カーティス・ヤーヴィンの「新反動主義」――王制主義リバタリアンとは何か
#政治経済 #リバタリアニズム
https://gyazo.com/f76ffc2d2324b813b48d85ee13cf7aab
(画像は、Wikipediaより引用。File:Mitteleuropa zur Zeit der Staufer.svg - Wikimedia Commons
CC-BY-SA 4.0)
まえがき
反民主主義的イデオロギーである新反動主義の創始者の1人とされるカーティス・ヤーヴィンのブログ、 "Unqualified Reservation" (Mencius Moldbug *Unqualified Reservations* のコメント付き版へのリンク) を元にして彼の新反動主義の紹介と分析を行う。
(参照したのはほぼ一次資料)
特に、彼の提唱したネオカメラリズムやフォーマリズムについて紹介・考察し、類似する議論をした他の論者とも関係付ける。
カーティス・ヤーヴィンは2007年から2013年頃にかけて、彼が考えた民主主義に否定的な政治理論に基づいて、メンシウス・モールドバグ (Mencius Moldbug) というハンドルネームでブログで発信していたブロガーである。
ブログでは、政体と権力構造についての議論に加え、外交政策、金融・マクロ経済、歴史といったトピックも論じられている。
ヤーヴィンは2019年頃からインターネットでの著述活動を復帰し、現在は Gray Mirror で発信している。
ちなみに、ヤーヴィンはUrbitというソフトウェアを開発していたエンジニアでもあった。
なお、現在の私の評価としては、ヤーヴィンは以下に言うように陰謀論的なことも言っているし、(興味深いアイデアをいくつか出しているとは思うが) 信頼に値するとは思わない。
面白いアイデアとかなりあやしい話が混ざった何かという感じ。大言壮語が多い。
この記事の信頼性: 私は特に政治や経済学について詳しくない (日本の政治家について何も知らないくらいのレベル) ので、あまり信じないほうがよい。
「新反動主義」Part 2 〜 ネオカメラリズム
主張の要約: 政府を、領土を所有する、税収からの利潤の最大化が目的の株式会社にする (主権株式会社) という提案
また、既存の政府も企業とみなし、所有権構造 (企業所有論) の観点から分析する。
キーワード: 政治的所有権 (political property rights)、プライベートガバナンス、公共選択論、残余請求者、制度的エントロピー (institutional entropy)、定住型盗賊モデル、企業所有論
"君主制が一番いい政府の形態なのは、王が国を持ってるからだ。
家の持ち主と同じで、配線がおかしいとき、王は直す。"
――君主制主義の村人 (村人は、共和制だと借り家みたいなもので自分のじゃないからダメになっても (政治家が) 気にしなくなってしまう、と続ける, p.26)
マンサー・オルソン「独裁制・民主制・経済発展」より
(この村人の発言は、ヤーヴィンの政府についての考えの要約になっていると思う)
Part毎に番号がふってあるが、あまり依存関係は無い
ayu-mushi.icon
ヤーヴィンによる宇宙人Fnargl 👾の思考実験を紹介し、
(ゲーム理論における)コミットメント問題が考慮されていないことを指摘した (「新反動主義」Part 2 〜 ネオカメラリズム#630c766f948654000044cdc3)
ヤーヴィンの主張はロナルド・コースの会社論の枠組みを使って把握することが可能っぽいという考察をした (「新反動主義」Part 2 〜 ネオカメラリズム#5f0bd88c948654000003b095)
加えて、ヤーヴィンは政治権力を所有権とみなして考察する上で、所有権の欠如から来る問題と所有権の分配のまずさ (外部性/取引コスト) からくる問題を区別していないが、したほうがいいのではないかという指摘をした
「新反動主義」Part. 3 フォーマリズム
キーワード: 主権、所有権、徴税、再分配、分配的正義、権力の真空状態、レントシーキングモデル、法的安定性、権力の正統性
ネオカメラリズムの根拠と思われる理論
けっきょくフォーマリズムにもとづいてネオカメラリズムを正当化するより、コースの会社論にもとづいて正当化するほうがいいんじゃないのって気がした。所有権がそもそも明確ではない状況では、コースの議論が適用できなくなるので、そこではフォーマリズムの方が適用できるかもしれないけど
私は、Part. 3において、ヤーヴィンの、民主政治は固定量の資源 (権力、税収、公職) をめぐって争う限定戦争として見ることができるという主張を検討し、反論を行った (「新反動主義」Part. 3 フォーマリズム#631ba1d194865400008c272b)
また、政治哲学における分配的正義論の観点からも考察した (「新反動主義」Part. 3 フォーマリズム#656bc0c9948654000033be7a)
主張の要約:権利者 (所有者) が誰かが明確に決まってないと、(ゼロサム的な)"政治"が生じるので、誰でもいいから権利者が明確に決まっていることが重要。
→現状の占有者 ――つまり対象からの受益者, 残余請求者, 対象に影響力を持つ者―― にそのまま権利を保証するのが、更なる争いを生じる可能性を無くすために良い (時効取得)。
→その帰結として、主権も (領域に対する) 所有権の一種と捉え (記述的主張)るべき。また、政治権力の所在も、普通の所有権のように係争の余地がない明確なものにしていくべき(規範的主張)
(主権の対称的理論)
誰が権利や権力の担い手であるかを、曖昧性がなく明確にすべき
「新反動主義」Part. 4: 先駆・影響
ヤーヴィンに関連する思想家・研究の紹介。ハンス=ハーマン・ホップ、ニック・スザボ、スペンサー・ヒース、Alexander William Salter、Richard Auster & Morris Silver、Andries Kerpestein、Edward Stringham など。
「新反動主義」Part.5: パッチワーク 〜競争的ガバナンスの観点から
ティボーモデル、地価最大化モデル、私有コミュニティ、地方財政論、地方公共財
他の競争的ガバナンス構想の色々を列挙してみた
記事の指針: formal / informal, security, responsibility, powerといったヤーヴィンの語をできるだけ別の言葉で説明すること (なので言い換えに私の解釈が入ってる)
(元の言葉も示したほうがいいのでは)
批判
Scott Alexander "The Anti-reactionary FAQ" : 新反動主義への反論。
Apart From Better Sanitation And Medicine And Education And Irrigation And Public Health And Roads And Public Order, What Has Modernity Done For Us? | Slate Star Codex
ヤーヴィンや、ミハエル・アニシモフらの新反動主義者が批判ターゲットとなっている。
非常によく論じられていている。
君主制の安定性についての疑問
ヤーヴィンは王政は民主政に比べ権力が安定だから良いとする。
But some of my smarter readers may notice that “your power can only be removed by killing you” does not actually make you more secure. It just makes security a lot more important than if insecurity meant you’d be voted out and forced to retire to your country villa.
