QoW
仕事の質。QoLの仕事版というべき概念で、仕事のやりやすさ(働きやすさ)のこと。
背景
QoLと言われて久しいが、生活の質とは具体的に何なのかの探求は曖昧である
そもそも何が「質」であるかは人それぞれだろう
一方で、おおよそ誰にでも当てはまりそうな因子も存在する
同じことは仕事についても言えるのではないか
筆者は前々から着眼していたが、いまいち捉えてくれる人がいない
一方でエンジニアの文脈ではちらほらと見られている
Developer Experience。開発者体験と呼ばれ、開発者が気持ちよく開発できることを指す
Engineering Effectiveness。成果物の生産性を計測するのではなく、「ベストなパフォーマンスが出る状態」を計測しようという概念。Thoughtworksの提唱
Introduction - Engineering Effectiveness Handbook
このような概念を、QoLをもじってQoWと名付けることにした
性質
QoWの低下は退職(静かな退職含む)を招くほどクリティカルである
特にクリエイターにとっては致命的
「ビジネスマンは2種類に分けることができる。QoWがわかる者とわからない者だ」
両者は相容れない
QoWがわかる者が考えるQoWはおおよそ同じだが、QoWがわからない者がなぜわからないかの理由は分かれる
後者についてはたとえば以下がある
生産性や居心地に無頓着 →定住メンタルモデル
仕事は絶対であり個人のQoWなどというものはけしからん的な価値観
マイクロマネジメントが必要な特殊な仕事か、あるいはそうでなくとも受けていて洗脳されており、QoWという概念にピンとこない etc
関連
nつの拘束、ノーカラー
拘束を緩めることはQoWに直結する
リモートワークによりQoLが上がったこと、また仕事にも集中して取り組めるようになったことを実感した人は多いだろう
特に後者は、リモートにより場所に関する拘束が軽減されてQoWが上がったということができる
タスク管理の3Pモデル
特に「個人タスク管理」は最適なやり方が人それぞれだが、現状それにたどり着くのは難しい
個人タスク管理をしなかったり、「プロジェクトタスク管理」のみをしていたり、あるいは個人をしていても他者のやり方をなぞるだけだったり、では上手くいかない。QoWを下げる一因になっている
心理的安全性、企業理念、パーパスドリブン
いずれも「大義名分」に従うことで高いモチベーションと一貫性を保つ、というものである
高いモチベーションと一貫性を持てれば満足度も高く、成果も出やすい。QoWに繋がると言えるだろう
心理的安全性については少しわかりにくいが、心理的安全性を確保するために大義名分が必要という対応である
参考: Amazon.co.jp: 心理的安全性のつくりかた 「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える eBook : 石井遼介: Kindleストア