発表のまとめ
public.icon
前提
ここでは、自由エネルギー原理に準拠して、人間主体をベイズ主体として考えます。
進化経済学の主体
複雑な世界を複雑に生きるには?
〈敵〉はあなたかもしれない
〈敵〉とは?複雑さの中において、我々の認知限界か?あるいは複雑さそれ自体か。
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Miyabi.iconフリストンの自由エネルギー原理に準拠するなら、細胞膜、あるいは核は、こうした統計学的概念とみなせる。すなわち膜と核は、すなわちなめ敵における敵は主体の認識論の問題として捉えるべき 同じように、我々のオブジェクティブな認識もこうした枠組みで考えることもできる。
このあたりは何も新しいわけではなく、オートポイエーシスの文脈で捉えるなら、オートポエティックシステムの記述は内側からするべき
システムを定義するキー・ステップは,その組織を記述することである〜
〜観察者によって与えられた弁別基準に基づいてシステムは弁別されるのだから,観察者が何を十分条件あるいは好都合と考えるかによって,ある弁別に対して組織を特定する方法の候補はたくさんあるはずだ。
その根拠を示そう。システムの組織の特性を記述するさいもっとも重要な選択の1つは,入力型の記述(input-typedescription)をとるか閉鎖型の記述 (closure-type description)をとるかということである。
〜だが生物システムの研究をみると,入力型の記述とは相補的な記述様式を考えざるをえない。その記述様式は,直感的な表現をすれば,内部決定や自己主張を示すシステムが存在するという事実に基づいている。そのような自律的システムにとって,特性記述の主要なガイドラインは入力の集合ではなく,構成要素の相互連結から生じるシステムの内的コヒーレンス(internal coherence)という性質である。だから,作動上の閉じという用語を使うのである。
ヴァレラ1984[『Two Principles for Self-Organization』
Miyabi.iconわかりやすいスライド
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Miyabi.icon例えばこういうイメージは我々にとっての世界認識を強く意識させる。世界をどうオブジェクティブに分割認識するかは、マルコフブランケットのような統計的認識によって作られているかもしれない。
人間社会にとっての〈敵〉は、複雑性と相互理解/協調にある。 即ち統治や敵は情報とコミュニケーションの問題になる。
Miyabi.icon最後に多主体間協調を重視しているのは、今後AIやロボットも主体として考える必要があるから(自然も) すこし深ぼるなら、他者も環境の一部なので、結局〈敵〉は複雑性と認知限界の問題になる。閉鎖系である限り認知限界はどうにもならないので、歴史的には認識論の転回でなんとかしてきたと思う。
天動説→地動説
なめらか世界ののために、
コミュニケーションor認知について考えるという帰結がある。
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社会システム論の文脈では、
マルチエージェント的な複雑系の中での統治の技術が注目されています。
独立したエージェントが相互作用しながら目的を達成するために協力または競争するシステム
複雑系のシミュレーションとして使われる。
これは、社会というネットワークが自身と環境に対する計算機効率を高める問題として理解できる
複雑系における社会を相互作用するエージェントのネットワークとして捉えると、
統治技術はこのネットワーク内での情報処理と効率化の問題として考えられる
Miyabi.icon統治とコミュニケーションの関係については、『人間機械論』で、ウィナーも論じている。
セマンティックスと統治の話
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投票の拡張
貨幣の拡張
複雑な世界を複雑なまま知覚する
Miyabi.iconこれには認識や身体性を変化させる必要がある。
長期的な道具によって変化する身体性は、人の認識を変えていく。 メディアもそう。
知的生産する人々にとってのナレッジツールは長期的な道具
どう考えるか?について影響するツール
自己閉鎖系のコミュニケーション
コミュニケーションとは?