The Anti-Reactionary FAQ | Slate Star Codex
しかし、(たとえばエリザベス女王の前には何人もの可能の王が殺されたし、)殺せば権力を奪えるという点で君主制は別に安定的ではないという批判
王位継承権持った奴がいっぱい居るのはなるほどやばいね
ただ、ヤーヴィンの主張は、王政では後継者は継承法という法によって定まるので、王を殺したからといって次の王になる わけではない (殺すインセンティブが小さい) 点で、後継者が法ではなく力やインフォーマルな徒党争いによって決まる独裁制とは違うということだけど[10]。
しかし、殺害者自身も継承権を持っている場合は、次の王になれてしまうので、その違いは程度問題にすぎない、というのが指摘の内容。
ミハエル・アニシモフによるMonarchy FAQでは、13世紀~20世紀のプロイセンとオーストリアについて調べ、その地域において継承争いは少なかったと結論している。手動で。家系図データベースとかたしかあるし、自動化できそうなものだけど。
"The King is Dead: Political Succession and War in Europe, 1000–1799"は、王政で長子相続が採用されるようになったことで、それまで主流だった選挙王政に比べ、継承争いが減ったと、自然実験に基づく研究手法により結論してる。
ネオカメラリズムは長期的な観点から統治するというのは本当か?
ハンス・ハーマン・ホップは、「君主は、任期がある民主主義の政治家より長期的な視点を持つ」と主張した(Hans-Hermann Hoppe *Democracy: The God That Failed*)。
ホップの議論の「君主政」の部分は「主権株式会社」にも置き換えられる、というのがヤーヴィンの主張だ。(ヤーヴィンは長期的視点の話を特にしているわけではないけど)
スコット・アレクザンダーはこの見解に反論する。
いわく、
リーマンブラザーズは長期的な視点を持っていなかった、
長期的には石油燃料はオワコンになるはずなのにも関わらず、その代替となる核融合や電気自動車の研究開発は、(民主主義である) 政府によって行われているか、補助金をもらっているものばかり。
→ayu-mushi.iconそれは研究開発が正の外部性を持つ (研究から得られる利益は他の人々にも及ぶのでその企業自身が利益を回収できる部分には限界がある) ことによるものでは?
But why would a CEO or other corporate governor create such〔引用者注:長期的な視点を持った〕 a structure? Well, although Reactionaries mock elected politicians for having a four-year time horizon, the average CEO stays only 6.8 years. That’s less than a two-term president. And their own incentives are often also based on bonuses linked to short-term profitability.
The Anti-Reactionary FAQ | Slate Star Codex
平均的な民間企業のCEOの在位期間は6.8年で、これは2選の大統領 (8年) より短い。
理屈上は長期的なパフォーマンスは株価に反映されることになるはずだけど、それについても反論してる。
(スコット・アレクサンダーの議論を私が自分で再計算してみた。)
株式の値段は現在価値という式で考えられる。
加重平均資本コストというのが利子+配当を表す値で、それを割引率として現在価値を計算する。
加重平均資本コストを6%とする。
WACC(加重平均資本コスト)はおおむね5%から7%でとどまりやすいと言われています。業種によって様々で株主資本がしっかりと入っている業界ほどWACC(加重平均資本コスト)は下がりやすい傾向にあります。
加重平均とは?意味や計算式を簡単にわかりやすく解説|求め方やWACC(加重平均資本コスト)について - LENDEX blog
現在価値(PV) = 将来の価値(FV) ÷ (1 + 割引率)^期間
$ = 30年後の利益 \times \frac{1}{ (1+0.06)^{30}}
$ ≒ 30年後の利益 \times 17.4\%
となるため、企業の30年後の利益は17.4%にした分しか現在の株価には反映されない。
ayu-mushi.icon現状の政府の意思決定における費用便益分析でも時間割引は使われているが、割引率は市場割引率より小さいっぽい?
社会的割引率とは、時間軸上の価値を補正するもので、同じ財に対しての現在と将来との価値の換算比率。04年の技術指針で、国債(10年もの)の実質利回りなど参考に全事業において当面4%を適用するとされて以来、変動はない。
【採択時評価】社会的割引率4%は妥当か/貨幣換算が困難な効果は | 日本工業経済新聞社
さらに、上の計算はあくまで理想的な場合であり、CEOが株主をうまく騙して長期的な利益につながらなくても短期的に株価を上げることもあるため、長期的な視点を持つという希望は薄い。
ayu-mushi.icon民主主義でも、投票者をうまく騙すことはあるけれど
ちなみに、投資家が長期間株を持ち続けなければならないという The Long-Term Stock Exchange という契約により企業に長期的な視点をもたせる、という方法があるらしい(ソース: Studies On Slack | Slate Star Codex )。
ロングターム証券取引所 - Wikipedia
Spatial vs Temporal Externalities - by Maxwell Tabarrokは、R&Dには正の外部性があるにも関わらず民間の研究開発への支出のほうが多いことや、地球温暖化対策がなかなか進まないことは、政治の近視眼的な傾向で説明できるとしている。
今研究開発に支出しておけば、後で税収になって帰ってくる可能性が高いけど、現状の政府はあまり研究開発に投資してない。
Bryan Caplan "Disastrous Voting - Econlib": 災害の防止へも十分に出していない。
そもそも、どの程度の時間割引率を取るのが良いのか、長期的な視点を取れば取るほどいいってものなのか、ということ自体、難しい規範的な議論があるわけだけど:
https://www.youtube.com/watch?v=GgWylA7SmCo
https://www.youtube.com/watch?v=7WotnoBVF-s
環境問題との関係で、時間割引率の話をしてる
未来の1円の価値と現在の1円の価値を完全にイコールとして最大限長期的な視点を採用する場合、(投資したほうが富を増やせるので) 資源をほぼすべて投資に回さなければならず、現在世代が楽しむ余裕はなくなる。
井堀 利宏, 福島 隆司"費用便益分析における割引率"(費用便益分析に係る経済学的基本問題 国土交通政策研究所(報告書概要)の第3章)
によると、市場が理想的な条件を満たしている場合には、市場割引率を政府が費用便益分析するさいの時間割引率として使うのが望ましい。
しかし、市場割引率は、現在世代の人々の主観的な時間選好から決定されており、世代間にまたがる長い期間の問題を考えるときには適切ではないかもしれない (どのような政治経済システムを考えようと、未来の人は存在しない以上、未来の人の観点を反映させるのは難しいけれど)。
Joseph Heath "Climate Policy: Justifying a Positive Social Time Preference"
Cathedral
ヤーヴィンは社会は時代とともに左派的になっており、そして報道を社会を左派側に進めていっている原因としているが、昔のニューヨークタイムズの同性愛にネガティブな記事があり、報道ではなく当事者から進んでいったのではないか、とスコット・アレクザンダーは反論する。
