『プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明』
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現在
個人主義に基づく、西洋社会は、自分のことを知っているのは、自分以外にはいないという考えが前提にある。 市民が自分自身を知る以上に、AIは人々を知る力を持つ。
と指摘した。
中国社会はAIを熱心に受け入れている。
Facebookの「いいね」から、AIは宗教的・政治的見解、性格、知性、薬物使用、幸福を予測することができる。 この本をAmazonで購入して読んでいるというのも、矛盾を孕んでいるのではないか、と感じる。
デジタル広告業界に人々のプライバシーを販売する巨大データブローカーが存在することを強調し、
間違ったデータ・エコシステムがすぐさま規制されなければならないと訴えた。
FacebookやGoogleに日々のプライバシーを提供し、企業に多くの洞察と利益を与えることに不信感を抱きながら、「無料」のサービスを使い続ける。無料というのは正確には正しくなく、自らのプライバシーという通貨で支払っている。 消費者は自身のプライバシーに関して、合理的な費用便益取引を行う。
つまり、自分のプライバシーを犠牲にしてでも、ソーシャルメディアから受け取る利益を重視する。
そもそも消費者は矛盾に満ちた存在であり、彼ら自身、プライバシーの本当の価値を理解することはない。
ファストフードと同様な感覚で、自身のプライバシー(健康)を諦めて構わないと思っている。
人々は、自分のプライバシーにほとんど価値を感じていない、ように見える。
パンチカードを使用して数千、数万のデータから統計情報を迅速に集計。
電子化された個人のプライバシー
Googleはかつてのシュタージだと確信するベルリン市民は多い。
※ベルリンは、Googleストリートビューの写真削除申請が世界で最も多い都市。
義務
温泉とデータ保護
性器とプライバシー
withコロナでマスク着用が当たり前になれば、鼻や口が性器のような隠すべき(見られると恥ずかしい)部位になるのか。 私的な場で、裸になること、公共の許された場所で裸に慣れること、このコモンズをサイバースペース上で実現できれば、いくつかのプライバシー・パラドックスを乗り越えるヒントがあるのかもしれない。
サウナは小さくとも公共の場で、そこで裸であってもプライバシーは守られるからだ。これもパラドックスのひとつである。 ドイツの、同性愛など性に関する透明な開放的な精神はこの時から醸成された。 報道の暴露性が、個人の人権を侵害する。
ワイマール憲法によって、多数の新聞・雑誌が発行。そこから、有名人のゴシップが報じられるようになった。逆に彼らのプライバシーが暴かれる度に大衆は写真週刊誌に喝采を送る。プライバシーが存在するから、暴露報道という経済活動が成立する。 未来
新たな概念が登場、ポストプライバシー(脱プライバシー)
プライバシーは保護されるべきだと理解していたが、既にコントロールできる状態ではない。データ・プライバシーがますます開放され、透過的なものになっている。
プライバシー保護は実際に何を保護してきたのか。
プライバシーの死は政府・企業にも及ぶ。
SNSで入手可能な大規模な顔写真データを用いて、現代人の健康状態、遺伝子の発達など解明することができると主張。
個人レベルでも秘密を持たないことが重要だとする考え方が、ポスト・プライバシー理論の要点となる。これが、個人だけでなく、政府や企業にも波及している。エドワード・スノーデンの告発以降、CIA, NSAでさえ、自分たちの秘密を保護するのはできなくなった。 透明性が向上すると、説明責任が高まる。保護されるプライバシーがなくなるにつて、人々や組織はよりオープンになることで未然に不正被害を防げれるかもしれない。 透明性 <-> 従来のプライバシー保護
歴史
事実(ファクト)、偽物(フェイク)、虚構(フィクション)。いずれも、ラテン語の動詞「facio」(作る)から派生した言葉。
聖書は掲示や教訓なのか?誰かによって書かれた虚構の物語なのか?誰も分からない。が、最も効果的に人類を団結させた。数千年にも及ぶ人間の文明史において、「フィクション」が重要な意味を持っている。 ただ、プライバシーの普遍的定義は作成できなかった。プライバシーが時代の観点から再解釈され、時代とともに再検討されることを意味している。
ハンガリーの法学者マテ・ダニエル・ザボーは、プライバシーを「個人が自分自身について決定する権利である」と主張した。
民意
デジタルネイティブで、親がソーシャルメディアに投稿してきた世代なので、自分が常に周囲から見られているという感覚で育ってきた。その意味で、旧世代とのプライバシーの感覚が異なる世代ともいえる。 データにどれだけの価値があるのか、正確に測るのが難しい。閲覧履歴、ロケーション履歴、アドレス帳。損害を評価するのが困難。
Z世代にとってはプライバシーは存在しないのがデフォルト。プライバシーの放棄をトレードオフだと考えている。将来的な便利さがあるから。
自己
クオリティの形而上学という概念へ結実。
「私たちはデータの集合体(部品)であると同時に、生身の身体を乗り物(船)として生きている。船はいつか消滅するが、データは生き続け、そのデータの部品をジグソーパズルのように組み合わせると、「私」というアイデンティティが形成される。これが、デジタル世代の「人間」の本質なのかもしれない」
操作
双子
「プライバシーの死」を受け入れることの真のリスク。
デジタルツインが登場することで、最大の恩恵を受けるのが、ヘルスケア革命とデータ保護の分野。
秘密
愛・秘密・プライバシー
所有権の喪失を引き起こす。
魔術
補稿
新型コロナウイルスにより、熱検知監視カメラ、感染者追跡ウェアラブル、モバイル位置情報からのデータを使用してパンデミックの影響を制御することを期待している。それは同時に監視社会が強まることも意味する。