるが、風がないとあつすぎて死ぬんだよな
空席は
車内の空席はトンネルの中の暗さと差し込む陽射しとを交互に移す。そのときだけ、今居る時間が夜と昼の間で曖昧になる。
頭から力が抜けてく
雨の日の路地裏のような音がする 君の喉から僕の耳へと
「やっぱりさ地元を愛してるんだなって」すんなりぽつりとつぶやける人
おにぎりも美味しくなって新登場 ちっぽけで高いぼくのプライド
人間の音がやたらと耳につく 耳栓代わりのイヤホンに傷
轟音 お前を一人にさせないと線路の影が襲い来る揺れ
かわいいもさみしいもすきもすぐ言える少女のようになりたかったな
一日を詩人のように生きてみる床のシミにもあるソレなので
喫煙所はらりと蝶々が舞い込んで全員吸うのをやめる一瞬
カフェテリアに流れるままの冗長性 コーヒーの匂い はちみつアイス
夜の街きみはひとりを歩いてる 地上五階のポーチライトの
池袋二十三時の喧騒がバイバイで消える直線の群れ
未プレイのやつは人生損してるそのゲームの名は人生以外の
「僕もそれ、最近考えたんですが」やたら賢しく過ぎる残響
台詞の主体がわからない
まよなかの電車はひろく空いていて家じゃソファーで寝転がる人
深夜の電車は隙間が空いていて、ゆったりとすわる人ばかりだ。まるで家みたいだし、朝とは違う乗り物みたい
選択と集中ばかり生活は草木を眺めるだけで赦して
この世界全部僕だけのものかもな 公園 緑 夏陽 青空
目を開けてられないほどの強風が砂を舞わせて夏を過ぎ去る
隔絶された園 内包されたすべての夏 あなたはひとりでしょうか?
きみのこと見ないふりして生きてたの 吐きそうなほど夏の青空なんだよ
心臓をこの砂浜に置き去れば夏といっしょになれるでしょうか
ねぇ君は表面ばかりを炙るだけ この心臓まで灼いてくれれば
君が好き、なんてこと君は知っててさ まだ平等にあおく光るの
しらはえに緑の葉擦れはさざなみでくすんだ心と目には飛蚊症
眼の中を泳ぐ無数の後悔が ブルーフィールド内視現象
平等にあおくひかれて乱反射 ブルーフィールド内視現象
助けてよ葉擦れさざなみ夏の雲
あの青く、木々が風すら撥ねかえす、雲とさざなみ光る時期の名
風ばかり慰むみたいに撫でてきて夏が苛む表皮のやけど
止まれって命令するなよぼくだけは世界とおんなじ速度で歩く
灼く青がこころの中ではピンボール
こんなもの捨ててしまえば楽なのに頭の中は言葉ばっかり
窓の向こうには青空 磨り硝子越しの逢瀬と「愛してる」とか
ほんとうは正しさなんていらないよ 痺れる手足 蝉騒の波
ワレワレハ宇宙人だと言いました それがほんとになる日が来ました
鳴り響く頭の中の液体が水銀みたいな毒と重さの
動かない電動歯ブラシを使ってる 屍人が牙を撫でてくる音
惨状だ きみが愛してと言ったころ僕はぜんぶを諦めました
眠れない朝も昼も夜もあさだ ひるもよるもあさもひるよるも
凪いだ海みたいなあなたの美しさ 不理解を背負う無色の愛情
君が死んだ 空から逃げても道端に脚を開いた蝉の墜落
つまらないなんてことない流れ行く季節の匂いに息が詰まるの
ばらばらなものを集めてかき回す 熱情が君をカテゴリ化する
ぎゅっとして潰すとめけーって言う感じ そのぬいぐるみのかわいさの核
4:44表示が焼きついてメメント・モリさえ聞き飽きた朝
⊿ABCを結ぶとき夏夜の願いの意味を求めよ
閃光 君を舐めつくす遠雷の怒号に背を向け走れ家へと
目覚ましは細かく強いパーカッション 雷鳴豪雨ひさびさの休み
2023夏 一日一題
耳が澄む風間に鈴の一音が僕を正して涼やかにする
陽 きみは、いつでもわらっているのだね 何も知らない少女のように
祈りとか凪にまつわるエトセトラ 寂しいペリカン半分にする
「サイダーがいいな」と銀河できみがいう スピリッツとかも回し読みする
「あなたってほんとに勝手!」と言ったって手に手を重ねてくれる君のせい
塩により甘さが引き立つスイカとか苦しいときほどきれいな空とか
花火だというには小さい散り菊の音に消されるくらいの「好き」が
じいじいとざあざあがまた入れ替わる 追いつけないほど真夏のフーガ
賑やかさ蝉噪ばかりの夏夜店 平和にうまれたコルクの弾丸
枯れ尾花桜の散り方夏の夕それらすべてが君な気がした
ぼくたちはブルーライトもカットする よーいスタートで砂浜にいる
われわれが生きているなどおもうこと それらすべてが間違いだった
一葉のきみがあなたに変わるとき 喪う季節じゃ澄む空ばかり
夏は二人称 秋になると遠くなってあなたになる そのさみしさ
星月夜 消えゆく秋を惜しんでも寒さは灰に浸りゆく、雪
飛躍とは言葉と僕との再接続 中華屋みたいなラーメンが好き
澄む空に歓びのような秋雀 ねぇ秋、いっしょに何してあそぶ!?