同性愛の権利運動はドイツなどから始まっており、ヤーヴィンがいうように左派の運動が常にアングロサクソン系の報道や学術から始まっているわけではないという指摘
Anti-Reactionary FAQ へのミハエル・アニシモフによる応答:
Response to Yvain on “Anti-Reactionary FAQ”: Lightning Round, Part 1 | More Right
Anti-Anti Reactionary FAQ So Far | More Right
その他の応答
An anti-reaction FAQ | Foseti
The Motives of Social Policy |
The anti-anti reactionary FAQ Part 1, Terror and mass murder « Jim’s Blog
The anti-anti reactionary FAQ Part 2, Crime. « Jim’s Blog
The Anti-Reactionary FAQ | Dark Enlightenment
スコット・アレクザンダーによる再応答:
Some preliminary responses to responses to the Anti-Reactionary FAQ | Slate Star Codex
Empire/Forest Fire | Slate Star Codex
Jacek Sierpiński (2016) "A Critique of Hans-Hermann Hoppe’s Thesis on Lesser Harmfulness of Monarchy than Democracy"
記事/資料
以下は一次文献。
フォーマリズム
「フォーマリズム宣言」
最初の記事にして個人的には一番良い記事
「衝突の理論と応用」
フォーマリズムの応用
この記事の理論の応用として彼のいろいろな話が発展するので、非常に重要な記事だと思う
「圧政は政府/領土の所有権が不確定・不安定であることから生じる内戦のようなものである」「(省庁などの)競合勢力が政府内部競争でアドバンテージを得るための行為によって政府外に犯罪や代理戦争が生み出される」など。
犯罪、対ゲリラ作戦、外交政策など彼の好きなトピックについての出発点となる理論
Nick Szabo 「ミクロカーネル式政府」のコメント欄
リバタリアンであるNick Szaboと、フォーマリストであるカーティス・ヤーヴィンとの意見の違いがわかる論争。
UR: なぜ私がリバタリアンではないか
リバタリアンとフォーマリズムの違い
「ホンジュラスの反乱――あるいは国務省の見えない世界が明かされる」
合衆国国務省のフォーマリズム的分析
"The interests of government and governed are never perfectly aligned. A government is the owner of valuable human and geographical capital, and the profits from this capital must go somewhere."のあたりまでスクロールする
その前の部分はフォーマリズムと関係ないし、私は理解していない。
ネオカメラリズム
UR: 主権の対称的理論
宇宙人Fnarglが出てくるやつ
『パッチワーク: 21世紀のための政治システム』シリーズ
ネオカメラリズムの解説と現状の政府の分析がまとまっている
Foreign aid received as a share of national income, Our World In Data
ヤーヴィンはパキスタンが対外援助に頼りきってるかのように言ってる (Chapter 4: A Reactionary Theory of World Peace | Patchwork: A Political System for the 21st Century) けど、現在ではパキスタンの対外援助からのお金は GNI 比で0.8%しかない。この記事が書かれた2008年時点でも0.6%: Foreign aid received as a share of national income, 2008
いったいどうなっているのか。でたらめを言っているの?
UR: 歴史的現象としての民主主義
UR: なぜ、いつ、どのようにしてアメリカ合衆国を廃止するか
ネオカメラリズムと民主主義の比較、消費者協同組合と民主主義の類比、がある
「失われた政府理論」
ネオカメラリズムの解説、ネオカメラリズム下での貧困への対策についての言及あり
2007.08.29 「政府は安定的な慈善的組織ではない」
//ayu-mushi.icon政府が行うプロセスが公開されている場合、その行動が公益にならない場合に、報道などで非難を受けることになるのだから、「公益のための組織である」とすることはなんの機能も果たしていないわけではない気がする
//各アクターはそれぞれの動機を持って文句をつけるかもしれないが、それはあくまで名目に従って文句をつけているのではないか
Unqualified Reservations: Neocameralism and the escalator of massarchy
ネオカメラリズムと現代民主主義の分析
Cathedral
Cathedral(大聖堂)の簡潔な解説 - Gray Mirror
「学者の間で広まる考えは彼らの権力追求に奉仕するものに過ぎない」という、ある種の反知性主義 (悪口の意味ではなく、インテリに対し否定的に見るという意味) を理論化したもの。
1. 「アカデミアと主流派メディアーーハーバードとイェール、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストーーが持つ意見には共通した部分が大きい」("synoptic", 一様性, 公式見解的なもの)
2. 「歴史を見ると、そのコンセンサスは時代とともに一定の方向に動いているようだ。それは左派的な方向だ。」(W-force, "Cthulhu may swim slowly. But he only swims left")
いわゆる道徳的進歩。ピーター・シンガーの共感の輪の拡大のホラーバージョンと言われている。
3. 「アカデミア+メディアのコンセンサスは、一定の時間を経ると一般人の世論にも反映される。また、官僚が政策を考えるさいも、アカデミックな知見が利用される。そのため、アカデミア+メディアは、政府に対し影響力を持っている。」(インテリは支配階級である)
4. 「その政治的影響力の誘惑が、アカデミア+メディアの言説に影響を与える。アカデミア+メディアにコンセンサスが生み出されるさい、意見の自由市場において、学者/ジャーナリスト/官僚が自身の重要性を宣伝し、自身の権力と仕事、予算を増やすことを正当化するような考えが優位に立つという選択圧が働く、という形で。」
メディアと世論の関係については、いっぱい世論調査とかで調べられてるだろうから、いまさら机上の空論でやってるのは馬鹿らしいんじゃないかという気がするー!
現代アカデミア・メディアの意見は、一般人のそれと違うだけではなく、過去のアカデミア・メディアの意見とも違う
正直、cathedralという言葉がヤーヴィンの語録の中で人気らしいのは、この (4) の彼のメインの理論がウケたというよりも、学者やジャーナリストに対し宗教をイメージさせる意味合いのネーミングがウケたというだけなのではという気も。(3)の、インテリが支配階級であるという話もウケたのかもしれないけど。
近年話題のウォークネスは明らかに大学から始まって一般に波及した運動だからというのもありそう?
ケインズ主義とかがその代表だと言いたいらしい (Chapter 3: AGW, KFM, and HNU | A Gentle Introduction to Unqualified Reservations | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug) けど、フランクリン・ローズベルトはケインズ読んでないらしいよね?
