家族
衣食住を確保し生命・生活を維持していく機能
個人および家族が直面する危機に対処し、それを克服していく機能
対内的な機能
集団成員の必要性から生まれた機能
衣食住や性といった基本的な欲求の充足
家族は子どもを養育する場であることから、子の養育機能も含まれている
対外的な機能
家族が基本的欲求を充足させることで、食や性をめぐる不要な諍いを防ぎ、社会秩序に資するほか、社会が求める良質な労働力を提供する役割も家族は果たしている
社会が求める機能、結果として社会の目的に適う機能
様々だが、家族が単に生理的欲求の充足の場ではなく、心理・社会的な機能を果たす場として捉えている点では共通 家族は社会や他の家族とは分離された存在
家族の中にもその成員から構成されるサブシステムがある
こうしたシステム/サブシステムを仕切るのが境界
両親と子どもとの間には世代による境界がある
父・息子と母・娘の間には性別という境界がある
境界は明瞭性を持ちつつも、状況に応じて柔軟に変化できることが求められる
それができない場合、たとえば境界が不明瞭な場合には、自他の区別がつかない未分化状態となる
反対に境界が明瞭でありすぎると、ほかがその境界を越えて入り込むことができない
たとえば、育児をすべて妻に任せ、夫が家庭を顧みない家族では、母子関係が未分化で互いに自立できない状態であると同時に、母子と夫との間には強固な境界が築かれ、夫が家族の中で遊離した状態に置かれるといったことが起こる
成員間の協力関係のこと
第三者に対抗するために二者が協力する連合と、特に第三者を想定せず共通の目的のために二者が協力する同盟があるが、両者を区別せず、すべてを連合と呼ぶことも多い 家族成員の一部が連合し、それが固定化した状態
例
母子間、父子間に強力な連合が築かれる一方で、夫婦間の連合がなく、コミュニケーションが行われない
家庭内で暴力をふるう父親に対し、母子が連合して父親に対抗する
固着した連合を形成している二者間(たとえば夫婦)に生じた葛藤を解消するために、第三者(たとえば子ども)が利用されるもので、第三者を攻撃したり、反対に、第三者の問題解決のために協力をし合ったりすることで、二者間の連合が強化される
対立する二者が第三者を自分の味方につけようとするもの
例えば、関係が悪化した夫婦が、子どもを味方に組み入れようとして、配偶者の悪口を子どもに言うようなケース
家族システム内にも勢力はあり、家族が正常に機能するためには、特定の成員に勢力はあり、家族が正常に機能するためは、特定の成員に勢力が偏ることなく、均衡化されている状態が望ましい
また勢力は成員間に境界や提携があってはじめて成り立つもの
たとえば遊離状態にある父親が子供に対して持つ勢力は必然的に弱いものにならざるを得ない