ポイントを絞って振り返る2024
2024-12-28スペース用メモを公開用に改訂。
スペースを終えて
昨年に引き続き、年末の感謝スペースを実施しました。
慣れないことをすると、いろいろなことが起きました。
年内に終わらせたい仕事に目鼻を付けるため、夕方まで別の仕事
スペースの筋書き(このページの前バージョン)を完成したのが21時すぎ
外付けマイクを使えるのかな等々のテストのため4回の投球練習
その後ようやくお知らせ(突発)
22:00に開始。雑談して、皆さんをお待ちしていたら、お聴きくださっていた方々のアイコンが見えなくなる。
いま何か失言したかな、と心配になったが、なぜか勝手に終了していた。
22:10頃からの新たなセッションでうまく行ったが、今度は録音機の開始スイッチを押すのを忘れていた。
ともあれ、せめて筋書きは、少し綺麗に整理して、お目にかけようと思った次第。
準備時間がほとんどなかったため、ポイントを絞って2024年を振り返る、雑談も多い、というスペースとする。
独占禁止法
グリーンという切り口から、独占禁止法のほぼ全分野にわたって、既存のガイドラインを掲げながら、具体例も挙げていった。
既存のガイドラインを詳細に点検して、担当者が気付いた点もあるはず。
カルテル
損害保険の大口顧客(保険契約者)9者で別々に9件
損害保険会社が何らかの共同のビヘイビア(違反とは限らない)をしていた相手方である大口顧客が9だけとは考えにくい
「共同保険に係る独占禁止法上の留意点等について」
顧客(需要者)(保険契約者)が、組織として、競争を求めていなかった場合は、「直ちに独占禁止法上問題となるものではない。」
そのようなわけで、この事例は、命令をした部分よりも/だけでなく、命令をしなかった部分も意識しながら、検討する必要がある。
事業者団体
球団が選手と交渉するにあたって、球団として、選手の代理人を弁護士に限っていることが問題とされたかのような伝わり方をした。
8条4号
事業者団体が一律に決めているのが問題
メンバー事業者(「構成事業者」)が独自の判断で行ったら問題はない、ということが多い
例えば、価格の安さを前面に押し出す広告は禁止、と事業者団体が言ったら8条4号違反となりやすいが、
メンバー事業者が、独自の判断で、価格の安さを前面に押し出す広告をしない、のは、なんの問題もない。
日本プロフェッショナル野球組織の同日の公表文でも、その末尾で、今後は、弁護士法の遵守も含め、各球団が独自に判断することになる、という言い方。
細部や水面下はわからないので、断言できないが、以上のような見方があり得るのではないか、とは思う。
企業結合
大韓航空/アシアナ航空
水平・垂直・混合が入り混じる事案が多く収録
公正取引12月号には、水平・垂直・混合の区分について、かなり初歩から書くようにした。
他者排除行為
Googleに関する報道
4月に確約認定があったが、別事案
今回の報道は、検索エンジンに関する競争者の排除
排除措置命令に向けての意見聴取通知をしたということだとみられる報道が12月
民事裁判
公正取引委員会としては、どちらに味方するという話ではなく、当局のリソースに限界がある中、民事裁判が盛り上がるなら良い、という感覚はあるのではないか。
雑談:野球応援
5月頃は、まだオリックスの宮城投手とかに注目
オリックスからファイターズに移籍した山﨑福也選手が6月5月30日に甲子園でヒットを打ってニコニコしてガッツポーズをしているのを見たことが大きなきっかけとなり改宗
来シーズンもファイターズに注目
下請法・フリーランス法・(独占禁止法の)優越的地位濫用
有斐閣Onlineで「注釈下請法・フリーランス法」という連載
下請法・フリーランス法は、独占禁止法の優越的地位濫用規制の違反要件・法執行を簡素化して簡易・迅速な規制をしようとするもの
独占禁止法の優越的地位濫用
2つの流れ
10年前の課徴金事件の取消訴訟
命令をしない「アドボカシー」→ 「価格転嫁」など
10年前の課徴金事件の取消訴訟
東京高裁・最高裁で判断がされる、ということがあり得るのではないか。何年先かは、わからない。
「アドボカシー」
「価格転嫁」・・いろいろと言われている
基本は、これまでに分かっていた枠組みで説明できる話ではないか
具体的事例など、細部は、興味深いところもあるはずで、勉強になるはず。
フリーランス法
法律が11月から施行された。
よく知られている大きな問題であり、短時間で何かを言うのは難しい。
下請法
1年間の運用についても、いろいろとあるはずだが、
パブコメにかけられている。
2段構えの構成
法改正を目指す項目
運用の改善を目指す項目
以下では、イシューごとに、法改正・運用改善をまとめて
主なイシューだけ
「下請」という用語の見直し
法改正を目指す 21
変える。これから考える。
「特定委託取引適正化法」とか?
