イノベーションゲーム案
経営学の授業をイメージ
イノベーションの起こし方なんか座学で勉強するものではない
自分で手を動かす経験が必要
とはいえプロジェクトを実際にやるのは学習のサイクルが大きすぎる
技術力の前提をそろえることの難しさもある
失敗を体験することが大事ではないか?
体験させたい失敗(全部盛り込むのは無理かもだけどブレスト)
市場探索ゲーム案
商品は複数の属性を持っている(商品は実数値のベクトルで表現される)
市場がその商品をどれくらいの価値に評価するか(市場の効用)はある関数で表現されるが、その関数はプレイヤーには未知
商品を市場に出すことで、その商品の効用を知ることができる(その点での効用関数の値を知ることができる)
商品を市場に出してどの程度の効用かを知った場合、その情報は対戦相手にも共有される。
商品を市場に出さずにテストマーケティングをすることもできるが、未知のノイズとバイアスが乗る。
技術的な制約などによって「作ることができる製品」には制限がある
イベントカードなどによって制約が解除されたり(技術的革新)、逆に制約が生まれたりする(法的規制)
自社の技術開発投資によって「自社だけ制約が少し緩和されている」という状況を生み出すことができるが、これは製品を出すと何ターンか後には陳腐化する
市場に出した商品の効用が高いほど売り上げが上がる?ここは工夫の余地がある
シェアは小さいが利益率の高い商品、という戦略の余地があった方がいいが、それは拡張パックでやるかなぁ
商品の製造コストが会社によって異なればよい。
繰り返し製造することや、まとめてたくさん製造することによって製造コストが下がる
価格設定は「商品の属性」の一つで、基本的に安い方が効用が高い
座組と勝利条件は何パターンか考えられる
全員同じリソースを持っている状態から初めて、一定時間後に一番儲かっていた人が勝ち
一人の「独占的大企業」と残りのメンバーによる「革新的ベンチャー」の対抗戦
大企業側に少しハンデが必要
「ダイスロールしてターンスキップ」とか「3回に1回お休み」とかで意思決定の遅さを表現
ベンチャー側だけ「ベンチャーキャピタル」カードを引くことができる、とか。
大企業から人材引き抜き
ベンチャーチームが協力プレイをするかどうか
「大企業の独占状態を崩すことができればベンチャーチームが全員勝ち」
「ベンチャーチームは各自が破産せずに存続すれば価値」という手もある
こっちの方がリアルだけど、ゲーム途中で脱落してすることがなくなると退屈
脱落した人は、残っている人の中で一番高い金額を付けた人が雇用でき、1ターンの行動可能回数が増える
戦略考察
「この属性を高めれば効用が高まりそうだ」というのがある程度見えていて、リソースが十分にある大企業プレイヤーなら「研究開発によって自社だけの制約緩和」「他の会社が出せない効用高い製品を出してシェアを収益を確保」「収益を研究開発に再投資」というサイクルが回せる。いわゆるクローズドイノベーションである。
効用関数がよくわからない状況や、リソースが乏しい状況では「なるべく低コストに情報を得る」プレイが重要、いわゆるリーン・スタートアップ。一方でこのゲーム条件だと参入障壁がないから、ベンチャーが見つけたよい商品の周囲で、大企業が絨毯爆撃をしてシェアを奪う手が有効。 亜種
毎ターンNのコストを支払うことでN人の雇用をすることができ、毎ターンの行動可能ポイントがlog(N)増える案
ただし解雇は困難
研究開発の内容について特許を取るか、社内秘匿するかの経営判断を迫る
特許を取ると数ターン法的に保護されるが、何について特許を取ったかは明らかになり、競合が周辺を攻められる
特許を取らないと、従業員の忠誠度が低い場合には競合にリークする
実装
「未知の効用関数」「シェアの計算」あたりはコンピュータに任せたい
多人数対戦の他に、1人でプレイできるシナリオモードもあるとよいなぁ
「唯一の最適な戦略」が存在せず、状況によって異なることを体験することが重要
色々な亜種を作ることができるような仕組みがあるとよい
多人数対戦はワークショップでやることを考えるとホットシートモードでいいのでは
ブラウザ上でJSで動くとよいのでは
チュートリアル案
シェア50:50からスタート、こちらには産業スパイがいて、コンピュータ側のテストマーケティングの内容を筒抜けにする
ゲームは最小限の機能からスタートして、慣れてから徐々に複雑にする
固定の空間でのポジショニングのゲームになってしまうとよくない
軸が増える必要がある、また軸が増えたことに気付くかどうかがプレイヤーによって異なるとよい
需要が作られることをどう表現するか
補完財
広告宣伝による強いブランドづくり:ブランド自体が新たな属性軸になる
この軸の属性を付けることが商標権で独占できる
新しい軸づくりに成功するかどうかは運、寄与するパラメータとして「競合との差が大きいこと」「過去に類似のものがなかったこと」などがあるか?
そもそも需要は本当に作れているのか?
イベントカード
当初予測不可能な変化は全部イベントカードにするつもりだったが2つの点で不適切
時間経過で起きる外的な環境の変化と、結果は予測不能だが試行の回数を増やせるタイプの変化(研究開発・広告宣伝など)は分けて考えるべき
あと、カードのメタファーでは「変化が起きた」ことをプレイヤーは知りえるわけだが、現実には必ずしもそうではない
モチーフ
予期しない新結合で新しい技術が生まれるとよい?
