計量線型空間
定義
$ K\in\{\R,\Complex\}を満たす任意の線型空間$ (V,\mathbf K,+,\cdot)と内積$ \braket{\bullet|\bullet}:V^2\to Kの組$ (V,\mathbf K,+,\cdot,\braket{\bullet|\bullet})を計量線型空間と呼ぶ $ (V,\mathbf K,+,\cdot,\braket{\bullet|\bullet})ではなく$ ((V,\mathbf K,+,\cdot),\braket{\bullet|\bullet})と定義してもいいだろうtakker.icon
このあたりは形式の違いなので気にしなくていい
1. (共軛対称律)$ \forall\bm u,\bm v\in V:\braket{\bm u|\bm v}=\braket{\bm v|\bm u}^* 2. (線型性)$ \forall\bm u,\bm v,\bm w\in V\forall\lambda,\mu\in K:\braket{\lambda\bm u+\mu\bm v|\bm w}=\lambda\braket{\bm u|\bm w}+\mu\braket{\bm v|\bm w} 3. (半正定値性)$ \forall\bm u\in V:\braket{\bm u|\bm u}\ge0 4. (非退化性) $ \forall\bm u\in V:(\braket{\bm u|\bm u}=0\implies\bm u=\bm0) 係数体$ Kは$ \R,\Complexに制限しないと成立しないらしい? 上記内積の定義において、係数体を実数体 R および複素数体 C に制限する必要があることにはいくつか理由がある。簡潔に述べれば、半正定値性が意味を持つために係数体は(内積の値域となる)適当な順序体を含む必要がある(従って、任意の順序体がそうであるように標数が 0 でなければならない)ことである(ここから直ちに有限体は除外される)。また、係数体は区別された自己同型 (distinguished automorphism) のような付加構造を持たなければならない。そういう意味では、より一般に R または C の二次閉部分体(任意の元が平方根を持つ体、例えば全代数的数体)を考えれば十分だが、(R でも C でもない)真の部分体を取ってしまうと、有限次元の内積空間でさえ完備距離空間にならない。これと対照的に、R または C 上の有限次元内積空間は自動的に完備となり、従ってヒルベルト空間になる。 別名
よく使われる