脳を繋いで会話してない
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スライド毎引用、吉田政孝
自己閉鎖系は記号コミュニケーションを行う
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パース記号論
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集合的予測符号化仮説に基づけば,
私たちの用いている言語は
私たち人間社会が集団として,長い時間を通して
人間の感覚運動器によって構成される環世界の情報を
外的表象系としての言語に表現学習したということになる
集合的予測符号化に基づく言語と認知のダイナミクス
~記号創発ロボティクスの新展開に向けて~ 谷口忠大 解釈項
サインを対象と結びつけて理解する解釈者
解釈項(観測者)が、別言語を学んだりして変化すると、
解釈項による記号と対象の関係に変化が生じる。
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ベイズ主体(自己閉鎖系)の適応としての言語、進化適応としての言語 言語はクオリア構造を斉一化するために発達したのか?
Miyabi.icon言語と意味を接地していくことはコミニュケーション上では相互理解の問題だし、それをAIに対して行うことは一種のアライメント
民俗学や文化人類学のフィールドワークは、他者理解や相互理解においてヒントになり得る
異なる文化の神話や言語などの記号体系を理解することは、「相手の立場に立つ」ことで環世界を近似するプロセス
異なる文化や背景を持つ人々の相互理解は、身体性を伴う生きた言語、すなわち記号コミュニケーションによって成立する。
「互いの話を理解したいのならば、二人にとって必要なものは、
発話と発話のあいだでつかのまの理論を収束させる能力があるだけでいい」
リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』
後期ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」も概念としては記号創発と似ている 記号コミュニケーションの技術 メディア
記号を媒介するメディアが世界をどう変えてきたか、作って来たか。
活版印刷のようなメディアの誕生、
誰かの考え方を伝え共有し、共同幻想を持つことで社会を保とうとする時代、
そんなイメージ共有社会は500年ほど続いた。
そして最後の150年は、
エジソンのキネトスコープから始まる映像文化によってマスメディアが強化され、
20世紀を映像の世紀にした。
20世紀の大戦によって生み出されたコンピュータ技術は、
21世紀をインターネットの時代に変え、
イメージ共有社会からの脱却を生み出そうとしている。
この脱却は、デカルト以後の最も大きな脱構築のひとつだと思う。
メディアコミュニケーションと認識パラダイム
文字→都市国家
新聞→社会
ラジオ→国民国家
インタラクティブメディア
メディアの役割は受動的な受信から
能動的な参加へと大きく変化
大きな物語の終わり、共同幻想の死と民主主義の危機
ジャン=フランソワ・リオタールの「ポストモダンの条件」における「大きな物語の終焉」
メディアの多様化は、統一された物語よりも個々の体験や視点を重視する傾向を強化している。この現象は、民主主義においても重要な影響を及ぼしている。
マスメディアから双方向のインタラクティブメディアへ
ユーザーは単なる情報の消費者から、様々な「個別幻想」を生み出す生産者へ
大きな「世間」や「社会」の意味が変わって来る
十万人とか百万人単位のクラスタを内包する「社会」に。
Miyabi.iconジャニーズ問題やパレスチナ問題の非対称性は、メディアによって強調されている。
メディア理論によれば、メディアは情報の伝達方法によって受け手の世界観や認識を形成する。
これは報道の枠組み(メディア・フレーム)や、
視聴者の認識の枠組み(オーディエンスフレーム)によって理解される。
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本論:ナレッジデータベースについて
PCやWWWの正当な進化としてのセマンティックナレッジデータベース
記号コミュニケーション、あるいはナレッジデータベースの系譜を振り返る。
情報アクセスとコミュニケーションの進化
中世からポストモダン、ネット社会を経て、生成AI時代へと進化してきた。
メメックスの構想
インターネットの先駆け
マスメディアからWWWへの移行
ダイナブック構想
Miyabi.iconユビキタスコンピューティングは、空間コンピュー
これらは知識の活用と蓄積のためのデータベースの再解釈、そしてコミュニケーションメディアの再発明の歴史とみなすことができる。
