神経原性ショック
〔概念〕迷走神経,交感神経系などの循環調節を担う神経の障害により,末梢血管抵抗の減少した血圧の低い状態を呈したものである.徐脈が特徴.
【病態】
自律神経機能の破綻(=交感神経と副交感神経のアンバランス)により生じる
末梢血管は著明拡張(四肢末梢は温かい)
一方心臓は徐脈になり、収縮力も低下
【原因】
脊髄損傷(上位胸椎より高位):心血管系への交感神経刺激が遮断される
突然の恐怖、疼痛など:過剰な迷走神経緊張状態
〔診断〕
①患者にストレス,疲労,不安,疼痛や, 〈迷走神経反射〉
②高位脊髄の外傷,血管障害,腫瘍, 〈脊髄横断障害〉
③脊椎麻酔や脊髄損傷,脳幹部の障害などの背景がある.
④血圧↓,徐脈,CVP↓,末梢血管抵抗↓,冷汗などがみられる.
➡神経原性ショックと診断する.
【治療】脈拍↓,血圧↓には,まず硫酸アトロピン
原因に対する治療
①硫酸アトロピン
②細胞外液の輸液
③血管収縮薬