機械工学
「機械工学の基礎解説」
はじめに
温度計保護管の強度計算を理解するためには機械工学の様々な基礎知識を必要とする
強度計算の基礎知識
材料力学:材料に生じる応力に関する知識
流体力学:流体によって受ける力や発生する渦流に関する知識
機械力学:固有振動数と共振に関わる知識
熱力学:ガスの場合の密度を求めるための知識
材料力学
基本的には座愛量の破壊に関わる力学で、静的破壊のほか、疲労破壊、クリープ破壊、および脆性破壊がある
これらは材料に加わる荷重と発生する応力を評価する方法とも言える
裏返すと、材料の持つ強度の評価である
流体力学
物体は固体、液体および気体の3つの形態を取る
その中で液体と気体のように形を容易に変えるものを通常は流体と呼ぶ
ただし、気体の密度は圧力や温度の変化とともに0近くまで変化するようにモデル化されるが、液体の密度はほとんど変わらない
通常工業的に扱う流体の基本的な性質は粘性と圧縮性であるが、音速を超える領域以外では圧縮性の影響は少ないので粘性の影響が最も大きくなる
流体の性質を表すときにはレイノルズ数がよく挙げられる
また、密度、比体積というものもある
また、粘度や動粘度というものもある
流体に速度勾配があって流れているとき流れに平行な面に沿ってせん断力が発生し、この性質を粘性という
流体中の三次元物体には一般に揚力、抗力、横力、ローリングモーメント、ヨーイングモーメント、ピッチングモーメントが作用する
保護管の場合には前者の3つの力のうち2つを考えればよく、モーメントは無視できる
流れに置かれた円柱の後流側には交互に渦が発生し、これをカルマン渦列という
渦数は流体速度、ストローハル数、円柱の外径によって決まる
一般的にこのカルマン渦が保護管に強制振動を与えるとされている
高速増殖炉もんじゅの事故以来、話題となった対称渦である
円柱の交流にできる渦は交互に発生している間、渦の放出振動数と同一の変動揚力とその2倍の振動数に等しい変動抗力が働く
したがって円柱が剛体でない場合、その固有振動数がfsと一致すると共振現象を生じ、変動揚力は極大値となる
もう1つは無次元振動数が1.25~2.5近傍で自励振動的な対象渦が発生する現象である
この現象は流れの中にある円柱の先端部の動きがある程度以上大きくなったときに生じ、機械的な円柱の動きと流れによる影響で相互渦が対称渦に転ずる
機械力学
機械工学で新動学の知識が応用されるのは問題の機械系をいくつかのバネと集中質量、あるいはいくつかのバネと支持された剛体とみなしてその系の固有振動数を計算するという場合が大部分である
一般的な1自由度振動には自由振動と強制振動があり、それぞれに減衰の作用しない場合と減衰が作用する場合の振動がある
外部から力が作用しないときの振動を自由振動と言い、このように減衰のない時の振動数を系の固有振動数とよぶ
実際には全ての振動系には何らかの粘性減衰が作用し、減衰係数比の大きさにより振動の様子が変化する
振動体が外部から作用する周期的外力によって行う定常振動を強制振動という
減衰の作用しない強制振動方程式の解は自由振動解と強制振動解の重ね合わせとなり、外力の振動数と固有振動数が一致すると振幅は時間とともに大きくなる
粘性減衰が作用する場合は、自由振動解は減衰し、強制振動解だけが残る
よって振動体の運動は周期的が威力と同じ振動数を持ち、位相がずれただけの単振動である
温度計の保護管を対象とする場合、その保持方法と形態から片持ちはりという分類になる
このときの固有振動数が求められる
熱力学
一般にプロセス流体を扱う場合、その対象となるのは液体、蒸気あるいはガスである
これらの物質の状態はその種類と温度、圧力によって変化するのが常である
液体の性質を知るためには温度、圧力、流速、粘度、密度などが重要な要素となる
液体の場合は圧力の変化で密度は大きく変化しないが、気体や蒸気は圧力、温度によってその性質は大きく変化する
ガスの性質:ボイルシャルルの法則、アボガドロの法則、完全ガスの密度計
蒸気の性質:表を用いる
粘度と動粘度:粘性はせん断、あるいは角変形に対する流体の抵抗であり、流れの速さの違いを鳴らして一様にしようという流体の性質をいう
計算例
応力と先端のたわみが計算できる
流体により円柱が受ける力が計算できる
また流体により受ける応力が計算できる
円柱の振動が計算できる
完全ガスの計算ができる
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「10分でわかる材料力学」

材料力学には一貫したストーリーがあり、それを理解できると、公式の見通しがよくなってくる
高次元の構造体をどんどん分解していく
基本単位まで持っていけば、そこからは公式があるので計算していけるよなっていう考え方
引っ張り・圧縮、せん断、曲げ、ねじりという基本となる4つまで持ってければそこからは公式があるから計算できるという発想
これより小さく分解するのは必要なさそう、これは物性物理の領域


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基礎から学ぶ機構学
第1章 機構の基礎
第2章 剛体の運動解析
第3章 リンク機構
第4章 機構の静力学解析
第5章 摩擦伝動機構
第6章 歯車機構
第7章 カム
第8章 巻きかけ伝動機構