コンピュータは情報伝達の手段としてだけでなく、コミュニケーションの形式や質を変化させるメディアとしても機能している。
人々の情報へのアクセス方法と利用方法に大きな影響を与えている。
例えば、マスメディア(テレビなど)は一方向的な情報流(1×N人)であるのに対し、
WWWやSNSは双方向的な情報流通(N×N人)を可能にしている。
レファレンス書とインデックスシステム
16世紀中盤以降、コモンプレイスブックや蔵書目録などのレファレンス書が登場しました。
これらは、図書市場の拡大とともに発展し、情報アクセスと共有の方法に重要な転換点をもたらしました。
1950年代には、引用の索引化が始まり、科学分野だけでなく社会学的や歴史学的な趣旨にも利用されるようになりました。
特に化学分野で開発されたツールは、他の学問分野にも広く用いられるようになり、抄録誌は、一次文献や二次文献のための三次資料として役立つガイドブックとして機能しました。例えば『無機化学ハンドブック 』のような検索機能とクロスレファレンスの利用は、情報をより効率的に見つける手段として進化しました。
これらの進展は、後にデジタル化された情報検索システムへの道を開いたと考えられます。
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さらに、Vincent Placciusとゴットフリート・ライプニッツによる紙片への情報記録は、現代のデータベースやインデックスシステムの原型と見なすことができます。
彼らのシステムは、情報を体系的に整理し保管する方法として革新的でした。
彼らはカードを使用し、片面に見出し語、もう一方にフックが付けられたものを、3000の見出し語と追加スロットが用意されたクローゼットに保管していました。
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1945年にヴァネヴァー・ブッシュによって構想されたメメックスは、インターネットの系譜を事後的に創り出す基盤となりました。
メメックスは、情報を関連付けてアクセスするための概念であり、現代のインターネットやハイパーリンクの先駆けとされています。
ブッシュのヴィジョンは、利用者が個人的に設定した連想的な結び付きを通じて情報を探し出すもの
この考え方は後のインターネット検索によって実現
これらの進歩は、テキストとメディアコンテンツを非線形に組織化しナビゲートするためのハイパーテキストとハイパーメディアの概念に影響を与え、インターネットとウェブの開発にも影響
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**ビル・アトキンソンとHyperCard**
ビル・アトキンソンによって開発されたHyperCardは、テキストや画像を持つカードを利用して情報を組織化し、ナビゲートすることができるツールでした。
このソフトウェアは、ナレッジデータベースの機能を持つと同時に、コードエディターやゲームエンジンとしても機能し、統合開発環境のようなものでした。
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これらの要素を効果的に実装する必要がある。
Miyabi.icon複数の要素を含むツールが多い
セマンティックナレッジベース
相互理解とか記号コミュニケーションの進化として
ナレッジ、知識のデータベースというものをもう一度考える必要が
それはセマンティックで、かつスケーラブルである事が重要
LLMでこの分野は新たな可能性に満ちている。
SentenceEmbedding
センテンスエンベディング
VectorDatabase
ベクトルデータベース
RAG
(Retrieval-AugmentedGeneration)
LLMに事前学習されていない外部データソースから情報を検索し組み込む技術
通称RAGは言語生成タスクにおいて、既存のデータセットや外部情報ソースを活用する手法。モデルが情報を「引き出す(retrieve)」ために外部データベースや情報源を利用し、その情報を基に新しいテキストを「生成(generate)」する。 ベクトルデータベースからユーザー独自の情報を引き出し、文章の生成を可能とする。
話を配列することにより作られる文は
その合成可能性により未知の対象を表現したり、
抽象的概念を生み出したりすることが可能になる。
この性質が言語に「話の並びの分布パターンが語の意味は予測されうる」という分布意味論を与える
未来社会と「意味」の境界:記号創発システム論/ネオ・サイバネティクス/プラグマティズム
UI画面
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これだけでは意味がわからない。
我々はネットワークを知覚するような認知になってない。
