ショック
#救急
【定義】2024今村先生授業
末梢組織の血液循環が全身的・急性に障害され、腫瘍臓器や細胞の機能を維持するに十分な酸素や栄養素を供給できなくなるために発生する状態。この状態が続けば多臓器不全をきたし、放置すれば死に至る。
【臨床症状】
1．血圧低下（多くの場合最高血圧90mmHg以下）
2．脈拍は頻脈で微弱
3．呼吸は初期は早い
4．意識レベルの低下（初期は興奮、不穏のことあり）
5．冷たく湿潤した皮膚　敗血症性ショックは温かい
6．乏尿あるいは無尿、1時間尿量0.5ml/kg以下
■ショック指数（＝脈拍数/収縮期血圧）
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【分類】
循環血液量減少性ショック: 出血、熱傷、脱水
心原性ショック: ポンプ機能急激な低下(心筋梗塞、心筋症、不整脈、弁疾患)
閉塞性ショック: 心臓の外によりポンプ機能障害(心タンポナーデ、肺塞栓、緊張性気胸)
血液分布異常性ショック: 末梢血管収縮低下→血管
敗血症性ショック
アナフィラキシーショック
神経原性ショック
【病態生理】
循環血液量減少、血管透過性増加、大血管閉塞/圧迫、心機能障害、容量血管拡張、抵抗血管拡張
→静脈還流減少、心拍出量減少、血圧低下
→酸素供給量低下→組織低酸素→嫌気性糖代謝進行→乳酸の蓄積→代謝性アシドーシス
【治療の基本】
1．緊急処置（ABCの確保）
A気道確保
B呼吸：酸素投与、換気
C輸液路確保
2．輸液療法（乳酸リンゲルなどの細胞外液が基本）
3．血管作動薬（ノルアドレナリン、ドパミン、アドレナリン、バソプレシン）
4．下肢挙上、ショックパンツの使用
5．原因の検索とその除去
6．併発する多臓器不全の対策