■溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)とIgA腎症の病態と鑑別
■溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)とIgA腎症の病態と鑑別
●溶連菌感染後急性糸球体腎炎:
溶連菌などの感染症を契機に抗体が産生され,これが腎炎を引き起こして尿検査異常をきたす.元々腎組織に異常がない健康な若年者に発症するのが典型例であるため,2週間程度かけて糸球体に腎炎の組織変化が生じる.したがって,発熱などから10日以上経過してから血尿,浮腫(体液過剰),浮腫による血圧上昇が現れやすい.
●IgA腎症:
生来より口蓋扁桃で生成される糖鎖不全を伴うIgAが,感染によって活性化され,感染・扁桃炎による発熱から数日以内に肉眼的血尿(茶褐色〜黒色の尿)をきたす.IgA腎症は慢性経過のため,発症前に尿検査異常の既往があることが多い.