知らない街の夕焼けは朝みたい 二度とも降りない駅が百個も
肌色に背中の空いたおしゃれ着が刺せよ刺せよと叫ぶ傷口
南口降りたところの喫煙所じゃなくて東南口に集合
夏空の新海誠が死ぬときにどんな映画を撮るのか気になる
新宿じゃ涼むためにも千円が 高い空だけ残暑を拒む
本屋とは迷宮であるまたひとりまたひとりとまた消えていく様
焼き鳥のねじり抜くとき僕たちは平等以外を妥協している
ばらばらのカラオケに入れた曲たちの音だけ身体に合ってる動き
歌をあびる知らない曲の音程と『あなたのための短歌集』とで
ソファーへと非常階段のようにして並んで座る夜の人たち
ワンナイト人狼をするワンナイト「設定ミスって占い2でした」
我々はもはや歌えるものもなくひとりひとりが窒息していく
眠りつつ十分前のコールで起きる腰も身体も痛い5時前
あおぐろくビルの間から覗き込むあれの向こうは朝焼けでしょうか
右に月左に朝焼けまわりには何かをわすれたようなひとたち
新宿の始発も過ぎた喧騒は帰るためにも一旦調べる
5:22の電車を待つ人はだいたいすべてがどう でもよくなる
さようなら、最悪な若き無茶の日よ 神経痛より思い出になれ
まぶたうら部屋の全部が光ってていちごミルクのPETの整列
朝七時駅構内を小走りで駆ける人らの乱れる髪よ
広告に触れたら起動するようなインストール済み、みたいな恋だ
きみたちを宝箱の中に入れてやりどんぐりみたいに大切にする
芥溜のような此の世に落ちている 蝿に集られ自殺している
反省をしている程度で操れる身体だったらとっくにまとも
祈りとはその日の吐き気によく似てて口から出さなきゃ溜まるばかりだ
午前四時中央分離帯をゆく人間たちのひとりの行進
キンキンの缶とグラスとビールとが社会と同じぐらいの冷たさ
おつまみにたまごボーロを食べているソルティドッグが好きなあなたは
狛犬の阿の方に気付きお辞儀するスポーツウェアの日に焼けた人
→駅から出てきたという流れを切ってるのがよかった。あと、浅黒くてスポーツウェアを着ていて、そんな気にしなさそうなのにわざわざ立ち止まってお辞儀をしているところ。朝だったし、電車から来たから、大会前とかだろうか。
生きているミニスカートのはためきや街に飛んでるビニール袋
ごく個人的なこれらのメモ帳は誰にも見られず故に褪せない
公共のカラスが荒らしたゴミ捨て場のようなトイレットペーパーの散乱
ライフ・イズ・(キューティクルとかそのほかのとにかく手入れが大事なすべて)
貧しくも暇を愛していたいから三十分は長く過ぎ去る
青淡い海の波間のせせらぎがあなたを攫って透明にする
八月の三十日を過ぎ去ればぼくらは最後を理由に動ける
あたりまえのことばっかりを言いますがあなたが好きだし世界がきれい
どこからかせせらぎのような音がする 図書館の中に川の気配が
実際はクーラーの排水音かな?
