なぜプロポーションを学ぶのか
ここ最近なぜかドローイングの沼にハマりつつあるので目的を整理する
o3.iconによるまとめ
人体の比率を数値で理解し、それを使って自分と他人の絵を客観的に比較・再現できるようになり、最終的にジェスチャーで“気持ちいい流れ”を描ける基礎力を得る
ドローイングの直接的なトリガーはこれら
佐藤ふくろうジェスチャードローイングの動画を見て、手塚治虫のような豊かな感情表現がこの先にあるのではないかと思ってやってみた 安倍吉俊は万年筆オタクなので、その動画を見て紙にペンでかくことを始めた
これはプロポーションとは直接関係がないが、常にドローイングできる環境が出来るという補助作用を及ぼした
持ち続けていた以下の課題意識と関連している
手癖で書いてる
絵柄が古い
そして、これらの問題は、人体の比率の基準を持つことで改善できる
基準に対して
自分の絵はどのような比率なのか
他人の絵はどのような比率なのか
を分析できれば解決できるから
色々なプロポーションのキャラクターを統一的な方法で描く基礎が、キム・ラッキのいうところの人体の図形化だ だから、プロポーションの明確な基準を持ち、分析できるようになることを目的とすれば良い
逆にいえば、それ以外は寄り道だ
だいたい絵を描き始めると最初にこういうことをやるもので、自分も遠い昔にやった覚えがある。多分この作業ははっきり言って面白くないし、直接的に自分の書きたい絵が描けるようになるわけでもないわけですぐやめたか、模写したけど特に身についてないかも...みたいな結果のはっきりしない状態で終了したのだと思う
こういう失敗を何度か繰り返して、目的意識を持って習得しなければいけないことを学んだ(目的と手順がはっきりしない学習は他に方法がない場合を除いて避けなければならない)。
講師やインターネットでありがたくアドバイスしてくれる人の声を聞いてやっても後悔するだけだ。なぜなら目的とアプローチを自覚しない練習は身にならないからだ。
新人アニメーターがいくら動画を仕事でかいても絵が上手くならないということを知らなければならない
「キム・ラッキをやりました」という人の「やった」は人によって習得度合いが相当に違うはずで、学ぶスキルに依存している。こういうことは、あまり言語化されないように思う。
到達の具体的な目標
プロポーションを身につけた証明
既存のキャラクターを分析して、再現できる
フレームワークを手に入れた証明
自分のイラストの特徴を他のイラストと比較して言語化できる
ジェスチャードローイングを身につけた証明
気持ちいい流れの絵が描ける
言語化できてない
o3.icon
● ゴールを数値化して可視化する
「頭身表」を基準にする。例:頭の高さ=1ユニットとして全身8ユニット
既存キャラ3体を選び、頭・肩幅・肘・手首・股・膝・足首の位置を計測し、表にまとめる
自分の過去絵3枚も同じ計測を行い、差分を%で出す
週1回、差分が20%未満になるまで描き直す
● 3段階プロセスで習得
① 計測フェーズ
写真・好きな漫画の1コマをトレースし、各関節を丸、骨格を線で書き起こす
② 図形化フェーズ
‐胸郭=箱、骨盤=箱、四肢=円柱で置き換え、透視図的に回転させる練習(Kim Lucky式)
③ 応用フェーズ
①②を見ずに、3分ポーズ写真→30秒ジェスチャ→再度3分清書の順で毎日10体
● ジェスチャー練習と比率練習を“同一シート”で行う
1ページ左に30秒ジェスチャーを縦に5体、右にそのうち1体を清書
流れ線(S字/C字)を赤、比率チェック線を青など色分けして客観視
● 言語化ノートを作成
描いた日付、違和感ポイント、修正案を1行でメモ
例:「肩幅広すぎ→頭身1.5→次回1.25へ」
週末に5分で読み返し、共通ミスを太字化
● フレームワークの“証明”方法
1. 他人の絵を3枚ランダムに選び、5分以内で比率を書き出す
2. 20分で模写→オーバーレイしてズレを赤で可視化
3. ズレが頭身0.25以内なら合格と定義
● モチベ維持の工夫
好きなキャラだけでなく“あえて苦手”な体型(子供・老人・筋肉質)を1日1体混ぜる
ペンと紙を持ち歩き、エスカレーター待ち30秒で軽スケッチ→帰宅後清書
