結節性硬化症
乳児期のけいれんと白斑から疑われる
胎児超音波検査の普及により,心臓腫瘍(横紋筋腫)の存在からも疑われる
腫瘍抑制遺伝子であるTSC1もしくはTSC2の変異により様々な臓器に病変や症状を生じる疾患。約6,000人に1人
顔面血管線維腫,てんかん,知的障害は古典的三徴とよばれている.
【問診】
家族歴
【症状】
てんかんは結節性硬化症患者の80〜90%にみられる.発作型は多彩で,しばしば難治性である.West症候群の原因となることもある. 血管線維腫は,鼻,頰に左右対称に分布する淡紅色の良性腫瘍である.結節性硬化症患者の80%にみられる.
診断は以下の疾患特異性の高い病変の存在に基づく.
皮膚,脳,眼,心,肺,腎など多くの臓器に局所的な形成異常(皮膚の脱色素斑,大脳の皮質結節,腎の囊胞など)
良性腫瘍(顔面血管線維腫,脳の上衣下巨細胞性星細胞腫,腎の血管筋脂肪腫など)
新生児〜乳児期:皮膚の形成異常である白斑
学童期:爪囲線維腫、シャグリンパッチ
「3つ以上の白斑」
【検査】
心エコー 心臓の腫瘍(横紋筋腫
〔生命予後〕
●神経症状を伴わない患者では血管筋脂肪腫などの腎病変やリンパ脈管筋腫症などの肺病変が生命予後を左右する.
●死因は年齢によって異なり,10歳以上では腎病変による腎不全や脳腫瘍などの中枢神経系病変が主であるのに対し,10歳未満では心臓の横紋筋腫による心不全が主な死因である.
●心臓の横紋筋腫は胎生期に出現し,出生時に最も著明になる.