発車しそうな電車に駆け込もうとはやぶさのごとく走るひとの、スマホを落としてなくなる速度
横浜の西口の前に座り込み空気を睨んで威嚇する人
電光掲示板に映る120分遅れ 命と見合った時間だろうか
セッションがタイムアウトになりました。
「投入口に爪楊枝を詰める等、悪質ないたずら」の等に含まれる罪
秋風が舞わせるすべての塵芥 死に向かうものに刻む足先
歯車を赤錆びたまま廻す日々
カプサイシン消化できないくせにまたハバネロペッパー二振り三振り
今までもサブカルチャーのきみたちは高尚であると信じずにいる
夕闇が二次元のように冬色でいまでは世界と繋がれず居る
二月にも春の日がある あなたには人知れず息絶えたい時が
眼光も鋭く首を前後して蹴られる位置まで近づく鳩や
未フォローのアカウントへのDMが点線のような薄さで届く
短歌俳句からサルベージ
いつのまについたか不明な傷跡も意識に昇れば一緒の痛み
感覚に名前をつけて保存する 寂しさ_最終_改訂版 - コピー
10円パンなのに価格は500円 ぼくらも最低2000万円
好きだったアニメの最終回すらも見れないまんまで歳を重ねた
愛したと言ったその口で嘘をつくあなたの朽ちた心の在り処
金属の手すりに映る顔はみなこの世のものとは思えぬ長さ
繊細じゃないし神経質でもない きみらがじょうずに嘘つきなだけ
不確かな希死と不信は半額の刺身を食べたらどうでもよくなる
心肺を攀じ登る糸が張り巡る 詩情を覚える幻肢の痛み
どうしてもさみしいことを「寒いな」と変換しながらひとりごつ夜
さみしさを解きほぐしている味の白湯 暗がりの部屋で生きている僕
白米と一緒のときだけおかかと言う 二人のときだけあだ名で呼び合う
ちいさけりゃいいってもんでもないらしい 自分自身を探すさいずかん
できごとがそこにあること生きること加工前提の日々が日常
心臓のやわらかなとこを掬っては瓶で溶かしてプリンにするね
待って、って言えないくらいに強くして 夜間押しボタン式信号機
〜〜2024/07/25までの空白
木漏れ陽へ追いすがりつつ夕暮れは急加速して冬をおいてく
コンビニのマーラーカオにも顔があり視線恐怖が加速してゆく
「落ち込んでいます」も誰かに言えなくて 怠惰の授業は成績優秀
「責任の所在を問いたい」「察するに、神が存在してないせいです」
神様に祈ることさえしないのに神よ救えと呟いている
今日もまた仮想の人生夢見ては現実世界の朝日が昇る
きみにだけ首輪をつけておきました 餌は買えないから取ってきて
よくできたファンタジーだと思います 女の子とか特に幻想
分類上喜怒哀楽に含まれる夜空と煙草に隠されるもの
休む間もなく死んでゆくカンガルー 合理的かつ残虐なもの
しじま ゆめ 殺してください 非常口 あなたのことが好きでいたいので
もう二度と誰かになるのはやめましょう 個体に固めて焼けだす粘土
赤ちゃんのときはあなたも無垢でした 泥団子をまたきれいに磨く
創造がどんどんきえてく日々の中 転んだときって痛いんだっけ
あしたには終わるせかいでふたりしてワインになろうよ、ひとつの樽で
アブサンのように書かれる言葉たちみたいにきまって幻覚が見たい
いつまでもあなたの魔法は途切れない あとがき以外は全部呪文の
糞尿の始末の責任があります 犬の飼い主 在宅介護
サモエドの夏夜の吐息が迫りきて僕を追い越し、なんか笑顔だ
ねえ君は からはじまる歌が百個あり大体誰にも返事はされず
いまきみが愛だと言い張るそれすらも痛いし苦いし甘いし 甘いや
全人類短歌を詠んで出すべきだ スライスしてあるローストビーフ
たそがれに紅葉を散らせて舞い落ちる屋上からふる、飛び降り自殺
心停止するからあなたはAEDを あなたとあなたは春風を呼べ
みんなして60点ほど出せる国 30点には満たないぼくら
ごめんなさい、ごめんなさいと声がして、ただただ赦して欲しいだけ、夜
痛みなど知りたくなんかなかったさ 小指の傷でも死んでしまいそう
アーモンドミルクの注ぎ口が取れる 椿の花の枯れ落ちるとき
肉球がつっぱり棒の先にあり、はなせはなせと猫が鳴いてる
幽霊とキスするほうがマシだからエクトプラズム逆流させて