● よくある落とし穴と対策
「線がきれい=比率が正確」ではない→線幅より計測優先
動画視聴だけで満足→視聴後すぐ1コマ停止→骨格線を書き写す
反復回数を決めずにダラダラ→1日10体・30日合計300体を最低ラインと設定
● 追加リソース(必要なら)
Posemaniacs/Line of Action:30秒ランダムポーズ
『図形でとらえる人体の描き方』(Kim Lucky日本語版が無い場合は英語PDFで可)
この手順で「比率を数値で語れる」「他人の絵を再現できる」「流れ線の気持ち良さを自覚できる」の3条件を2か月で達成する設計です。まずは計測シートを今日1ページ作ってみてください。
p.12-p.96までの85ページを何度か回す。解剖学は完全に無視する。
人体を抽象化する・比率を体得する
今まで人体を正確に書くことにあまり興味がなかった
正確に言えば、お絵描きを始める段階では興味があった
しかし絵が上手い人はいくらでもいるわけだし、それよりも面白いストーリーを考えたり、ストーリーを伝えるためにはどうするかということに興味があった
いずれの技量も未熟
それはそれとして安倍吉俊さんが顔のアタリを学び直されていて、自分も学び直そうかというこころもちになった しかし筋肉を学習することは容易でないし、そこにお絵描きの時間を投入するのは私の上述の目的からは外れてしまう。というわけで今回のスコープはいろんな構図で適切なプロポーションをかけると定めた。
YouTubeのレビューをいくつかみてベストはキム・ラッキのcolosoの講座のように感じたが、3-4万円ぐらいするので気軽には買えない。書籍の冒頭の数十ページを丁寧に解説するような講座のようなので、まずは5000円で買える書籍をやることにした。解剖学パートは今回はやらない。筋肉を覚える時間は膨大であり、自分が描く漫画の説得力を高めるにはその時間は別のことに使うべきだからだ。
人体のイラスト1本でメシを食うことを心に決めていたら避けては通れないかもしれない
しっかりとした基礎があると様々なものの習得が簡単ではあるが、基礎というのは何度も立ち戻ってくるものであって、最初に基礎を完璧にしようなどと思ってはいけない。これは完璧主義というアンチパターンだ。大まかに全てがわかった上で、足りていないところに時間を投下するということをせずに、最初のステップをずっと時間をかけていることに気づかなければならない。この先に、もっと時間をかけなければいけないことがあるかもしれないという考えを持っておこう。 世の中には確かに職人的な完璧主義の人がいるが、それは高みにいる人の中にそういう態度の人もいるというだけで、少なくともその人はそこまでたどり着いているということは強く意識しておく必要がある。ウォーレン・バフェットと同じことをやったってバフェットにはなれない。前提が全く違うのに行動を真似ても結果は同じにならない。
基礎は土台だ。基礎だけではやりたいことは達成できない。やりたいことができるようになるまでの間には、ほとんどの場合、やらなくてはいけないことが山ほど、本当に山ほどある。だから、そんなことをしていたら最初に持っていた「やるぞ!」という気持ちは消えてしまう。消える前に完成に近づけなけばいけない。まず完成させる。完成のループを回していくうちに足りないところがはっきりしていく。そこを埋めていく形で基礎を徐々に身につけていく方が結果が出やすいだろう。
もちろん最初に完成させるものは酷い出来になるだろう。それで全く問題ない。他人から見たら大失敗かもしれないが、自分のやるべきこととしては大成功。それを失敗だと笑う人は、いつまで経ってもそれ以下のものしか作れない。
モチベーションの問題もある。「基礎が重要だ」と言われたって、初学者は必要性を心から納得できない。教えている人の見えているものと、初学者の見えているものは異なるし、目的の方向も違う可能性がある。
結局、基礎とは「多くの人が立ち戻りやすい場所」である。例外もありうるし、地味だから最初のモチベーションにはならないものだ。
近い話があった
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