神代文字
神代文字
漢字渡来以前に神代文字という日本古来の文字があったという説が、室町時代以後に発生して、江戸時代から平田篤胤などによって主張されているcFQ2f7LRuLYP.icon が、存在の確証が得られている資料などはなく、偽作とされる
(1)漢字に先だってすでに固有の文字があったとすれば,わざわざ漢字を輸入して日本語を写したり,それから〈かな〉を発達させたりする必要は考えがたい。
(2)神代文字はその構成において,かなよりもいっそう進歩した文字とみなされる。かなは音節文字であるのに,神代文字は一種の単音文字である。 (3)最後に,これは否定の決め手であるが,神代文字は47音ないし50音しか書き分けない。奈良時代以前にまでさかのぼると,日本語の音節には〈いろは〉47文字では書き分けられない多くの音があり,それらは五十音図のうちには収められないところの音であった。すなわち,いろは歌や五十音図だけでは示しきれないところの音が上代にはあったのである。