潰瘍性大腸炎
お腹痛くて下痢と血が出てくるんです、、、
【症状】
下痢、血便、腹痛、貧血、体重減少、発育不良、発熱、発疹、関節痛 小児では急激に重症化、炎症範囲の口側伸展することがある。
【年齢】30歳以下の成人に多い。小児では思春期。稀に乳児、50歳以上にも。
【検査】
血液検査|貧血(男性10)、炎症所見、MPO-ANCA(IBDで上昇する)
便検査|便潜血(+)、便中カルプロテクチン上昇
内視鏡検査|直腸から連続する粘膜のびまん性発赤、びらん、粗ぞう、易出血、血管透見消失、粘血膿性分泌物、潰瘍、偽ポリポーシス、ハウストラの消失つるつる!
病理組織|胚細胞減少、腺の配列異常、活動期にはびまん性炎症性細胞浸潤、陰窩膿瘍、萎縮
*所見は直腸から連続性に口側に観察される
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【治療】臨床的重症度と病変の範囲から。
ステロイド(抵抗性の重症潰瘍性大腸炎なら、サイトメガロウイルス感染の合併を考える。→採血、下部消化管内視鏡)
シクロスポリン
➀寛解導入療法にて下痢や血便の無い状態に
②寛解維持療法(=再燃させない)を継続
*中毒性巨大結腸症、穿孔時には緊急手術
【予後】
大腸癌リスク|罹患期間が長い小児例で高い
大多数は治療6ヶ月後までに寛解。
5年後までの長期予後では40%が再燃、10%が慢性持続型。
*小児ではステロイド副作用と成長障害に注意
【病因】不明
遺伝的要因、腸内細菌叢のバランスの崩れ、腸管免疫異常から大腸粘膜の炎症性サイトカイン(IL-1, 6, 8, TNF-α, IFN-γ)の産出とフリーラジカルなどによる粘膜障害が関与。
【疫学】日本では45/10万人。
【概念】直腸から連続性に大腸の粘膜と粘膜下層の特発性びまん性炎症