科学社会学者とか、科学知識の社会的構築、フーコーとかが、学問は権力によって影響されるみたいな話はしてそう
グラムシの文化ヘゲモニー
文化ヘゲモニー - Wikipedia
Chapter XIV: Rules for Reactionaries | An Open Letter to Open-Minded Progressives | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug リバタリアニズムは公共政策の専門家に職を与えることを正当化しないため、アカデミア/メディアにおいて人気にならない、という (負け惜しみ?)。
暴露論証
You are going to lose - by Curtis Yarvin - Gray Mirror
ただ、この記事では「自由市場はポピュリストがその旗印にしたときはCathedralは反対するが、そうでないときは単にいい考えなので採用する。自由市場支持は19世紀のマンチェスター学派の古典的自由主義のときにインテリ言説で人気だったものであり、Cathedralが原理的に反対するものではない」のように言っている。今まで言ってきたことをひっくり返しているように見える。
60~70年代には、公共政策の言説はシカゴ学派、新古典派経済学の影響で自由市場重視に傾き、カーター政権の航空規制緩和法につながったことを指摘してる。
「学者はソーシャルエンジニアリングとかテクノクラシーによる支配によって自分たちが社会を導くことを望んでるから、人間本性を可塑的なものとみなしてラディカルな社会改良を可能 (かつ望ましい) とする見方 (ブランクスレート、社会構築主義) とかによってそれを正当化しようとするんだ」みたいに反知性主義/保守主義の用語を使っても説明できる気がするけどそういう言い回しはしてないね。
ジョセフ・ヒース「一分でわかる保守派の反理性主義の歴史」(2015年4月) – 経済学101
以下のヒースの話と結びつけることもできそうだと思った。
進歩的な社会変革は本質的に込み入っており、達成が難しく、妥協、信頼、そして集合行為を必要とします。したがって、「心」だけで達成できるものではなく、膨大な「頭脳」の力も必要です。
言うまでもなく、アメリカにおける富と機会の分配について何かしようと試みることも、極めて込み入ったものになるでしょう。ウォール街近くの公園を占拠しても、大手投資銀行の力を弱めることにはなりません。銀行の運営方法を変え、不正行為を罰することは可能ですが、これはすべて規制を通じて達成されます。そして、その面で行動を要求するには、何を要求すべきかを知っていなければなりません。それを理解するには、多くの退屈で細かいディテールに関与する必要があります。しかし、ウォール街占拠者の中で、資本準備金要件やクレジット・デフォルト・スワップのディテール、または取引所と決済機関の違いを理解する忍耐力を持った人はいるでしょうか。富裕層から貧困層への富の再分配のような単純なことでも、税法(キャピタルゲインの扱い、代替最低税など)に関する退屈な議論が絡んで、すぐに複雑になります。
ジョセフ・ヒース『啓蒙思想2.0』(Google 翻訳)
進歩的左派が支持する社会変革は本質的に複雑であり、理性を必要とする (ヒース)。
理性が必要なら、それに秀でた専門家も必要だ。人は自分の営みが社会的に必要だという話を語りたがるし、そう人々に納得させれば研究費も、専門家の政策への影響力も増えるだろう。そうして、学者たちの間では、自分たちの必要性を正当化する話が広まっていく (ヤーヴィン)。
From the Quaint to the Bizarre: Jeff Friedman on Hayek - Econlib
ここでブライアン・カプラン (と、ジェフ・フリードマン) は、ハイエクの、科学主義や設計主義的合理主義 (constructivist rationalism) がインテリを社会主義へと向かわせる (5,7,5) という考えに疑問を呈している。
そもそも上のヒースの引用も、左派の目的を成功させるには理性を必要とするにもかかわらず、しばしば理性を軽視するということが念頭におかれたものなので、そんなにストレートな関係ではない。
Chapter XIV: Rules for Reactionaries | An Open Letter to Open-Minded Progressives | Unqualified Reservations by Mencius Moldbugによると、犯罪学者が犯罪への罰を減らし、更生を目指すアプローチを支持するのは、
1. 犯罪への罰を減らし、更生を目指すアプローチをすると、犯罪が増えるため、政府から犯罪学者が求められ、犯罪学者の研究費が増えるから。逆効果なことを提案するインセンティブがある。
2. そのアプローチ (罰を減らす) は直観に反する。当たり前のことを説明するだけだと社会科学者要らないと言われてしまうので、当たり前でないことを言いたいから。
3. 一般人にとって不快であるというまさにその理由によって、知的エリートに訴えるから。
という理由だとヤーヴィンは言っている。
ayu-mushi.iconしかし、(1)のモデルは、犯罪学者たちを「「「無限振動状態」」」に導くッ!!!
議論の都合上、仮に犯罪学者は全員サイコパスだとし、彼らは研究費を得るために最適と思う行動を行う、と仮定する。ただし、犯罪学者はサイコパスであっても、サイキック能力者ではないので、誤った信念を持っている場合には当然最適でない行動をすることがある。最適な行動をするのではなく、あくまで最適と思う行動をするのだ。
もし犯罪学者のAさんが、犯罪を増やし、研究費を得るために、「犯罪に対し刑罰の厳しい対応は逆効果」と言ったとしよう。もちろん、人々を説得するためにそれらしい根拠をつけて。
しかしそれに別の犯罪学者のBさんが説得されることを防ぐものはあるのだろうか?(たしかに犯罪学者はサイコパスだと仮定したから、それを知ってるとすれば、仲間の言うことを全部嘘だと思ってもいいんだけど、まあそれは置いといて)
私的なコミュニケーションチャネルがなければ、Aさんが嘘をついているのか否かはBさんにとって不明だ。犯罪学者は世界中に散らばっているから、公的なコミュニケーションチャネルを使うしかあるまい。
しかし、もしAさんに説得されてしまったら、Bさんもサイコパスであると仮定したから、「犯罪が増えれば、僕の研究費が増えるぞ。クックック。そういえば、Aさんが犯罪に対し厳しい対応は逆効果って言ってたなぁ。じゃあ、「犯罪に対しては、厳しい対応が効果的」と言っておけば、みんながそれを信じて実行した結果、逆効果になって、犯罪は増え、犯罪学者である僕の研究費は増えるだろう。よし、「犯罪に対しては、厳しい対応が効果的」っと。」というふうに推論して発言することだろう!
さらに別の犯罪学者のCさんがBさんに説得されたとしよう。すると、次のように考えるだろう。「犯罪が増えれば、私の研究費が増えるぞ。クックック。そういえば、Bさんが犯罪に対し厳しい対応は効果的って言ってたな。じゃあ、「犯罪に対しては、厳しい対応が逆効果」と言っておけば、効果的な対応ができず、犯罪は増え、犯罪学者である私の研究費は増えるだろう。よし、「犯罪に対しては、厳しい対応は逆効果」っと。」
以下「「「「無限振動状態」」」」!!
