化膿性膿皮症
#皮膚科
【概念】
四肢の皮膚に膿疱・小水疱・痤瘡様丘疹が単発ないし多発し,数日で潰瘍化し遠心状に拡大・融合して大きな噴火口状潰瘍となる.潰瘍底は膿苔・壊死塊で覆われ,易出血性,圧痛・自発痛を伴う.最終的には,肉芽腫状となり表面に凹凸を有する瘢痕として治癒する.
本症は好中球が関与する皮膚潰瘍である.必ず基礎疾患を精査する.
本症には,大動脈炎症候群(高安動脈炎),潰瘍性大腸炎,クローン病,関節リウマチ RA,骨髄異形成症候群 MDSなどの合併症が過半数の症例にみられる.
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【治療】
合併症がなければ副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬,DDS(ジアフェニルスルホン)内服を行う.一般的な皮膚潰瘍治療薬では治癒しない場合が多い.なお,近年保険適用外ではあるもののタクロリムス軟膏外用の有効性が報告されており,試みる価値がある.