Navier-Stokes方程式
0. Navier-Stokes方程式とは
Navier-Stokes方程式は非圧縮性流体の運動を記述する方程式である
第一式は流体の運動量保存
第二式は流体の質量保存を表す
粘性係数を0とした時はEuler方程式と呼ばれる
Navier-Stokes方程式は二階非線型偏微分方程式である
難しさは、非線型項と圧力項があることと、uの時間発展方程式だが圧力pに関してはそうでない故にu,pを同様に扱うことができない点にある
3次元空間におけるNavier-Stokes方程式の解の存在とその滑らかさはいまだによくわかっていない
1.流体
1-1 圧縮性流体
流体とは、気体と液体のことであり、これらの動きについて数式を用いて考えていこうというのが流体力学である
この流体は主に2種類ある
空気のように圧縮できる流体を圧縮性流体という
ここでいう圧縮とは流体の密度が圧力の変化に応じて変化することをいう
1-2 非圧縮性流体
水のように圧縮できない流体を非圧縮性流体という
この場合流体の密度が一定となる
よって質量保存の式より、非圧縮性条件が出てくる
2.物理法則
2-1 Lagrange微分
非線型項が出てくる原因はLagrange微分である
Navier-Stokes方程式の第一式の左辺に現れる項はuのLagrange微分を表す
Lagrange微分とは物質微分とも呼ばれ、ざっくり言えば、流体中の粒子を追いかけて微分しようというものである
流体の測度ベクトルを微分するということは、物体の変化を捉えようとしているわけだが、知りたいのは流体がどんな形に変形されるかではなく、流体中の分子がどこからどこに移動したかを知りたいので速度ベクトルを時間で微分するだけでは不十分なので空間微分もする必要がある
そこで時間と空間の微分を組み合わせた微分がLagrange微分である
2-2 Cauchyの応力原理
流体に対してCauchyの応力原理が成り立つ
Cauchyの応力原理が成立する場合、運動量保存、すなわち運動方程式が成り立つ
2-3 Stokesの連続公理
変形速度テンソルDを次のように定義する
応力テンソルTと変形速度テンソルDの間にStokesの流体公理を仮定した場合
T = αI + βD + γD^2
が成り立つ
Stokesの流体公理を満たす連続体を流体と呼ぶので、この公理は成り立つと仮定して良い
3.Stokes方程式
流体の測度が遅い場合、すなわちレイノルズ数が小さい場合は非線型項は無視する
ことができ、Navier-Stokes方程式で非線型項を無視したものをStokes方程式と呼ぶ
よくわかるNavier-Stokes方程式 2
1.応力
固体に外力が作用すると固体は変形し、その内部に内力が発生する
今、内力について考察したいので、固体内部の面積・方向などの変化は小さいとして無視する
すなわち物体の点は移動しないとしてない力を考察する
個体への外力の作用は
1、表面力(圧力、支持力など)
2、体積力(重力など)
表面力をT(n)dSとした時、T(n)は応力テンソルという
単位法線ベクトルをn,単位面積をdSとした
応力テンソルは、境界面上の点Pと単位法線ベクトルnを指定すると決定される
2.平衡方程式
領域Vが受ける力は、表面力と堆積力であり、これらは積分で表せる
また、領域Vの慣性力も考える
したがって領域Vにおける運動方程式(質量保存則)がかける
ガウスの発散定理と、テンソルの計算より、方程式が導かれ、これを平衡方程式という
3.体積モーメント
電場内で誘電体が影響を受ける場合あるいは磁場内で磁性体が影響を受ける場合などでは固体の各部分がモーメントを受けることがある
この時、単位体積あたりに働くモーメントはベクトル量である
このベクトル量を体積モーメントといい、Mで表す
平衡方程式と角運動方程式を用いると、方程式が得られる
体積モーメントが0であれば応力テンソルは対称テンソルである
4.主応力
固体内の点を通る微小面をとり、nを微小面分の単位法線ベクトルとする
この微小面分を通じて作用する応力ベクトルのn方向への成分をn方向の垂直応力という
単位ベクトルを変化させた時のT(n)の極値を点Pでの主応力という
T(n)が主応力となるようなnの向きを点pにおける主方向という
主応力は応力テンソルの固有値である
5.等方応力・偏差応力
応力テンソルのトレースは不変量である
そこで、主応力の平均を等方テンソルという
また、偏差応力が定義できる
6.変形速度テンソル
一般に流体の応力は流体の速度の空間的な変化によって引き起こされると考えられている
ここで、ベクトル値関数の微分を定義し、その反対称部分・対称部分をそれぞれ、
G(u)、D(u)とおくと、∇uが分解できる
ここで、D(u)を変形速度テンソルといい、応力は変形速度テンソルからのみ引き起こされることが知られている
7.ナビエ・ストークス方程式の導出
流体はニュートン流体であると仮定すると、応力テンソルがある式で書けることが知られている
これは、応力が体積保存の変形運動に起因する成分と体積変化に起因する等方成分の線形結合で表せることを示している
ここで、Dは変形速度テンソルである
これより、運動量流束テンソルを定義すると
運動量保存則を得る
連続を式を使って整理すると、式が得られる
流体力学に必要な数学