モチベーションミーティング 第二回
2020-12-27
コンテンツ
関カレ突破のために必要なこととは?〜2019年関カレリザルトに見る各種目の重要性〜
2019年関カレリザルトに見る目標タイム設定方法
今日から始めるパワートレーニング入門
パワートレーニングとは?
Strava + intervals.icu で始めるパワートレーニング Hands On
関カレ突破のために必要なこととは?〜2019年関カレリザルトに見る各種目の重要性〜
仮説
◯ 関カレ突破する人は皆バイクがある程度速い
△ バイクが速いと関カレを突破できる
方法
方法1: 各種目のタイムの変動係数を用いた比較
各種目のタイムの全完走者,ボーダー内の標準偏差,変動係数を出してみる
注) 変動係数: 異なる種類のデータ間でばらつきを相対的に比較する際に使う
$ 変動係数 = \frac{標準偏差}{平均}
方法2: 各選手・各種目のタイムの偏差値を用いた可視化
各選手,各種目のタイムの全完走者における偏差値を出してみる
ボーダー内の偏差値のばらつきを色分けして可視化してみる
その他の方法も……
異なるアプローチとして,28期 安田さんによる各種目の順位と総合順位の関係を使った分析
順位から見る関カレ〜ちょっとした機械学習〜 | J's Blog
今回のExcelのファイルは配布するので,眺めたりいじくり回したり(別の年度のデータでやったり),ツッコミ入れたりしてください
各種目のタイムの変動係数を用いた比較1
table:全完走者・ボーダー内の平均タイム,標準偏差,変動係数
スイム バイク ラン
全完走者平均タイム 0:26:41 1:09:13 0:45:03
全完走者標準偏差 0:05:31 0:06:34 0:06:12
全完走者変動係数 0.207 0.095 0.138
ボーダー内平均タイム 0:22:30 1:03:21 0:40:22
ボーダー内標準偏差 0:02:10 0:01:50 0:02:16
ボーダー内変動係数 0.096 0.029 0.056
table:変動係数のみ抜粋
スイム バイク ラン
全完走者変動係数 0.207 0.095 0.138
ボーダー内変動係数 0.096 0.029 0.056
全完走者,ボーダー内どちらで見てもバイクが一番変動係数が小さい(ばらつきが小さい)
タイムのばらつきの大きさ(全完走者,ボーダー内共に)
スイム > ラン > バイク
各種目のタイムの変動係数を用いた比較2
table:変動係数 全完走者/ボーダー内
スイム バイク ラン
全完走者/ボーダー内 2.158 3.288 2.446
全完走者の変動係数をボーダー内の変動係数で割った値(全完走者のばらつきに対してボーダー内のばらつきが小さいほど大きい)もバイクが一番大きい
ボーダー内に入れるかが一番絞られるのはバイクであると言える?
全完走者に対して,母集団をボーダー内に限定することで一番ばらつきが小さくなるのはバイク
各選手・各種目のタイムの偏差値を用いた可視化
各選手・各種目のタイムの全完走者中の偏差値を出した
偏差値を数値に応じて色分け(他種目でも偏差値60同士は同じ色になるように)
バイクは上位から下位にいくにしたがって比較的綺麗に薄くなっていく
リザルトは総合順位(タイム)順に並んでいるのでバイクタイムがそのまま総合順位になっていると言える?
安田さんの分析でも同様の傾向だった
順位から見る関カレ〜ちょっとした機械学習〜 | J's Blog
ランでは数人同じ色が連続する区間がいくつか見られる
ここにバイクの集団があって,ランで近いタイムで走ってフィニッシュした人たち?
全種目で上位ではばらつきが小さく,下位に行くにしたがってばらつきが大きくなるのが分かる
比較的スイムでは上位でもばらつきが大きいかも
これらから言えること
バイクが速いというのはボーダー内に入るための必要条件
バイクが速ければボーダー内に入れるというわけではないが……
スイム/ランが速かろうが,バイクが速くなくてはボーダー内には入れない
(ばらつきの小ささから)バイクは全体の競技レベルが三種目で最も高いので,努力したからといって出し抜くことは難しいかもしれない
しかし,平均的な競技レベルに上げるのは先述のように必要条件
ボーダー内には3種目のうち,スイムやランが遅い人に比べてバイクが遅い人は少ない
スイム/ランに苦手があって一方で挽回を狙う場合でも,バイクは平均レベルまで仕上げる必要がある
実例として……
近年 Team J. でボーダーギリギリで関カレを突破した人の中にバイクが苦手だった人は居ないかも
29期 田中 (2018), 30期 橋本 (2018), 30期 尾島(2019), 31期 太田(2019)
バイク強化のすすめ
関カレボーダー内のタイムのばらつきはバイクが一番小さい(=求められる水準が一番高い?)
