左室肥大
左室肥大は
「心筋細胞の病的肥大」
「心筋組織への異常物質の蓄積」
Fabry病 α-ガラクトシダーゼA欠損により,グロボトリアオシルセラミドが心筋組織に蓄積 「圧負荷」
により生じる
【問診】
52歳の男性.心電図異常の精査目的で来院した.2週前,初めて受けた健康診断で心電図異常を指摘されたため受診した.毎日,血圧を自己測定しており,
収縮期血圧は150〜170 mmHg程度で推移している.(→高血圧
減塩や体重コントロールなどを自己判断で行っている.
母親は22年前に死亡(詳細不明).(→遺伝性心筋症などの家族歴をもつ可能性
父親と妹には健康上の問題はない.喫煙は25本/日を20年間.
【身体所見】
意識は清明.身長179cm,体重82kg.体温36.0℃.脈拍72/分,整.血圧152/90mmHg.呼吸数14/分.SpO2 98%(room air).眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.
【検査】
12誘導心電図では,健康診断と同様の異常所見を認めた.
心エコー検査を行ったところ,生理検査室から左心室壁厚が20mmと肥厚を認めるとの連絡が入った.(→左室肥大の所見