自主学習ノートでの取り組み(4月〜通年
2019年度の実践では、社会→国語へと文章理解のためのQNKSとしてQNKSの概念を導入し、2学期以降、国語科において「書く」領域にまで広げていった。教育課程内での取り組みはこのように展開させていったが、その過程の中で家庭学習においてQNKSを活用して様々な問いを取り上げ論考してくる児童が現れた。下写真参照
ストレッチゾーン(brown 2008) に出るには?
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・学習方法を探求する
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・「Q:みんな楽しくなるには」
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「Q:みんな楽しくなるには」
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このような例は枚挙にいとまがない。子どもたちは「朝挨拶をする人が少ない」とか「給食を食べ終わるのが遅い」といった、日常生活で困っていることやうまくいかないことから「問い」を見出し、それを自学ノートにおいて取り上げ、そこに独自の考察を加えていった。これは文章産出活動とみるよりも探究的思考活動と捉えるほうが適切なのではないかと思わされる。
「問い」とは日常生活の至るところに潜んでいるものである。しかし問いに出会った後その問いをどのように扱ってよいかわからなければ、その問いは意識されることはなく、ただ流れていってしまう。QNKSはそこに答えを与える。Qに出会ったあとは、関連する情報の抜き出し(N)であり、その後はK,Sと続ければ、問に対して思考し、何らかの答えを導くことができる。こういう問いに対する方略的知識と、国語と社会の授業において毎回その知識を使用するという大量の経験があれば、Qを見つけた直後に、NKSと思考を展開させることができるようになってくる。こういう変化が子どもたちの中に起こっていたのではないかと考えられる。
児童の思考がこのように文章産出過程から問題解決過程や探究的思考過程に展開したもう一つの要因は、文章産出過程と探究的思考過程や問題解決的思考過程の類似性にあると考えられる。この点については次の結果と考察で詳しく論ずる。
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