わかりません。賭けるつもりもありません。
買いたたき
法改正を目指す(11頁)
費用の変動が生じた場合に、協議に応じない・説明しない、ということそれ自体を禁止行為にする方向(例示)
運用の改善を目指す(23頁)
優越的地位濫用ガイドラインの充実
平成22年から実質の改定なし
親事業者・下請事業者の定義
法改正を目指す(20頁)
資本金基準に加えて従業員数基準
金型などの「型」の問題
法改正を目指す(21〜22頁)
「型」を作ってくださいと委託するのは、現行の下請法にあるが、「金型」と法律に書いてしまっている。
木型や樹脂型が入らないのではないか、という問題。法律を改正して規則で具体化、という趣旨?
運用の改善を目指す(28頁)
「型」ではない何かを製造する委託が現行下請法の「製造委託」に該当していて、当該委託を受けた下請事業者が、その製造のために「型」を作る。そして、その「型」について、親事業者が、下請事業者に、無償で保管することを求めるなどしていた。という場合の問題。
この場合は、「型」ではない何かを製造する委託そのものが下請法対象となっているのであるから、現行法でも、金型だろうが木型だろうが樹脂型だろうが対象となる。
しかし、これまでは、運用基準で(別の切り口から)狭いことを書いていた。それを改める。という趣旨。
運送委託
運用の改善を目指す(25-26頁)
着荷主が運送業者に何かする
契約関係がないので優越的地位濫用や下請法の枠組みでは(そのままでは)簡単ではない
非常にややこしいので省略
法改正を目指す(15頁)
報告書を読んだ私の理解では、結論を言うと、
現行法でできるかもしれないことについて、明文の規定を置こうというもの
この問題は、これまでの伝えられ方によっては、現行法で、役務提供委託について、自家利用役務の提供委託を下請法適用対象取引としていないことの問題、と言われることが多かった印象。
確かに、もし、自家利用役務が下請法対象なら、運送委託は間違いなく対象となる。
しかし、報告書は、自家利用役務を対象とする改正をしたいとか、運送に限って自家利用役務を対象としたいとか、とは言っていないように見える。
では、どう言っているかというと(白石の理解)
発荷主(発送側の荷主)として、運送事業者に運送の委託をするのであれば、自己が顧客に対して提供する役務について、委託するのであるから、現行法でも普通に役務提供委託とできそうなものだが、
平成15年改正の時に、そういう運送委託は(自家利用役務の委託だから)適用対象外、ということで整理した(整理してしまった)
それで20年間やってきたので、今さら現行法で行けますとは言いにくい
なので、発荷主が運送の委託をする場合について、明文を追加する。(15頁)
(……という趣旨なのではないか(白石))
雑談:音楽ライブ
2月 クイーン・アダムランバート
あいみょん
『独占禁止法 第4版』を書けたのはあいみょんのおかげ
西宮市
名古屋探検
Kアリーナ横浜
横長・奥行きが短い
景品表示法(ステマ)
景品表示法についても、いろいろな動きがあったと思うが、ステマのみ。
祐真会
(ゆうまかい)
(クリニックの名前は別)
お客さんがGoogleマップでたくさん星を付けたら割引
RIZAP・大正製薬
事案の共通する特色
インフルエンサーに報酬を渡すなどしてSNSに書いてもらったものを、自社ウェブサイトに掲げた、とされる事案
運用基準
9頁「事業者自身のウェブサイト」
事業者の表示であると明瞭にわからない、の要件
事業者自身のウェブサイトでも、第三者の書き込みを紹介するコーナーは、一般消費者は、第三者が独自に書いたものだと思う、ということを前提
景品表示法については、
NBLに連載したのが、今から見ると10年前になった
まとめようと思いながら、なかなか取り組めない
新年に、取り組みたい。
取り組めるように、別の仕事を年内に終わらせようとしている。
多くの反響・注目・コメントをいただいた。
興津先生・横田先生とのイベント 夏の楽しい思い出
書評等もたくさん
ありがとうございます。
日本語の書き方については、
勉強を重ねたい
条文や公用文のルールについては、
細かいことを記憶すべき、とか、これが絶対、とかいうのでなく、
こういうことまで決まっているものだ、ということを知っておくことが大事、ということが多い。
とにかく、そういうことを、これまで、教えていなかったのではないか。
これらのことについては、様々なお考えがあると思うが、とにかく、そういうことを考えていただくきっかけ、一石を投じた、ということであれば、嬉しい。
自分の専門それ自体でなかったことに乗り出して1冊書いた冒険
編集者とやり取りしながらこっそり工夫したことで、まだ言及されていないような気がするものもある。
気づいて、流している読者もいるかもしれないが。
とにかく、法改正などがあっても関係ない本であり、息長くご愛用いただければ幸甚です。
ご挨拶
新年もよろしくお願いいたします。
皆様の楽しいポスト等、拝見します。
よいお年をお迎えください。