ODのトライアスロンにおいて競技時間が一番長い(およそ1/2)
(尾島の実感)バイクは練習量に対して素直に伸びる
バイクはスイム,ランに比べて先天的なセンス,スキルが関係ない種目
バイクは三種目中一番能力の伸びを確認しやすい種目
三種目で唯一能力を確実に測定できる測定機器(パワーメーター)がある
パワーカーブ Hands On
https://gyazo.com/01a57b4d01d2218ff7cdc7fbadacddb6
スポーツサイエンスの分野でも測定可能性から自転車運動は重宝されているようだ
バイクは練習量に対して素直に伸びるゆえ,関カレ順位が練習量順になっているとしたら,バイクタイムが練習量順になっている(=それがバイクタイムが総合順位に相関しているように見えているだけかもしれない)
2019年関カレリザルトに見る目標タイム設定方法
ボーダー付近の選手を想定
総合タイムをボーダー総合タイムに設定する
2019だと2:12:30
まずはバイクタイムをボーダー内平均に設定
2019だと1:03:21
スイム・ランに苦手があれば,その損失を補えるように-1min
スイム・ランに苦手がなく,バイクが苦手であれば+1min
残りタイムをそれぞれの得手不得手に合わせて分配
例)スイムが苦手なので26分, 残りタイムがランの目標タイムなので43分18秒
苦手種目の克服の優先順位は,競技時間の比で考えるといいかも
スイム:バイク:ラン = 20:60:40
スイムで短縮する1分の強さ?は,バイクでは20/60分 = 1/3分,ランでは20/40分 = 1/2分
今日から始めるパワートレーニング入門
パワートレーニングとは?
パワー(出力)を基準にワークアウトを行うトレーニング(現状,現実的にはバイクに限られる)
パワーを基準に算出した負荷を利用してコンディションを管理するトレーニング
今回紹介したいのはこちら
パワーを基準に算出した負荷を利用してコンディションを管理するトレーニング
パワーメーター(出力計)を使用して,1時間全力で出すことができる力 (FTP) で1時間全力で頑張ったときの負荷をTSS (後述) 100とする
ランはLTHR (Lactate Threshold Heart Rate) で1時間走り続けた負荷をTSS 100とする
スイムはペースFTP Pace (1時間全力で泳ぎ続けることができるペース) を推定プロトコルを用いて算出し,そのペースで1時間泳ぎ続けた負荷をTSS 100とする
以上の基準を用いて,トライアスロンの3種目の練習負荷を同一の数値に表すことができる
そして,その数値をもとにフィットネス(練習による身体の仕上がり具合)やコンディション,疲労を管理しようというのが今回紹介するパワートレーニング
ざっと用語解説
TSS (Training Stress Score, Loadとも) : トレーニング負荷, 1時間全力で出すことができる力 (FTP) で1時間全力で頑張ったときの負荷をTSS 100とする
CTL (Fitness) : 6週間 (42日間) の平均のTSS, 長期間で積み重ねてきた練習量, 身体の仕上がり
ATL (Fatigue) : 1週間 (7日間) の平均のTSS, 短期間での練習量
TSB (Form) : CTL - ATL, 好調さや疲労の度合いを表す, +であれば(直近1週間の練習量が直近6週間の練習量より少ない)疲労が抜けた元気な状態であると言える
基本的にTSBの低下に気をつけながら,CTLを上昇させるということを留意してコンディションを管理する
レース前など疲労を抜きたい時にはCTLを保ったままTSBを下げるようにする,など
言葉で説明しても分かりにくいので尾島のデータを見てみましょう
interval.icuの画面を見ながら Hands On
Strava + intervals.icu で始めるパワートレーニング
Strava
スポーツのログデータ(アクティビティ)をアップロードし,それにSNS機能を加えたWebサービス
セグメントと呼ばれるユーザーが作成した区間でのタイムトライアルができるのが目玉機能
コミュニティ機能も充実していて,アクティビティ毎にコメントやいいね (Kudos) できるほか,チームを作って,その中でイベントを立ち上げたり,走行距離を競うなども可能
GarminやPolarを始め,いまやほとんどのデバイスと自動同期できる
二次利用がしやすいのでログデータの置き場としておすすめ
無料で利用可能
最近機能制限が激しくなったが……
尾島は2014年ごろから使っているが,最近はアクティビティにコメントや写真をつけて練習日誌のように使っている
https://www.strava.com/athletes/ojimakouki
みんなこっちに来てくれ
intervals.icu
Stravaのデータと同期し,パワーデータ等を管理してStravaを用いたパワートレーニングが可能になるWebサービス
Load, Fitness, Fatigue, Formを見ることが可能な他,詳細なパワーデータの分析が可能
プラン機能が利用できる
未来のLoadをカレンダー上に入力して,レースなどに向けた今後のトレーニング計画に利用できる
フォロワー/コーチ機能
自分が指定したユーザーをフォロワー(データの閲覧,コメントなどが可能),コーチ(加えてプランの入力などデータの編集が可能)に追加できる
完全無料でWebブラウザ上で利用できる
現状,完全無料でWebブラウザ上で利用できる(データをクラウドに置ける)ここまで高機能なものは他にない
Training Peaks (有料,Webブラウザ上で利用できる)
Today's Plan (有料,Webブラウザ状で利用できる)
Golden Cheetah (無料,超高機能だが各OS上ローカルで動くアプリケーション)
Elevate for Strava (無料,Webブラウザで動くがデータをローカルに置く,機能が貧弱)
Strava Summit (有料,とっつきやすいがプラン機能が無いなど機能が貧弱)
尾島による Hands On