パース記号論
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記号論(セミオティクス)は、チャールズ・サンダース・パースによる、 「表現、内容、指示対象」の三項に基づく、記号の学。
パースの記号論において、記号は物理的指示作用と図像的表示能力をもつとし、
さらにこの二つの作用の総合として象徴作用という第三の意味作用が生じると考える。
パースは記号のこのような三つの意味の差異を以上の三項で呼び分ける。
記号とは常に低次の意味作用から高次のものへと発展する、記号は時間の中にある、と考える。
ウンベルト・エーコなどが代表的な論者である。
wikiより
我々は、意味を作る欲望に動かされている種のように思われる:
我々は、まさしくホモ・シニフィキャンズ (Homo sinificans)、意味の作成者である。
特徴的なことは、我々は‘記号’の生成と理解を通して意味を作り出すことである。
まさしく、パースの言う通り‘我々は、記号でのみ思考する’ (Peirce 1931-58, 2.302)。
Miyabi.icon「記号でのみ思考する」これはその通りだと思う。
代表項 (The Representamen):記号の形(必ずしも物質的でない); 解釈項 (An Interpretant) :解釈者でなく、むしろ記号により作られる観念; 対象 (An Object):記号が指示するもの 。
パースの記号モデルは、対象または指示物を含んでいる ―それは勿論ソシュールのモデルには直接現れてこない。代表項はソシュールの記号表現に、また解釈項は、意味としては記号内容に似ている (A href="http://www.aber.ac.uk/media/Documents/S4B/sem13.html#Silverman_1983">(Silverman 1983, 15))。しかし、解釈項は記号内容とは異なる性質を持っている:それ自身、解釈者の心の中での記号である。パースは次のように記している。‘記号...は誰かに語りかける、つまりその人の心に同等または多分もっと展開された記号を生成する。それが生みだす記号を最初の記号の解釈項とよぶ’((Peirce 1931-58, 2.228))。ウンベルト・エーコは、これが(パースが良く知っていたように)解釈項の限りない(ad infinitum)連鎖に(潜在的には)結びつくことから、‘無限の記号過程’と名付けた (同上, 1.339, 2.303)。 https://scrapbox.io/files/642e93565006c9001ba0f619.png
象徴/象徴的 (Symbol/symbolic):記号表現は、記号内容に似ていず、原則的に恣意的であり、純粋に慣習的でありその関係は学習されなければならない態様(mode):例えば、言語一般(加えて特殊言語、アルファベット文字、句読点 、言葉、句、文)、数、モールス信号、交通信号、国旗;
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類像/類像的 (Icon/iconic):記号表現は、記号内容に似ているか、意味されているものを模倣しており(認識できる表情、音、感覚、味、それのような匂い)-そのものが持つある性質を同じように保持していると認められる態様:例えば、肖像画、風刺画、縮尺モデル、擬声、隠喩、(情景・物語などを描写する)標題音楽の‘現実感のある’音、ラジオドラマにおける効果音、吹き替え映画の台詞、物真似;
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指標/指標的 (Index/indexial) :記号表現は、恣意的でなく、ある方法(物理的かまたは因果関係で)で記号内容と直接的に結ばれている様態 ―その結びつきは観察できるか推測できる-:例えば‘自然記号’(煙、雷、足跡、エコー、非人造的な匂いと味)、医学的な徴候(痛み、発疹、脈拍)、測定機器(風見鶏、温度計、時計、アルコール水準器)、‘信号’(ドアのノック、電話のベルの音)、指示器(人差し指、方向を指示する道標)、記録写真、映画、ビデオまたはテレビの場面、録音された音声)、個人的‘商標(トレードマーク)’(筆跡、標語)、そして指示語‘あの’、‘この’、‘ここ’、‘あそこ’)。
記号を3つの基本的なタイプ、すなわち、イコン、インデックス、およびシンボルに分類します。これらは、記号とその参照先との関係に基づいて区別されます。
1. **イコン**:
- イコンは、それが指し示す対象の何らかの特性や質に基づいて関連付けられる記号です。イコンは、形状、類似性、または外観によってその参照先を示します。たとえば、地図は、それが表す地域の形状に基づいています。
2. **インデックス**:
- インデックスは、事物間の実際の因果関係または連関に基づいて関連付けられる記号です。たとえば、煙は火を指示するインデックスとして機能します。インデックスは、実際の接触または関係によって対象を示します。
3. **シンボル**:
- シンボルは、慣習や法則に基づいて対象に関連付けられる記号です。シンボルは、学習された規則や慣習によって意味を持ちます。言語の単語は、シンボルの典型的な例です。
解釈項(interpretant)
記号と対象の関係を理解または解釈する過程または結果
解釈項は、記号が意味を伝える方法を示し、記号がどのように対象を代表するかを解明します。
解釈項は、記号の意味と対象の関係の理解を促進し、記号の解釈を可能にします。
1. **イコンと解釈項**:
- イコンの場合、解釈項は、イコンとその対象との間の類似性を認識し解釈します。
2. **インデックスと解釈項**:
- インデックスの場合、解釈項は、インデックスとその対象との間の実際の関係を認識し解釈します。
3. **シンボルと解釈項**:
- シンボルの場合、解釈項は、シンボルとその対象との間の慣習的または法則的関係を認識し解釈します。
このように、解釈項は、イコン、インデックス、およびシンボルがそれぞれどのように対象を指し示し代表するかを理解し解釈する役割を果たします。
Semiotics for Beginners
-初心者のための記号論-
Daniel Chandler (University of Wales)より引用及び学習する。