慢性肝炎
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Chronic hepatitis
診断.icon
Chronic viral hepatitis C (F1,A2)
Chronic viral hepatitis B (F3,A1)
所見.icon
グリソン鞘はリンパ球浸潤と軽度の線維増生により拡大しています。小葉内には3個/2切片のCouncilman体が認められ,軽度のspotty necrosisやpiecemeal necrosisもみられます。肝細胞の一部は軽度腫大し,多く肝細胞の胞体は淡明化しています。5%程度の肝細胞には脂肪変性も認められます。新犬山分類で,A1,F1のchronic hepatitisの状態であると考えます。
肝細胞胞体がground glass状で、核の大小不同がみられ、B型慢性肝炎を示唆します。
肝細胞の核は小型で均質で、C型肝炎が示唆されます。
Glisonに中等度の炎症性細胞浸潤、軽度のfibrosisを認め、一部にpiecemeal necrosis、小葉内にfocalなリンパ球浸潤巣を散見します。
成因
ウイルス性慢性肝炎
自己免疫性肝炎
AIH-PBCオーバーラップ症候群
薬剤性肝障害 薬物性肝障害
代謝性肝疾患
原因不明
nana.icon 
新犬山分類
病期
F0 線維化を認めません。
F1 門脈域に線維化をみます。
F2 門脈域周囲の線維化により架橋形成がみられます。
F3 小葉のひずみを伴う線維性架橋形成を認めます。
F4 肝硬変の像です。
活動度
A0 門脈域に炎症性細胞浸潤が乏しく、活動性を認めません。
A1 門脈域は炎症性細胞浸潤により拡大していますが、インターフェイス肝炎をほとんど認めません。
A2 インターフェイス肝炎を認めます。
A3 高度の炎症性細胞浸潤がみられます。
* 病理と臨床 2017 Vol.35 No.7  組織内病原体に関する特殊染色 
→ HBs抗原は種々の染色で陽性を示す:オルセイン、レゾルシン・フクシン、アルデヒド・フクシン、ビクトリアブルー
* 肝臓 54(6) 414-416 (2013) B型慢性肝炎ガイドライン
ALTの間欠的上昇,軽度上昇,HBV DNAが多い,HCCの家族歴,Plt15万未満などでは肝生検での肝線維化評価が推奨される→F2もしくはA2以上では治療適応としてよい。
Fibrosing cholestatic hepatitis
→ 移植後のウイルス再感染で短期間に重症肝炎や肝硬変を引き起こすこと。(2002:肝専門医)
→ B型肝炎(特にHBe抗体陽性肝硬変の移植)やC型肝炎で高頻度に起こる。(2002:肝専門医)
肝硬変 Liver cirrhosis
グリソン鞘はリンパ球浸潤と線維増生により高度に拡大しています。bridging fibrosisが目立ち,明らかな小葉改築傾向が認められます。拡大したグリソン鞘内にはロゼット様の肝細胞集団もみられます。小葉内には24個/2切片のCouncilman体が出現しており,spotty necrosisも認められます。グリソン鞘の線維化が進んでいるためか,piecemeal necrosisが目立つ印象があります。肝細胞は腫大し,その胞体は淡明化しています。少数ですが,“ballooning”様の肝細胞も出現しています。数%以下ですが,脂肪変性を来した肝細胞もみられます。A2,F3のchronic hepatitisとしましたが,組織学的にはpre-LC(liver cirrhosis)ないしはLCにかなり近い状態と思われます。