日本の負債は1000兆円でだいたい公債
政府の財務書類は財務省のウェブサイトで簡単に入手できる
政府のBSを最初につくったのは私(引用者注:高橋洋一)である。 単に実際の政策運営上、必要だったからで、1994年、大蔵省にいた時のことだ。その時には大蔵省内部で、「そんなものは出すな!」という話になり公表は見送られた。2004年頃、小泉純一郎総理(当時)に、「政府のバランスシートはこのようになります」と私が話すと、「すぐに出せ!」ということになって今に至っている。つまり、政府のBSは2005年からずっと公開されている。インターネットで閲覧できるようになっている。 https://gyazo.com/53eea24ebd0a52dfeefeb71ce1b034e2
https://gyazo.com/48bf0cc5acf23cbbd65865b5541d33b1
日銀の負債で大きいものは発行銀行券106兆円と当座預金376兆円
発行銀行券は無利子・無償還(!)
どうやって代替する?
「銀行発行券」は日銀にとって負債ではあっても無利子・無償還で実質的な借金ではないと言うことができる
したがって日銀のBSにおいて、「負債」は実質ほとんどゼロとして読むことができる。
補完当座預金制度で金利を支払いしている分があるが、高々年利0.1%なので0として読んでいるようだ 「日銀券や当座預金も債務だ」という反論が出てくる。これはもちろん債務であるが、国債と比べてほぼ無利子である。しかも償還期限もない。この点は国債と違って、広い意味の政府の負担を考える際に重要である。
つまり日銀の「資産」は、国債分の約474兆円と読むことができるのである。
発行銀行券と当座預金は負債だが実質的な借金ではないと捉えて0として考えている基素.icon
これを政府のBSに連結してみよう。日銀の資産474兆円が、ほぼそのまま政府の「資産」に加わることになる。政府の「資産・負債差額」はマイナス568兆円からマイナス94兆円まで下がる。
政府のBSを読むうえでまず知っておく必要があるのは、「企業は負債よりも資産のほうが多いほど安泰だが、政府のBSの場合は資産よりも負債のほうがちょっと大きいくらいでも健全だ」
つまり政府には「利益剰余金」は存在しない。政府のBSの「純資産」は多くの場合マイナスである。これは世界のどの国も同じことだ。
それでもよほど大きなマイナスでなければ破綻しない。これは歴史の事実だ。
世界の他の国はどうなっているんだろう?
アメリカ 2018年
資産 3,836(10億USD)、負債 25,357(10億USD)
つまり純資産 -21521(10億USD)
-2300兆円
統合BSをとるためのFRBのBSが見つからない
元データはIMF発表らしい
企業でいえば連結ベースバランスシート、これは政府では「統合政府」バランスシートになる
借金1000兆円、国民一人当たりに直すと800万円になる。みなさん、こんな借金を自分の子や孫に背負わせていいのか。借金を返すためには増税が必要だ。……こんなセリフは誰でも聞いたことがあるだろう。財務省が1980年代の頃から、繰り返してきたものだ。
「借金1000兆円というが、政府内にある資産を考慮すれば500兆円。政府の関係会社も考慮して連結してみると200兆円になる。これは先進国と比較してもたいした数字ではない」
反論(鳥越俊太郎) 「資産といっても処分できないものばかりでしょう」
多くの資産は金融資産なので換金できる
資産とは「政策投資銀行(旧日本開発銀行)やUR都市機構(旧住都公団)などの特殊法人、独立行政法人に対する貸付金、出資金」
この資産を回収(=民営化 or 廃止)すると、ここまでの天下りができなくなる