東海道戦争
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概要
東京オリンピックと大阪万博というふたつの狂乱の空白期間に、日本人は戦争という狂乱を望んだ......。東京と大阪の間で突如勃発した”東海道戦争”を題材に、人間の変わらない愚かさを、その愚かな人間たちを同じ目線で徹底的に描ききった傑作。
おすすめポイント
50年前と変わらない人間の愚かさを映し出した傑作。
本作が執筆されたのは1968年。64年の東京五輪と70年の大阪万博の間に位置します。
この作品において、筒井康隆は、狂乱と英雄を求めた愚かな大衆と、その結果勃発した愚かな戦争をまとめて、同じ愚かなものの目線を通して人間の愚かさを執拗に描写し続けます。
戦争とは、愚かな行為です。その愚かな行為が発生する様を疑似的に描き出し、そしてその矛先が68年当時だけでなく、半世紀経った今現在――20年に東京五輪を、25年に大阪万博を控えた現在の日本――に向いているその普遍性が、この作品の素晴らしいところです。
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