(サイコパスの犯罪学者とそうでない犯罪学者が混ざったモデルではさらに共謀は難しくなる。なぜなら、サイコパス犯罪学者が、そうでない犯罪学者に信じていてほしいことは、ほかのサイコパス犯罪学者に信じていてほしいことと真逆だから。)
犯罪学者を、常に最適なことをできるサイキック能力者のようにモデル化して、最適なことをするには知識が必要というのを見逃しているのが問題。
つまり、ここで目的を達成するのに効果的な嘘をつくためには真の知識が必要なのだ (どうすれば犯罪が増えるかが分かっていなければ、どういうことを人々に信じさせれば自分の研究費が増えるのか分からないだろう)。公開のチャネルで嘘を言ってしまうと、仲間の犯罪学者までそれに説得されてしまう危険がある。そうして自分自身が嘘に騙された場合、どういう嘘をつけば自分の目的を達成できるかを誤ってしまう。逆に、目的を達成するのに効果的に嘘をつくために必要な知識を公開のチャネルで共有してしまったら、犯罪学者以外にも嘘がバレてしまう。
それを避けるには、
「「犯罪に対し刑罰の厳しい対応は逆効果」という主張を発表するとき、犯罪学者以外を騙せるくらいには洗練されているが、犯罪学者がお互いに騙しあうのを防げるくらいには馬鹿げた論拠をあえてあげておく」
「犯罪学者しか行けない秘密の会合で真実を情報交換し、公開の場では研究費を得るための嘘を言うように示し合わせている」
「「厳しい刑罰は逆効果」というのはどの犯罪学者も信じないほど馬鹿げているので、ほかの犯罪学者がそれを聞いても研究費を得るための嘘だとすぐにわかる」
「研究費を得るための嘘と、効果的に嘘をつくために必要な真の知識を区別するために、しゃべるときの始めの子音を別々にする」
「犯罪学者にとってはそこから犯罪の抑止法について真の知識を推論できるが、一般人にはどうとも推論できないようなデータを予め共有しておく (その共有されたデータ自体は嘘ではないことが保証されている必要がある)」
「リーダーとフォロワーに分けておいて、リーダーだけが戦略的な推論して研究費が得られるようなことを言い、フォロワーは特に考えずリーダーの意見を復唱する」
とかいうようなトリック (≒陰謀) が必要になる。もちろん、そんなことは全然もっともらしくない。
参照:
・社会が信念を、真理性ではなく結果に基づいて信じることは良いことか?
・つまり、2つの理論があったときに、どちらの理論が人々をお互いにナイスになるようにできるかを尋ね、ナイスさを最大化するような理論の方を教えたり、広めたりすべきだろうか?
もしあなたが上の両方〔twitterアンケートの形式になっている〕に投票したなら、我々はナイスさを最大化するための虚偽を広めるかどうか決める際に、他のナイスさを最大化するための虚偽の信念を使っていいのか? それともその場合には真な信念だけを使うようにするべきか?
もしあなたがそのときは真な信念だけを使うようにするべきと考えるなら、どの社会的信念が本当に真で、どの社会的信念は真だと装っているものにすぎないのか、というのを区別しておく方法についてのあなたの提案はなにか?
https://twitter.com/RokoMijicUK/status/1297115991781117953
Appeal to consequence#64025f4194865400000caf08
ここで、「人々をナイスにするための虚偽」を「研究費を得るための虚偽」と置き換えてみよう。
「更生をするためのやり方を考える上で、犯罪学者の研究費が増やされる」とかだったら、上の反論はくらわないんだけどね (どうすれば研究費が増えるかという信念自体が、語る虚偽によって影響されないので)。
もし人々が分野の必要性を正当化する命題を信じさせることに成功した結果、その分野の学者全体に研究費が増やされるのであれば、「自分野の必要性を正当化する命題を信じる研究者」と「自分野の必要性を正当化しない命題を信じる研究者」の両方が利益を得ることになるため、ミームの遺伝子プールにおいて前者が適応的優位を得ることにはならないのでは?
そういうわけで、ヤーヴィンがいう誤情報のフィードバックループが起こされるためには、「自分野の必要性を正当化する命題を信じる研究者が多い分野」が「自分野の必要性を正当化する命題を信じる研究者が少ない分野」より予算をもらって増長していく、みたいに、選択の単位を分野にする必要があるのではないかね。
科研費を評価するのはほかの研究者なので、分野が選択の単位になるのはいいんじゃないかな。
Why Economists Detect Fraud - Cremieux Recueil
経済学のほうがステークが大きいので、不正が発見されやすい。ということは、ヤーヴィンのいうように社会への影響が大きいから誤った考えから利益を得る人がいるという効果だけでなく、影響が大きいからこそ正確になる方の効果も考える必要がある。
The best endorsement of the quality of work in economics that I've seen: "For example, we find that going from the most left-wing authored estimate of the taxable top income elasticity to the most right-wing authored estimate decreases the optimal tax rate from 77% to 60%."
https://x.com/wwwojtekk/status/1861573718264201353
これは経済学における政治的バイアスの要因はそこまで大きくないということを主張するのに使えるかもしれない。(しかし、ヤーヴィンはそれでも、このようなコンセンサスをもたらしている原因は証拠ではなく、社会的な要因であるというふうに言いそうだけど)
Broader Impacts | NSF - National Science Foundation
On Priesthoods - by Scott Alexander - Astral Codex Ten
Chapter 5: The Modern Structure | A Gentle Introduction to Unqualified Reservations | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug
"Brother Jonathan" (コメント付き版: Unqualified Reservations: A gentle introduction to Unqualified Reservations (part 6))
Cathedralの起源、なぜ悪いか
ヤーヴィンは現代アメリカはウォルター・リップマンやチャールズ・フランシス・アダムズ Jr. (Mugwumps - Wikipedia) が理想にしたような報道・大学・行政機関が実権を持つ体制だと言っている。しかし、ウォルター・リップマンやチャールズ・フランシス・アダムズ Jr.の著作がその主張の根拠になるわけではないだろうと思った (人間の計画や理想が一般的に成功するという法則はないので、彼らの計画がほんとうに成功したと言いたいのであれば彼らの著作とはべつの根拠を改めて必要とすると思う)
マグワンプ、公務員制度改革、ペンドルトン法、資格任用制
"Walter Lippmann and John Dewey"
Big Pharma, Big Wonkery | Easily Distracted (コメント欄)
Comments - A Robin Hanson Perspective on the Origin of Woke 初期ヤーヴィンの「アメリカにおける戦後の進歩的左派はキリスト教、ピューリタン、カルヴァン派、超絶主義、ユニテリアン主義、クエーカー派、メインライン・プロテスタント、エキュメニカル運動などに由来する」という説は、強い経路依存を主張する説。一方、のちの、「意見の自由市場が政治権力と接続されると、正しい考えではなく、自分たちが政治権力を得るために役立つ考えが知的エリートの間で広まる。それが進歩的左派の考えである」という話は、経路依存性が低い。
経路依存性 - Wikipedia
「新自由主義」批判がグダグダになりがちな理由(ジョセフ・ヒース論文「批判理論が陰謀論になるとき」メモ) - 清く正しく小賢しく におけるジョセフ・ヒース (また出して悪いが()) の批判理論批判は、ヤーヴィンのCathedralの話に対する批判としても有効そう。
ヤーヴィンの Cathedral, Universalism 論は、ある種の陰謀論もしくは批判理論では?
