社会契約
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社会契約論にも様々なものがあるが、近代的社会契約論の内容は、「国家」(state)が成立する前の「社会」(society)の原始的な自然状態を仮定した上で、国家の正当性の契機を契約に求めるものだが、仮定する自然状態と、そこから国家を正当化する理論展開に多数の類型がある。 法王権力(神)>国王権力(人民)
社会の基礎を個々の人間におき、それぞれの主体が互いに契約を結ぶことによって社会が成立する
理論:社会契約によって自由(自然権)をある集団に譲渡し、権力を与え、法律を制定することを委託し、自然権を守る 明治維新期の廃藩置県による明治政府の統一的支配の確立、武士階級の廃刀令実施などの政治的措置こそまさに、ホッブズのいう近代国家形成への道を実践したものであった、といえよう。 ここで注目すべきことは、出発点における人間本性が本質的に反社会的なものとして捉えられていることです。道徳成立以前の自然状態において、人間の本性に従った欲望が善で、嫌悪が悪であるなら、その善悪は本質的に道徳的善悪と対立するはずです。直接的善悪と道徳的善悪とが逆転するというこの発想、言い換えれば、まさにその直接的善悪を守るためにこそ、それを逆転する道徳的善悪がぜひとも必要とされるという発想、これがホッブズ道徳哲学の要です。(p84) 自然状態:欲望を抑制することを教える自然法によって平和状態。しかし貨幣によって財産が貯められることで争いが起きる 譲り渡したわけではないので市民は「抵抗権」「革命権」を保持している 自然権を「譲渡」する
「主権は一般意志にあり、統治機構にはない」
人間は中途半端に動物であるから、「憐れみ」によって、幸せな孤独を捨てて群れで暮らす
囚人のジレンマがあるので、社会契約が信頼関係のない原初契約だとしたら、確実に失敗する 社会契約説は重要なものですがいきなり『リヴァイアサン』などを読むのは敷居が高いので重田園江『社会契約論:ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ』(ちくま新書)や稲葉振一郎『「資本」論――取引する身体/取引される身体』(ちくま新書)などを読んでから挑むのがお勧めです。より本格的には、堤林剣『政治思想史入門』(慶應義塾大学出版会)のホッブズの章はホッブズの自然思想から説明しており理解に有益です。
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