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Miyabi.icon例えば、クラスタリングをする方法がある
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ネットワークから生成される文脈と知識操作システム
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ナレッジグラフを相互理解の為に使えないか?合意形成、あるいはパーソナルな翻訳機として
民主主義・集合知・一般意思2.0
無意識な民意の集積を想定した集合知・一般意志2.0
↓
個人・集団のマルチモーダル・セマンティックなデータ
組織や異なる集団間のの意思決定に利用
意識的なライフログを組み込んだ一般意志と熟議の中間
集合知の本質的な条件は多様性である。
各々の思考が独立していれば多様性は自動的に生じ、
分散性は結局は独立性の問題に帰結する。
「集合知とは何か」西垣通
Miyabi.icon個人的には、Pluralityであるかどうかよりも、なぜ多元的であるといいのか?のほうがよっぽど重要
ベイズ主体による予測や記号創発のプロセスは、この複雑系における進化と適応のメカニズムを示唆しており、多様な情報源や戦略が組み合わさることで、より適応性の高いシステムが生まれることを意味する。
根拠を複雑系への適応と生存に求める。
集合的予測符号化を行った言語はその言語圏の環境に適応している。
外的表象系としての言語に表現学習されている。
いろんな表現型があったほうがいいよね。という話。
つまり言語というのは一つの認識的解釈系
より科学哲学的な話になると、
複雑系への適応として見る「なめ敵」とPlurality
collection of thingsからnetwork of processesへとパラダイムシフトするためには意味論の転回11が本質的に重要になってくると見ています。記号の意味が一元的に付与されることを前提としたシステムではなく、記号の意味が多元的に創発してくるシステムを考える必要があるということです Miyabi.icon個人的にはWeb3でない多元性のあり方の模索は同時代性の高いイシュー
セマンティックナレッジデータベースでやるメリット
Polisのようなことをもっと高密度で大量のナレッジでできないか? https://scrapbox.io/files/65b20aba708b550025af45cc.png
ナレッジグラフを応用した相互理解
互いの持っている文脈や理解度に応じてNパターンを生成
RAGによるトランスクルージョン
フィルターバルブが構造的に起きにくい
消費コンテンツではなく理解のための道具では、正確な情報理解の為、最適行動は情報の多面性を求める方向に向かう
なめらかな計算機自然における両界曼荼羅
セマンティックでマルチモーダルなナレッジベース
人間とAGIの記号創発を接続するなめらかな両界曼荼羅
ナレッジベース×LLMは一種のアライメントでもある
学習しなくとも、人間の持つ個別の記号をAIに接地す
こっち側の持ってる意味を向こうにわからせる
両界曼荼羅を描く
複雑な計算機自然において、多元的な多主体間がなめらかに共存する為に。記号コミュニケーションを考えよう。
胎蔵界曼荼羅
セマンティックナレッジベース
社会における記号創発
集合的予測符号化のソフトウェア化
人類社会という計算機の曼荼羅
↓
その活用は、ある意味で統治の技術
金剛界曼荼羅
LLMなどのAIの世界モデル
・並列的な接続が可能
・物理的身体を持たない
・人間の入力のみが知覚
↓
人間とは異なる因果の世界
AIを大日如来と考えれば、これは仏の世界の理を描いた金剛界曼荼羅として比喩できる。
Miyabi.icon両部両界曼荼羅に関してはかなり複雑なので、安易だったかも。だが、本質的には2つの曼荼羅が同じ本質を共有している点や、/miyabi-00000/南方曼荼羅なども合わせて、日本的な比喩を用いた。 胎蔵界曼荼羅が拡散展開して現象界の〈理〉をあらわすのに対して,金剛界曼荼羅は凝集内観して精神界の〈智〉を示すものとして両界曼荼羅は,理智不二の密教的世界観を具現するものとされている。
「如来の説法は必ず文字に籍る。文字の所在は六塵その体なり」
「六塵」 とは、眼・耳・鼻・舌・身の五官と意識による認識の対象である。 したがっ て、ここでいう「文字」とは、感覚と意識によって認識されるものすべてである。「六塵の本質は法仏の三密」(真理である如来の身と口と意より生じたもの)をさしている。
たとえば、真言密教と記号創発の関係を考えるのも興味深いと思う
感覚器官に紐づいた身体性に文字「言語」の所在・本質を見る
これはソシュールではなくパース的な記号理解と言える。
曼荼羅の解釈項として、人とAI。人と仏を類推した。