①集合行為の構造。受益者グループが支配・搾取のメカニズムから利益を得ているというだけでは、受益者グループが実際にそのメカニズムを維持するために行為している証拠にはならない。受益者グループは個人で構成されており、個人が集団の利益のために行為するには、広範なコーディネーションと協力が必要になるからである。粗雑な陰謀論者は秘密の会合のようなものを想定するが、多くの陰謀論、そして批判理論は、コーディネーションと協力がいかにして行われているかを説明せず曖昧にぼかしている。
まあ実際学者にとっての意見を支持することの私的費用に当たるものが何なのかよくわからないから、フリーライダー問題になるのかはよくわからないけど、コーディネーション問題はあるでしょう。
②搾取・支配のメカニズム。搾取・支配のメカニズムは、(伝統的な植民地主義や封建主義などの場合を除いて)観察不可能であり、理論的に仮定されるものである。更に、メカニズムが観察可能なら被害者がそれを許していないだろうという考えから、隠れた搾取・支配のメカニズムが探求されることになる。単純な陰謀論はマインドコントロールなどを想定するが、批判理論も言説編成における「規範」や「論理」の影響を想定しており、陰謀論と大きく異なるわけではない。〔ayu-mushi.iconヤーヴィンも何が観察の結果で何が理論的な推定なのか、どの観察からの推定なのかをあまり明示せずに書いていた気がし、悪い感じがする〕
ヤーヴィンは「集合行為を行うことを道徳的に正当化する信念 (それ自体は道徳的でも事実的でもいいっぽい?) の共有により集合行為をコーディネート・動機づけするが、(その信念は偽であり) その集合行為は実は現実には彼ら (だけ) に利益をもたらす」というような ("An adaptive misconception is a belief about reality that is false, but allows its believers to conspire maliciously in a way that would be benign cooperation if it were true.")ことで①と②を同時に解決しようとしている?
"distributed Machiavellianism"
たとえば「トリクルダウン理論を用いて富裕層の減税を道徳的に正当化するが、それは実際の効果としてはそれに基づいて富裕層が共謀して取られる税を減らし自らたち (のみ) に利益をもたらすという隠れた機能を持っている」という説とかと同じ構造っぽい
Does Class Warfare Have A Free-Rider Problem? | Slate Star Codex
このScott Alexanderのイデオロギー論だと、イデオロギーは被害者を騙して搾取するためにあるんじゃなくて受益者の間でのコーディネーション/協力を行うためにあるってことになるけど
何が受益者の利益になるのかということを公言して討論しないとコーディネーションとして意味がないから、それは被害者を騙すために使えるタイプのイデオロギーとは全然一致しない? Too Many People Dare Call It Conspiracy | Slate Star Codex
ナショナリズムとかは自集団内のコーディネーション/協力に役立つタイプのイデオロギー (本当に役立ってるのかはしらない) の例になるけど
富裕層への減税が富裕層の利益になるのは明らかだから、何が自分たちの利益になるのかを考えるための談合はそんなにいらないだろうけど
「そもそも何が自集団の利益になるのか」を考えるという談合と、行為の段になってのコーディネーションは別なのでは
共有知識、犬笛
つまり、トリクルダウン理論は富裕層にとって前者を解決しない (そもそもそれが富裕層の利益になるのは自明なので解決する意味がない) けど、後者を解決する役割があるってこと?
(政治献金はスタグハントゲームや男女の争いのような構造ではなく、ほんとうにフリーライダー問題があるのか?
貢献する人数が増えるほど政治的効果が高まると仮定するとフリーライダー問題になるが、一定の閾値以下では政治的効果を持たず一定の閾値以上からそれ以上増やしても政治的効果を持たないという状況ではフリーライダー問題よりスタグハントゲームや男女の争いに近そう?)
いや、コストが貢献者にだけあって、利益は他の人にもある (ほとんどの利益が他の人に帰属する) という意味ではフリーライドの余地があるか。公共財ゲームのように「全員貢献する」状態にすればパレート改善になるというわけではないけど、お金の移転を考えれば「一部が貢献する + 貢献しないが利益を受ける人がお金を貢献者に送って補償する」とすればパレート改善する。
んーでもここで問題になってるのは政治献金だから、お金を移転すればパレート改善するんだったらそれぞれが直接献金するんでもいいような
投票は閾値があるけど献金は閾値はないような (もしある候補が選ばれればそれでいいし、それ以上の献金に意味はないという状態なら閾値があるか)
一定数の貢献がしきい値を超えると通るみたいなモデルだとフリーライダー問題にはならないけど、実際そういう事は少ないのでは (特定の党が勝つために働きかけるならそういう状態になるけど、どちらの党にも全体的に自分の傾けたい方向にプッシュするみたいなことには閾値がない)
Too Many People Dare Call It Conspiracy | Slate Star Codex
Too Much Dark Money In Almonds | Slate Star Codex
Why I Am Not A Conflict Theorist - by Scott Alexander
政治がゼロサムの問題の場合、欺瞞の意味が大きくなる: Matthew Yglesias "The rise of cosmopolitanism and the crisis of liberalism"
道徳がコーディネーション・協力を両方説明することから派生して、広範なコーディネーションと協力を説明できるように見える?
