問題定義
スライドにしても本にしても、問題定義にほとんどの時間を使ってしまって、解法の話までいけない問題
その「スライドにしても本にしても、問題定義にほとんどの時間を使ってしまって、解法の話までいけない問題」を解くために、問題定義のための問題を定義して、その解法を解くことになる
問題定義の問題を解くと、問題定義までのスピードが上がるけれども、スライドでは省略される。後から辿ろうとする人には「なんであんなふうに言語化できるのか」になる。ここで問題をどのように定義するのかに入ると、いつまで経っても問題定義の地点から離れることができない。
TOCの問題定義
TOC制約理論では変化の社会実装に向けて三分割している。
・何を変えるか
・何に変えるか
・どうやって変えるか
最も難しく影響が大きいのが「何を変えるか」だ。
TOC制約理論における問題解決のフレームワークはTOC思考プロセスだ。
「何を変えるか」、言い換えると「何を変えることが最も好ましい結果につながるか」を証明していく。
実践者の力量に大きく依存している。具体的には、今の自分が影響を及ぼせる範囲で困ったことを出すというプロセスをおこなう。
不可欠な能力がある。変化の基準点を明らかにする能力だ。
「何を変えるかをどうやって知るかの知(シグナル/ノイズの目利き)」
「何を変え、何は変えてはならないかを判断する知」といった
ところが訓練方法やテクニックが欠けている。
また上記はマイナスをゼロにする「困り」や、プラスを更にのばす「望み」が暗黙的に前提としている。この「困り」や「望み」も難しい。「困り」とは何か、「望み」とは何かをチーム、会社全体、社会との境界、過去現在未来といった大きなコンテキストで言語表現できる能力を持った人は限られている。
さらにいえば冒頭の「何を何にどうやって」よりも手前の、「なぜ変えるのか」という領域に入ってしまっている。「動機」とも表現できる。
企業活動において個人的な「私のなぜ」や「私の動機」という問いは制御しにくい。だから多くの現状では、多くの人が通念として共有しているだろうと思われる「他人のなぜ」や「他人の動機」を用いる。利益や、誰かのミッションだ。
「他人のなぜ」「他人の動機」となると「何を変えるかをどうやってしるか(シグナル/ノイズ)」を他人の目から見なくてはならなくなる。ここでいう他人は、社長やリーダー、プロダクトオーナーになる。つまり「重要人物のなぜ」と「重要人物の動機」だ。
彼らの考え方(メンタルモデル、マインドセット、概念ネットワーク)を知って、自分に取り込み、内面化するのがひとつの解法になる。
ここでも難問がある。自分の考え方を自覚し(自覚性)、それを他の人が分かるように伝えられる能力(随意性)は非常に稀な能力だ。だからシグナルとノイズの違いが混ざったまま、問題を定義してしまう。
野中郁次郎先生の知識創造企業はこのテーマの解法でもあると思う。ただこれも概念的なままで具体的な行動は書かれてはいない。
具体的な行動として私が提案したのが「TP4G TOC第四世代思考プロセス(2017)」だった。実装の練度や表現が甘かった。広範囲にわたり、知っていると思い込んでいた言葉を学び直さなければならなかった。
・環境とは何か
・認識とは何か
・機能とは何か
・構造とは何か
・言語とは何か
・学習とは何か
・組織とは何か
・問題解決とは何か
・企業とは何か
あれから学び続けて、準備ができたという自己評価は3割くらいまではきた感触があるので、今一度表現に挑戦してみたい。
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