QNKS小論(9月〜
前章で述べてきたのは「文章理解のためのQNKS」という活動は、そのまま文章産出のためのQNKSとしても捉えられ、児童は文章理解を目指す中で文章産出のための作法も体験的に学べている、という内容であった。しかしこのままでは子どもたちは「無意識に学べてしまっている」だけで、意識的に文章産出能力を向上させようとはしていない。そこで文章理解のためのQNKSにおける文章産出過程についての潜在的な学びを顕在化させる取り組みとして「小論文テスト」を行った。これは国語科の説明的文章の読解で学んだ「論理構造」を活用して、自分で論を構築するという活動であり、下のようなワークシートを作成して実践した
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ワークシートには論題(Q)が複数個羅列されており、児童はその中から自分が論じられそうな題を一つ選び、論理構造図(N→K)を書き、文章化(S)して、提出する。この活動で子どもたちは初めて、自分で書くことにQNKSを使い始める。また書くことへの入り口としても、Qの選択性、Kは説明的文章で読み取ったものを活用すればよく、Nにおいてのみ自分のアイディアを出すということになるので、入門的な指導としても効果的であった。