集合行為を道徳的に正当化/動機づける信念が共有され、人々が道徳的動機から集合行為を行うという場合には、たんなる公然とした協力も含まれる
「イスラエル国家の建設というのは実はシオニズムというものによって共同しユダヤ人の利益を目指す集団的な計略なのだ!」と言う場合、ユダヤ人以外にとっても目的が明らかな、完全に公然とした協力の例。陰謀の場合とは対照的
「○○は☓☓を正当化するのに使われる可能性があるから危険だ」「こっちの考えのほうがより進歩的な考えを正当化しやすい」のようなことを人々が明示的に言っている場合においては、特定の道徳的判断を正当化するという目的のために協力してある信念を広める / 広めることを避ける、ということも不思議ではない (個々が動機づけられた推論を行うということも不思議ではないので、道徳的判断が先に共有されてそれを正当化する信念をおのおのが動機づけられた推論によってもってしまう あるいは説得力を感じてしまう、というのも、不思議ではないか)
この例は道徳的判断の正当化であって集合行為やその隠れた機能の話とは違うか
あらゆる可能な道徳のデザイン空間を考えたときに、その中で普遍化可能性とかを満たすものは少数にすぎず、その中の多くは一部の集団の中での協力を可能にするにすぎないとするなら、一部の集団が他の人々を犠牲に利益を得る規範というのはありそうな感じがする
しかし Cathedral は完全に公然とした協力とは異なるように見える。ヤーヴィンは権力を追求することなどが (地球温暖化することが環境に悪い影響を持つという信念などの) 信念の真の機能だと言っているが、「かくかくをすれば我々が権力を獲得できるので良いでしょう。よってかくかくをしましょう。」とみんなに言って協力を始めるわけではない
権力獲得・維持に役立つ行為を道徳的に正当化する信念の存在によって広範なコーディネーションと協力は説明できても、今度はなぜ権力獲得・維持に役立つ行為を正当化する機能を持つ信念が選択的に広まるのか? という新たな謎に答えなければならなくなるだろう――すごい偶然の結果たまたまそういう間違った信念を持っているというのではないだろうから
真の結果を知ることが難解すぎると受益者自身からも隠れてしまい受益者の間でどう広まるのか説明するのが難しくなるし、簡単すぎると受益者以外にもすでに知られてしまっているだろうからわざわざ2008-2014年にヤーヴィンが指摘するまでもないだろう
あるいは受益者は言説の真の機能が分かる洗練された人 (京都人?) だが、受益者以外は文字通りの内容として受け止めるナイーブな人だとする必要がある
受益者と被搾取者に知識の違いがあって受益者の方が真の機能の理解に至りやすいというようなことはありえる。専門家と一般市民の知識差とか
受益者自身もその機能を知る必要がないと言っているように思えるが、単に気分がよくなるような信念が広まるというくらいだと Machiavellianism とは言えなそうだから、意識せずに戦略的思考をしているというような変な構図がある
確かに人には自分に有利になるような自己欺瞞をする能力があってもおかしくないけど
地獄・天国への信仰など、信念が隠れた社会的機能を持っているように見える例はある
機能主義的説明
これは社会単位の (そういう信念を持つ社会は滅びにくいというような) 文化進化によるものか? それとも社会の中の特定の人々の利益になるものが広まることができる?
チェスタートンの柵は、存在するものには何かしら機能があるかもしれないというけれど、それが特定の集団による搾取という機能であるという可能性は? (例: 畜産を行うことは人間にとって意味があるけれど、それは非ヒト動物に損をさせて人間が利益を得るという機能)
特定の人々の間でだけの社会契約
親が、「そんなことしてると地獄に落ちるよ」と子供に言う場合、規範に従わせることはまさに意図された目的であり、隠れた機能ではないかもしれない
どうせその場の議論で勝つためみたいな場当たり的な動機が多くてそこまで戦略的じゃないんじゃないのという感じがする
「悪意があるわけではなく、現実にはある集団の利益になるような振る舞いAについて『Aは道徳的に (も?) 良い』というふうな信念をなぜかちょうど選択的に持っている」というのは、Hansonian Optimism (Hansonian Optimism | Slate Star Codex)と似ている (Hansonian optimismの場合は集団というより個人かも)
Trivers on Self-Deception - LessWrong
「自集団の利益になる」という信念自体は持たれているものと考えているのか? (つまり、上の括弧内の「も」は含まれているのか)
「も」が含まれている場合はよりありえそうな感じがする
富裕層への減税が良いと考えるおかねもちの場合は、富裕層にとって良いということは当然理解していて、それがたまたま社会的にも良いのだ、と言っているのだろう
医師会が、医師免許取得が厳しいのは安全のために必要なんだ、という場合、医師の供給を絞って賃金が上がるということは分かってて (このことはそこまで一般常識ではないけど)、それがたまたま社会的にもいいんだ、と言おうとしている
その場合、権力獲得・維持に役立つ性格が隠されているわけではなくて、提唱する人々の権力獲得・維持に役立つし、しかも (幸運なことに) 社会的にも良いのだ、と (被害者をふくめ) 人々は思うことになる?
医師のほうが規制で供給を絞ると賃金が上がるということを理解しているという状況では全然騙せる気がする
知識が非対称なので、自分たちの利益のために言ってるのかほんとに安全のために必要なのか医師以外にはわかんなくて、後者のリスクを考慮すると前者の可能性があっても制限したほうがいいみたいなケースもありえる
集団Aが、行為xは集団Aの役に立つと思っているけど、集団Bの人への説得のために、「実は行為xは集団Aには損! 実は集団Bにとって得!」 といった場合、これに仲間も間違って説得されてしまうと、同じ戦略的理由から今度はその説得された集団Aの人は、「行為xは集団Bには損! 集団Aにとって得!」と言うインセンティブが発生して、それに仲間が説得されてしまうと、以下同様 という無限振動状態になって面白い
David Friedman "Ideas: A Revealing Cartoon"
motivated reasoning
ヤーヴィンが民主主義は実質的にはメディアによる支配だというとき、メディアの人が民主主義を支持するときはそのことを分かってやっていると想定しているのか
メディア支配から逸れた民主主義は populism , politics, politicization と呼ばれる、みたいなことをいってるから暗黙の理解か何かがあると思ってるんじゃない?
たとえば思想家が「人々の行動に与える要因として、思想は強力な要因だ」と考えたら、自分自身が影響力を持っているかのようで気分がいいかもしれないが、そう考えることによって本当に影響力が手に入るわけではないので、あまり Machiavellianism 的ではない
それは本当の権力の追求ではなく、自分の妄想の世界の中での権力者になるだけだ
いや、それで自分がやっていることは重要だと他人に説得し、研究資金などが得られるなら 戦略的にも有効か (この例だと、影響力があるということでむしろ危険視されるかもしれないけど)
別に思想家が思想を重要と思うのは、生物学者が生物学的要因を重要と思うのと同じで、自分がそれによって仮に対象に介入できるようにならない (たとえば遺伝子操作が発明される以前でも、遺伝学者は遺伝的要因が重要だと思うかもしれない) としてもありえるから、自分野の説明能力を過大視するという傾向の一例ってだけで、権力追求の例ではない気がした
それも、説明能力が高い→威信が高まる→権力を得る みたいな説明はできなくはないけど
教育学部の人が教育が重要って思う (アマラとカマラみたいな) のはどっちなんですか
妄想の中で権力者になりたい or 重要だと思われると威信が上がる or 自分野の説明能力を過大視する一例にすぎない
「対策が逆効果をもたらすことによって自分自身に利益を与える」というのはかなり難しくて、なぜならその信念が偽であることにまさに依存して利益を得るということだから、心のある部分ではそれを真だと知らないだけでなく、偽だと知っているというタイプの自己欺瞞を行わないとそれによる利益を (たまたま得るだけでなく) 追求することはできないだろう
もしその嘘理屈に、仲間まで説得されてしまったら、その仲間にとっては嘘理屈を言うインセンティブがなくなってしまうのでは
成功すれば世界が救えるし、失敗しても自分には利益になるし、という気分で支持する可能性はある
Appeal to consequenceに、「いくらみんなにとって望ましい結果をもたらす信念に見えても、真であることではなく社会的に望ましい結果を持つことを理由に信念を採用すると、長期的には社会的に望ましくない結果に導く」という議論を載せたが、これは「みんなにとって望ましい」の部分を、「自集団にとって都合の良い」に変えても成立するだろう (「自分個人に都合の良い」に置き換えても成立するかもしれない)
自集団にとって本当に利益になる自己欺瞞を行うのは、そう簡単なことではないんじゃないか
Chapter 4: A Mystery Cult of Power | How Dawkins Got Pwned | Unqualified Reservations by Mencius Moldbugのpositive camouflageとnegative camouflageがそれぞれ①と②に当てはまるかもしれない?
