ソーシャル・サポート
ソーシャル・サポート研究
ソーシャル・サポートは援助行動と関連が深い
援助行動の研究においては、見知らぬ他者への関わりが研究対象となっていることが多い
実験室のような人工的な環境での実験が多い
ソーシャル・サポート研究では既存の人間関係が主な研究対象(松井・浦, 1998)
研究手法としても既存の対人関係と心身の健康との関係を調べた調査研究が多い
ソーシャル・サポートはその機能的な側面から以下の2つに大別
道具的サポート: 問題解決を直接的に促すために必要な資源(金銭や労力)を提供すること
情緒的サポート: 共感や励まし、慰めなど、否定的感情の制御を促すもの
ソーシャル・サポートは2種類の効果があるとされる(Cohen & Wills, 1985)
ストレス緩和効果
良好な対人関係によって、ストレス源(ストレッサー)の影響が緩和される
ストレスは、心身の平衝状態(ホメオスタシス)を崩し、その回復には様々な資源が必要となる
その外部資源となるのが、ソーシャル・サポート
良好な対人関係を持つ人ほど、道具的サポートや情緒的サポートを得られるため、ストレス反応が和らいだり、問題を解決したりすることができる
またストレスを受ける以前の段階、ストレス源となりそうな事象をいかに評価するかという段階でも、良好な対人関係を持つ人は、ストレッサーを過剰に深刻にはとらえず、適切に評価することができる
直接効果
ストレッサーの有無やその程度にかかわらず、ソーシャル・サポートは私達の心身にポジティブな影響をもたらす
所属欲求こそが人間にとって根源的な欲求なのだとすれば、良好な対人関係はそれだけで心身の健康を促進することが期待できる