エンジニアにとっての人文学
私はがっつり理系で文系科目が絶望的に苦手だったんですけど、文系科目(日本史、世界史、古文など)を学んできた人の方が賢く、豊かな人生を送ってそうなイメージがある。なので、文系に憧れがある。
ゲンロンカフェのお客さんに結構ソフトウェアエンジニアが多い話
人文的な語彙、工学の人には色々面食らうのよね
人文知やそこから得られる結論みたいなものに、で? ってなりがちな
表象文化論界隈アレルギー、あるよね(ぼくもあった)
エンジニアリングのような実学的な興味から人文的な思索への道筋において、いくつかミッシングリンクがあるような気がする
人文知に素直に憧れてみる。自己陶酔してみる
「スノッブな感じがキショい」という感覚を一旦脇に置いておく
エンジニアの興味を引きそうな人文領域
(baku89.iconはこういう道筋で色々興味が深まった感じがある、道半ば)
自由ソフトウェア - フリーカルチャー運動
Free Software FoundationからOpen Source Initiativeへの歴史を紐解く
ハッカー文化において有名な本を読む
Paul Grahamのエッセイ
『ハッカーと画家』以後にも最近の彼のエッセイも面白い
『Why Nerds Are Unpopular(なぜオタクは不人気なのか)』
『The Two Kinds of Moderate(2通りの穏健さ)』
『Write Simply(シンプルに書く)』
挫折したという話を周囲でよく聞くが、近著から遡るほうが読みやすいのではという仮説
ゲーデルの不完全性定理や、数学の形式主義についてある程度心得ておく必要がある
悔しいかな、数学ガールの不完全性定理の本がわかりやすい
コツ: 親しみ深いプログラミング環境に置き換えて理解する
ゲーデル数化 → ASCIIコードへのエンコード
不完全性 → 「停止性問題の決定不能性」、JavaScriptの eval() をつかって考えてみる
ハッカー文化系文章の翻訳家としての山形浩生さんから、彼自身の興味へ
経済、ウィリアム・バロウズ
イデオロギー対立
ジョナサン・ハイト『The Righteous Mind: Why Good People Are Divided by Politics and Religion(邦題は嫌い: 社会はなぜ右と左に分かれるのか)』
(ある種の怖いものみたさで)暗黒啓蒙
木澤佐登志さん
労働
三宅 香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
読めない人には届かない
こういうサービスを求める心こそ「本が読めない労働者」の典型
https://scrapbox.io/files/6757a412721774af33977c83.png
カルチュラル・スタディーズ
HCI研究者の出自がカルチュラル・スタディーズやジャーナリズムにあるの、すごくいい(し、正しい気がする)
MIT Pressから沢山出ている、英語だけど
キットラー『ドラキュラの遺言: ソフトウェアなど存在しない』
むずかしい
美術美学
哲学、フランス現代思想方面
Nagasenaさんに聞くのが良さそう
いきなし大学でそうした人文知に触れるんでなしに、とっとと中退して社会に出て、プラグマティックなもの、工芸的なものにしか興味がない10年を過ごしたなかで蓄積した思いに答えてくれるものが、たまたまある種の人文知だった。そんなbaku89.iconの状況は結果良かったんじゃないかって思う。頭でっかちな言語ゲームではなくて、常に自分が積年抱いてきた「問い」と結びついている
高等教育が自分には必要だなって思えたタイミングがたまたま今だった。とはいえ、今から院進するとすればHCI系への興味が一番あるんだが
久保田晃弘先生は、baku89.iconがメ芸クリエイター育成支援事業に採択された前年までメンターをされていて、Glispを相談するならこの人以外居ないとまで思っていた。そのわりに、先生の本や思想をそこまで深堀りしていなくて、Homo Codenceに参加が決まったことがきっかけで『遥かなる他者のためのデザイン』を読み始めた。したっけ、全く自分が考えてきたことのさらなる発展形がそこには書いてあって、おったまげた