250年前の生活水準と2500年前の生活水準はほぼ同じ
私たちの多くは、進歩を当たり前のものだと思い込みがちである。だから、250年前の生活水準と2500年前の生活水準がほぼ同じだったことは、思い起こしておいてもいいだろう。人類の寿命が大幅に延び、健康状態や生活水準が大幅に向上するようになったのは、近代に入ってからのことでしかない。その近代をもたらしたのが、啓蒙思想と産業革命(18世紀後半)だったのだ。 啓蒙思想家たちが気づいたのは、
科学の実験や、あれこれ手を動かしながらの試行錯誤が、自然を理解する一助となり、世のなかを一変させる新技術の開発につながるということ...
社会科学を使えば、人々を緊密に協力させて、社会の全構成員の生活条件を引き上げられること... ただし、そのためには
絶対王政を廃し、法の支配を導入することが必要... 真実を重視し、蒙昧主義を退けることも求められた。
人間社会に関する専門知識の格上げも必要となった。
MAGA革命で最も憂慮すべきなのは、こうした啓蒙思想の価値観をきっぱりと拒絶しているところだ。