シンプルに生存をするぼくたちの原型ばかりが擦れ合って夜
Xに同じ名前がふたりいる 同じではないめぐる四季すら
夜桜をたべたいびいどろ玉よりも熱で崩れる甘さをしてる
火葬場の煙がやがて雨になりお前らすべてをびしょ濡れにする
光芒があお、にじ、しろに目を刺した さぁくらやみできみがはじまる
ひかり あか まぶたのうらから運命が 差し笑んだあお 晴れて色彩
ひざしには質量がある かげろうを捕まえられたらシトリンにする
エアコンをドライでつけてきみを拒否 湿気た熱気の十一時半
夏からは逃げられないから愛してた 情緒、情緒のはなさきにある
背(せな)にある汗腺のひらく痛みすら蝉の脱皮に酷似していた
首を絞めたときの熱病 いのちごいして、ぼくだけをみて
高嶺から花が枯れたら落ちてくる 栞にするから見上げてまってる
教科書の示す正解ではなくてあなたみたいな正解が好き
僕が今理想の死に方を見つけたらなるべくみんな泣かせてから死ぬ
2時半には18度の冷房 寒さで起きれば喧騒は亡く
キスなんてしなくていいから内臓のあたたかさとか感じさせてよ
投擲が人類なりの武器なのでエースピッチャーはあれほど輝く
友人や親族などを呼びまくり合法的にキスを見せる儀
うずまいてちょうどまんなかに晴れがある 目があるときだけお天道様も
今日もまた 清々しくも朝ですね ところでお前はなんで生きてる?
エアコンが鈴虫のように鳴いている 夏の寿命も近づいている
あいの風 街を飛んでるレジ袋が「猫ですけれど」という顔をする
ぼくらには価値がないけど指差したそれらすべてがかがやいてるので
さようなら(おいてかないで、)またあした。きみが未来でありますように。
春しぐれ友達んちの猫ちゃんがわたしを毛玉にしようと目論む
友人のことばが胸につきささり、泣き出す夜にも明日は誕生日
XをTwitterとか呼ぶ所業
雷が怖くて二度寝を試みる
おれたちは病的精神ばかりなり今日は雷雨がうるさかったね
星月夜 月が主催のコンサートをアイドルみたいに星座が踊る
人知れずベイブレードを包丁で行う夜がだれにでもある
犯人が犯行現場に戻ってて季節が春に戻ろうとする
でけえ犬が飼いたいたぶん雲みたくふわふわなものに体温がある
毛玉ならなんでもいいですできるなら生き物でありぷあぷあである
人間は毛玉ではない我々は柔軟性を失ってゆく
今日からはきみのせかいはかっぱ巻き きゅうりとわさびをやさしく巻きます
ぴかぴかの犬になりますわたしたちこれから自由にかけまわるので
叫びたいとか叫ばないとか叫びたい 金を出しなよ強盗だから
明滅よ頭の中にある泡が破裂したなら死にましょう
情緒 君は最後の最後、小さな煤を愛でて死んでく
鈴虫の鳴く夜に自殺を予告するおまえを絶対文学にする
無知のくせプライドばかり高くなり知った顔してへぇ、と呟く
戦略的ホワイトタイガーの子どもたち もちもちしていてすべてを蹴散らす
すずらんのあなたはもちろん猛毒で「呑みほしてみて」と静かに笑う
顔のいい女が奇行をする漫画みたいに金魚を口に入れたい
ヒトカラの呪いのように入り来る同じ曲だけの店内放送
ほんとはねきみをいちばん抱きたいよ自分の身体や心じゃなくて
いますぐにコンクリートに寝転んでうつ伏せで泣いて無視をされたい
しあわせなあなたはすべてを過去にして借りた3万御祝儀にする
今はまだおなまえシールに〈とくべつ〉と油性で書いてきみに貼るだけ
秋深くミノタウロスから手紙来る「そろそろ迷路も抜けられそう」と
ぼくだって罪刑法定主義により遡及されずに赦されたかった
住宅街をミステリ読みながら歩いているとき、車通りがあることはわかっているけど、その一歩一歩では、轢かれないことを確信しているかのように俯いて歩いている
文庫本自然光では読めるけど機械の光じゃ読めやしないよ
多様とはすべてをあきらめゆるすこと 曇り時々晴れ的会話
このターン、冬が嫌いな僕たちは表示形式を変更できない。
人々は霞のように消えていく追悼だけが実体である
メモ
ちゃんと思い出すのが大事かもしれない。
情報量は詰め込めないけど一個に関しては細部まで思い浮かべる
解像度は高く、でもごちゃごちゃ画角に入れない