フェミニズムにおける家父長制
フェミニズムにおける家父長制
ウーマン・リブ以降のフェミニズムの理論構築の中で、家父長制はキータームであり続けてきた
社会学をはじめとする社会科学で用法の蓄積がある語であるため、既存の学問の中で混乱を招き、フェミニズムをわかる人にしかわからないものにしてきた
特に日本では戦前の家制度を指す語として定着していたので、より大きな混乱を生じさせた
家父長制はフェミニストの怒りを伝達する主要な媒体であった
わかる人にしかわからない暗号
怒りを共有しない人にとってはフェミニズムの言う家父長制概念への不信感がそのままフェミニズムへの不信感に
欧米のフェミニズムにおける用法 (patriarchy)
権力の主体の性別に着目
ミレット : 社会のあらゆる場で実権を握っているのが男性 → この社会は家父長制的構造をもつ
要するに家父長制 = 男性支配
マルクス主義フェミニズムにおける家父長制概念
男性が女性を支配することを可能にする社会的権力関係の総体
瀬地山角による定義 (『東アジアの家父長制 ― ジェンダーの比較社会学』) : 性と世代に基づいて、権力が不均衡に、そして役割が固定的に配分されるような規範と関係の総体
社会学における家父長制とは違い、特殊な支配の形態ではない
権力を握っている主体の性別を示し、役割が性に基づいて配分されるようなひとつのシステム
日本においては、日本型の近代的家父長制とでも呼ぶべきもの (明治民法下での家制度) が消失した後、現代日本型の家父長制が存在するようになった、と考える
M 字型就労が主流となる
参考文献
東アジアの家父長制 ― ジェンダーの比較社会学