ラッセルのパラドックス
1991年
ラッセルのパラドックスを解消するために型理論が考案された Russellの指摘の内容
「ある概念$ Fが存在して、$ xは$ Fの外延であるが、$ xは$ Fではない」 という概念を$ R
その外延を$ rとする
ここで、$ rは以下のどちらであるかを考える
$ Rである
$ Rではない
$ rが$ Rだとすると
$ Rの定義より、ある概念$ Fが存在して、$ rは$ Fの外延であるが、$ rは$ Fではない
よって、$ rは$ Fではなかったので、$ rは$ Rではない
$ rが$ Rでないとすると
ある概念$ F(つまり$ R)が存在して、$ rは$ Fの外延であるが、$ rは$ Fではない
そこで、$ rは$ Rである
いずれにせよ、矛盾
集合論で表現(こちらの方がわかりやすい)
$ R=\{x∣x\notin x\} という集合を考える
つまり$ Rは,「「自分自身を要素として含まない集合」全体の集合」
この$ Rは以下のどちらであるかを考える
自分自身を含む
自分自身を含まない
含む($ R\in R)と仮定すると
$ Rの定義より$ R∉Rであるはずなので矛盾
含まない($ R\notin R)と仮定すると
$ Rの定義より$ R∈Rとなるはずなので矛盾
いずれにせよ、矛盾
パラドックスが生まれるワケ
そもそもフレーゲがやろうとしていたことは論理主義の前段階(?)のようなこと つまり、論理学の言葉で、数学を説明しようという試みに取り組んでいた
そこを突き詰めていくとこのパラドックスにぶつかった
故にパラドックスが生まれるのは以下のどちらかだと考えられる
論理の側に問題がある
つまり上の導出の$ xの取りうる値の中に$ Rが含まれてはならない
参考
Russelの指摘に至るまでの話などが紹介されている
特性関数として集合を見て、パラドックスの出現を観察する
ラッセルの記述の理論とタイプ理論の関係について