ドラッガーの「イノベーションの7つの機会」
「予期せぬ成功」を追うのが一番成功しやすい
顧客の存在は直接観測できないべきで、商品を出すことによって観測される
外部の人材を使って問題を解決する
社外秘の情報を抽象化して外で解決するスキル
オープンイノベーション
予測不可能な環境の変化が起こるゲーム
「イベントカード」が袋とじになっていて、開くまでわからないとか
ルールが変化するゲーム
半デジタル化
めんどくさいところは機械に任せて、高速に回るようにしたい
金を配ったり、両替したりで時間を浪費しない
サイコロでは実現しにくいような確率分布からのサンプリングもできる
「顧客がいるかどうかテスト」をデジタル側にもってくるとよいかも
っていうかそもそも非デジタルである方がよいものってなんだ?
僕に経験がないのでピンと来てないけどTRPG系もよいのかもしれない
クリエイショナリー
クリエイティビティ(特に見立ての能力)を鍛えられる
作る人と当てる人、という二面性市場?
案
手持ちのものの組み合わせによって市場ニーズを満たすものを作る(椅子を作れ)
それがお題に沿っているかどうかを予測市場で解決
ブラック企業と大企業病
構成メンバーが満足していたらブラックではない、市民、幸福は義務です
小さいブラック企業のブラックさと、大企業のブラックさは別
プレミアムフライデーだから帰らないと、しかし仕事は減ってないのでサービス残業をする羽目になります
研究所は成果が個人に紐づくのでストライキが意味を持たない
団体交渉権は団体がストライキをするのが経営に対してインパクトだから
労働者一人の生産性が100倍違うと成立しない
決まった仕事をこなすタイプと、仕事自体を作るタイプ
イノベーションの種類
ウォークマンは発想のイノベーション「録音しなくてもいいよね」
世の中の技術レベル
アランケイのダイナブックは発想と技術レベルが一致してなかった
Newtonも
当時の技術水準で実現可能な製品
技術の進歩によって「実現可能な製品」の制約条件が変わる
技術自体を作ることをイノベーションと呼ぶか?
トランジスタはイノベーションか?
真空管よりも音の悪いラジオを作った→意外と売れた、むしろ小ささをマーケットが歓迎した
最適化ゲームと探索ゲーム
ドミニオンは最初の10枚のカードをどう選んだかで最適戦略が変わる
知らない間に失敗しているのは嫌な気持ち
なぜ失敗したのか
ブルーオーシャン
ポジショニングは事前に行なわれてすべて焦土になっている前提で、新しい軸を作り出すことでまだ焦土じゃないところを見つけよう
でも顧客がいないかもしれない
製品をリリースしながら、顧客がいるかどうかを素早く検証しようというのがリーン
リーンには意思決定とプロトタイプがないのでスプリントができた(リーンはコストがかかりすぎる、1週間でやろう)
ニッチトップを取っておいて、偶発的にそれがヒットするのを待つ戦略
MTGのドラフト
相手の色と同じものを取ろうとすると資源の奪い合いになる
相手が捨てやすいものを取る
しかし重要なカードは相手に回したくないので抱え込んだりする
ポジショニングゲーム
ワーカープレースメントとも同じ
みんなが同じゲームをさせられるというのがそもそもおかしい
戦国時代なら安全保障ゲーム
冷戦もグレートゲーム
戦争のゲーム ローマ→教皇
現代のゲームは評価軸が多様化しているのでゲームが単独ではない
非対称のゲーム
労働社側と経営者側
その二者がゼロサムを戦いつつ、二社がチームとしてプラスサムゲームを戦うという構図は面白いのではないか
しかしこのゲーム設定は再就職コストが高い想定になっているのではないか、再就職コストが低い人は会社と一蓮托生にはならない
二つの町の物語
自分の左右にある街を育成して、点数の低い方が自分の点数になる
隣の席の人との協調ゲームである反面、どちらか片方だけ育ててもダメなので資源の配分バランスを考えなきゃいけない
国内市場と国外市場
「国内市場と国外市場」って要素を足して、人口増加で国内市場がガンガン広がってる状態と、人口減少で国内市場がメリメリ減ってる状態との両方を経験できるようにするのはどうだろう。
市場が広がっている状況下では、すでに観測済みの需要が、来年にはもっと増える。そこで探索よりも拡大再生産やプロセスの効率化が有用になる。逆の場合には、既知の需要は来年さらに縮小するので、常に新しい需要を見つけていかなければ企業規模の維持すらできない。利用と探索のトレードオフ 国外市場で成功しているものを模倣するタイムマシン経営もできるか?
既存のゲームでものを学ぶ系
ネットワークビジネスやセミナービジネスと紐づいていてとても評判が悪い
怪しいビジネスと紐づけられないように注意が必要
議論
tokoroten: イノベーションのボードゲームを作れ、という課題が一番教育的なのではないか
nishio: 教育的なのは認めるがそれは「プロジェクトを実際にやってみる」であって「学習サイクルでかすぎ」の問題を解決していない
tokoroten: 学習サイクルを回す必要はあるのか? cf. カンニングの推奨 tokoroten: 経営者対従業員でゲームやったほうが面白いんじゃないか
shiumachi 勝利目標決めるの大変そうなのと、ゲームバランス取るの難しそう
協力型ゲームにして、プレイヤーを経営陣にして労働者をシステム側におく
プレイヤーを労働者側に置いて経営陣をシステム側に置く
研修では教官がゲームマスターとして動いているので、非対称ゲームが作れるかもしれない
「経営者(5年交代)」がイノベーションや設備投資を抑制しまくる
自分の在任期間中に利益を刈り取りたいため
期限間際に再投資が抑制されることを体験
しかしそれがわかったところで下っ端にはどうすることもできない。大企業に所属している下っ端が自己ブランディングで市場価値を高めて転職したり会社から有利な条件を引き出したりするゲームを作ろう(実践的!)