革新的製品の認知
なじみのないものは説明できない(ハーマンミラー製アーロンチェア)
p171.2
p177.1
駄作はいつまでたっても駄作なのだ。問題は、気に入らない製品の中に、変わっていてなじめないだけの製品も混じっているということだ。そういう製品を見ると人は不安になる。ほかのと違いすぎて、本当は好きなんだとわかるまでに時間がかかるのだ。
「製品開発に携わっていると自分の製品に没頭してしまい、売り込む相手はその製品にまだなじみがないということを忘れてしまいがちだ。その場で製品を体験できても、その製品と過ごした歴史がないし、その製品との未来を想像するのも難しい。あまりに変わっている製品ならなおさらだ。アーロンチェアがそうだった。人々の頭の中には美しいオフィスチェアについてそれなりのイメージがある。クッションが入っていて、布で覆った椅子だ。アーロンチェアにはそういうものがない。見た目が違いすぎて、まるでなじめないのだ。『不格好だ』というのは『これまでと違う』という意味だったのかもしれない」とダウエルは話す。
革新的製品は市場調査になじまない
p177.4
p179.2
この二つの番組が気に入らないと言った。だが、どちらも大ヒットしたことから明らかなように、視聴者は本当は番組が気に入らなかったのではなく、びっくりしただけだった。なのにCBSが鳴り物入りで用意した調査方法でさえ、この二つのまったく違う感情を見分けることはできなかった。
出典