占ってから当てるのではなく当ててから占う
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「占い」とは難しそうだが、要するに、単に悩み事の問題解決、相談、コンサルティングである。いや、ほんとそれだけ。 でも、それなら占いなどまどろっこしいことせず、ストレートに相談、コンサルをすればいいのでは? わざわざ占いなんて非科学的なことしなくてもいいのでは? そう思うかもしれないが、占いというフォーマット、体裁にするだけで以下の大きなメリットが得られる。
ヒアリングが好きなだけできる
視点のヌケモレチェックをトリプルにできる
自分の意見ではなく占いのお告げとしてアドバイスができる
自分はタロット占いをするので、話をわかりやすくするため、以下ではタロット占いを念頭に置いて説明する。 ヒアリングが好きなだけできる
相談するとは自己開示すること。自己開示をしてもらうためには「自己開示すべき理由」、簡単に言うと相談者にメリットがなければならない。 通常このメリットを信じさせるには、それ相応の理由がいる。相談相手に知識がある、分析能力がある、資格がある、実績があるなど。
占いなら「占いができる」だけで他の理由がなくても、インスタントにメリットを信じさせることができるし、信じさせられないなら占ってと言われることはないから、占いに同意した時点で「玄関ドアを開けてもらった」状態になる。
通常「相談相手と認められるまでに相応のコストがかかる」のに、占いというだけでそのコストをなくすことができる。
あとは「占いに必要だから」「何を相談するのかを明確にするため」という理由で相手に根掘り葉掘りヒアリングすればいい。 きちんと十分なヒアリングができれば、実はほとんど問題解決は済んでいる。問題が明確になっただけで相談者の不安や悩みは半分以上解決されている。この時点で言ってみれば「当たってる」状態だと言えるし、仮にその後で大ハズレになっても相談者の満足度は非常に高い。
ヘタクソな占い師はたいてい、ヒアリングもそこそこにすぐにカードを引いたり引かせたりしてしまう。要するに先に占って、それから当てようとする。そんなんで当たるわけないって!
視点のヌケモレチェックをトリプルにできる
ヒアリングによって問題の形が整理できても、その解決策や「可能性の検討」においてヌケモレがあると正解にたどりつけない。またヒアリングも万全ではないため「聞き切れていない」ことがあるかもしれない。
相談者が一人で悩む場合、悩みで頭がいっぱいになっているため、視野狭窄に陥ってしまう。だから悩むのだが、これを第三者に相談すると客観的な視点から問題を再検討できるため、他の可能性、選択肢も思考できる。これが第三者にコンサルティングや相談をするメリットである。
ところが、相談を受けるコンサルタント側にも「思い込み」がある。問題はこういう形をしているに違いないとか、解決策はこれに決まってるとか、そんなことはできるわけがないとか。人間には問題を解決したいという強いバイアスがあるので、自分が持っている解決手法に合うように問題を変形させてしまったりもする。ハンマーがあると釘を打ちたくなる。 でも、カードを引くと、コンサルタント=占い師側の「こう思いたい」に限定されない「ランダムな視点」が手に入る。
いわば、相談者、占い師、カードの3つのパースペクティブから問題に光を当てることができる。そのため視点のヌケモレがトリプルになり、ヌケモレをより少なくすることができる。
自分の意見ではなく占いのお告げにできる
相談の結果、仮に適切なアドバイスであっても、他人からアドバイスされると自分が、自分の文脈が否定されている気持ちになってしまう。 けれども「タロットカードがそう言っているので」ということにすれば、つまり「占いのお告げ」ということにすれば好きなことが言えるし、相談者も受け入れやすい。
https://youtu.be/0tdhF2hC69M?si=qlDfLLKKIDQ7oakO