藤井聡「日本経済が長く停滞している根本原因は、消費税増税が引き起こしたデフレ」
https://youtu.be/YH8_AQrbwLw?si=MKwsvpH3Kq5Cn4mS
o3-pro.icon藤井教授の主要な主張(要約)
メッセージの核心:日本経済が長く停滞している根本原因は、消費税増税が引き起こしたデフレ(デフレ的スパイラル)にある 問題はデフレ。そしてデフレの根本原因を消費税と分析している基素.icon
消費税が日本経済停滞の主因
1997 年4月・2014 年4月・2019 年10月の消費税増税直後に、実質消費が「垂直に」落ち込み、その後の伸びも鈍化。
メカニズム
消費税は物価を人為的に押し上げる → 家計消費(GDPの約6割)が減少 → 連鎖して民間投資も減少 → デフレ・低成長スパイラル。
“税率引き上げ幅が当期の成長率を超えると景気は必ず冷える” という経験則を提示。
名目GDPを重視すべき
実質GDPは「パンを何個買ったか」を示すだけで、国力や企業収益力は名目で決まる。
基素.iconなぜ
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賃金も企業収益も“名目”で支払われる
売上(名目GDP)が伸びなければ、給料やボーナスの原資が増えない。
実質が横ばいでも「安売り競争」で売上が縮むと、賃金カット・非正規化が進みやすい。
デフレで安売りになっても、安くなった分売れる個数が増えれば実質GDPは上がる基素.icon
企業が儲けられたかどうかはわからない
税収が増えず、財政改善が遠のく
売り上げが増えないと、所得税・消費税・法人税が増えない基素.icon
債務負担(政府も民間も)が相対的に重くなる
元利返済は額面固定。名目所得が伸びなければ「借金/所得」の比率が上がる。
デフレ下でこれが進むと、支払い負担が膨らみ破綻リスクが高まる(フィッシャーの負債デフレ)。
投資インセンティブが弱まる
将来の売上見込み(名目)が膨らまないと、設備投資や研究開発に踏み切れない。
結果として生産性向上が遅れ、実質成長も鈍化する悪循環へ。
国際競争力の数字が目減りする
世界GDPは名目ドル換算で評価される。日本だけ伸びなければシェア低下=交渉力低下。
企業の時価総額や研究開発費でも差が開き、技術覇権を握りにくくなる。
“デフレスパイラル”の入口
物価が下がり続けると「買い控え→売上低迷→値下げ」の連鎖が起こりやすい。
名目GDP停滞はデフレ継続のサインで、景気対策が遅れるほど立て直しが難しくなる。
企業で言えば「銀行借入禁止」のような制約で、成長投資を阻む。
年度単年度のPB黒字ではなく、10〜20年累計の収支均衡や別指標で財政規律を測るべき。
最悪それでもいい、みたいなニュアンス基素.icon
これは企業経営と同じだと考えれば普通にそっちの方がいいよねというふうにも思える基素.icon
憲法改正が必要になるかもな基素.icon
憲法86条 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。 この会計年度は明文はないが、今まで1年と解釈されていた
明示されてないから解釈変更でいけるか
その場合、何年にするの?あまり長くても別の問題が出る
PB黒字目標がある限り、高齢化コストに合わせて消費税は自動的に再増税される。
政策提案
1. 消費税を当面 いったん5 %へ減税(軽減税率よりシンプル)。
2. 公共投資・防災投資など実需の高い分野で歳出拡大。
3. PB黒字目標は凍結または長期目標へ改訂。
4. 金融緩和は必要だが「紐で押す」ようなもの。財政拡張とセットで初めて効果が出る。
紐は引き締めには有効だが、緩和しても伸びない
質疑
① 1997年の景気後退はアジア通貨危機や国内金融危機が原因では?
実際の下振れはQ2(4月~)に発生。アジア危機は同年7月で時系列が合わない。時点を特定すれば消費税が“決定的トリガー”
経済学者の中では消費税は問題じゃない、という意見が支配的だったようだ基素.icon
藤井はここにでもグラフ見たら違くね?特異点の解釈を素直にやれとアプローチをしている
② 欧州は消費税(VAT)が高くても成長している
変化率が問題。成長率を上回る増税をすればどの国でも景気は冷える。欧州は増税ペースを抑えながら所得成長が上回った期間が長い。
高いVATに至る時系列を見落としている、という主張基素.icon
③ 実質GDPは97年以降も緩やかに増えている
名目GDPが増えていない。名目が増えないデフレ環境では実質が伸びても国際シェア・企業利益・投資意欲が落ちる。「名目と実質が同時に伸びる」のが健全成長。 https://gyazo.com/93bffa10bdca87c91939d1810db50ebc
④ PB黒字を目指さないと国債残高が危険
年度PB黒字は“銀行取引禁止”と同じで成長を阻害し、かえって税基盤を縮めて財政悪化を招く。成長後に長期累計で均衡させれば持続性は確保可能。
コアな対立は、1会計年度の予算でみるか、長期的な支出+経済成長でみるか基素.icon
1会計年度の予算の支出を完全にPBトントンにしようとした場合
経済がシュリンクしたら、その分支出は減る
経済が良くなったら、その分支出を増やす
問題:回収可能な巨額支出ができない
複数年度に緩和すると
pros
回収可能な巨額支出を出せる
cons
回収できなかった時に問題はより悪くなった状態で帰ってくる
⑤ 金融緩和で増税ショックは打ち消せるのでは?
金融政策は景気を冷やすこと(引き締め)は得意だが、需要を押し上げる力は弱い。“紐で押す”ようなもので、財政出動が不可欠。
⑥ 減税より歳出拡大の乗数効果が高いのでは?
消費税減税は“物価直接引き下げ”で即効性があり、消費反発が大きい。支出拡大と組み合わせてもPB上は等価なので同時実施が最適。