②としてヤーヴィンは、報道機関と世論の関係に関する強力効果論? のようなメカニズムを考えている気がする
実際に「マインドコントロール」という言葉も使っている
サイモン・レン=ルイス「フォックスニュースは投票行動を左右する:経済学からの知見」 – 経済学101
サイモン・レン=ルイス「イギリス右派系新聞の影響力」 – 経済学101
ヤーヴィンはナチスや共産主義と現代民主主義を同じくくりにして「ナチスや共産主義者はジョージ・オーウェルが描くようなプロパガンダ国家だった、だから現代先進国がそうであってもおかしくない」みたいなことを言っているけど、Hugo Mercier によればナチスのプロパガンダはじつはそこまで成功していなかったというので、その帰納で根拠づけるのは無理では
"11: Rationality in the Evaluation of Communication, Guest lecture by Hugo Mercier"
でも Hugo Mercier は論理的説得は広まりやすいとも言っているから、論理的説得でプロパガンダを行ったらみんなに影響を与えられる可能性があるよね。メディアはそれを行ってるのかもしれない、というのはありえる。
論理的というのは、人にそう思われればいいわけで、バレない限りでは詭弁でもいいだろうと思う
Dan Williams "People are persuaded by rational arguments. Is that a good thing?"
利用可能性ヒューリスティックとか
Unqualified Reservations: A gentle introduction to Unqualified Reservations (part 1)
The basic premise of UR is that all the competing 20th-century systems of government, including the Western democracies which came out on top and which rule us to this day, are best classified as Orwellian. They maintain their legitimacy by shaping public opinion. They shape public opinion by sculpting the information presented to the public. As part of that public, you peruse the world through a lens poured by your government. Ie: you are pwned.
sculpt: 彫刻する
peruse: 精読する、よく調べる
pour: 注ぐ
バラモン(学者・ジャーナリスト・公務員ら) が集団として (?) 利益や権力などを (計画的・意識的・共謀ではなく、無意識・創発的にということではあるが) 追求しているとしている点、一般的にそう思われていないが強大な権力を持っていると考える点、我々の事実認識や言説も彼らの都合の良いようにひずめられていると考えている点などから、陰謀論的と言えそう
conspire や scheme という言葉自体も使っているわけだし (schemeは1人でもできるので陰謀とは限らない?)
It can also be seen as a perfectly distributed conspiracy, à la H. G. Wells, with no central structure at all.
Chapter 7: The Age of Democide | How Dawkins Got Pwned | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug
"distributed conspiracy"
As a good democrat, of course, you have been taught to fear systems of this class only in the case that they have an evil genius, or at least a cabal, behind them. Thus “conspiracy theories.” But in fact, you should find a decentralized, self-coordinating system, one in which ideas are filtered and organized by memetic evolution rather than intelligent design, far more creepy and dangerous.
Chapter 5: The Modern Structure | A Gentle Introduction to Unqualified Reservations | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug
Union of church and state can foster stable iatrogenic misgovernment as follows. First, the church fosters and maintains a popular misconception that the problem exists, and the solution solves it. Secondly, the state responds by extruding an arm, agency, or other pseudopod in order to apply the solution. Agency and church are thus cooperating in the creation of unproductive or counterproductive jobs, as "doctors." Presumably they can find a way to split the take.
Unqualified Reservations: A gentle introduction to Unqualified Reservations (part 1)
ヤーヴィンは、自らの仕事を増やしたり重要性を増すために公務員や学者は政府介入に肯定的みたいなことをいうけど、ブライアン・カプランによると一般投票者はかなり反自由市場的で、実際はエリートの影響が強いのでアメリカで自由市場 (と、個人の自由) が保たれているという。
Bryan Caplan "Why Is Democracy Tolerable? Evidence from Affluence and Influence - Econlib"
公務員についての統計は知らないけど。
(ヤーヴィンの主張の背景としては、公務員には民主党支持者が多い (Ideology and Performance in Public Organizations - Spenkuch - 2023 - Econometrica - Wiley Online Library) ので、独立した行政機関を左派のほうが支持しがちということだと思うけど)
まあカプランの言ってるエリートは、公務員ではなく高所得者のことで、公務員は左派よりなんじゃないかな。
各政党支持者の連邦機関への好意のデータ: Americans favorable of many federal agencies, especially Park Service, USPS, NASA| Pew Research Center
https://scrapbox.io/files/64735969462c99001bdb3aa0.webp
Public Expresses Favorable Views of a Number of Federal Agencies | Pew Research Center
Federal employees donate $4.2M in presidential race, mostly to Harris - Government Executive
ニック・スザボも民主的な議会より専門特化しており産業界のロビーイングの影響を受けやすい独立した行政組織の方がより自由市場に介入しない可能性を指摘している:
企業のロビーイングは、競争を阻害して供給を絞り価格を上げて利益を得るために規制を求めることもあり、かならずしも規制緩和を望むわけではないはずだけど、スザボは議会の方がより規制を求めると考えているようだ
Tobin Project "Preventing Regulatory Capture: Special Interest Influence and How to Limit It" も、産業界のロビーイングは、deregulatory capture や corrosive capture と呼ばれる、規制緩和を求める企業からの政府への capure の方がむしろ現在では多いかもしれないと言っている
Byran Caplan ( Pro-Market AND Pro-Business - Econlib )も、移民を雇いたいから移民制限に反対する企業など、規制より自由を求めるような企業の政府への影響も大きいのだと言っている。
Ideology and Performance in Public Organizations - Spenkuch - 2023 - Econometrica - Wiley Online Libraryを踏まえると、公務員は左派が多いので、このスザボの意見はあんま正しくなさそうな気がしてきた
Nick Szabo:
My instinct is to say that Chevron is a profoundly unlibertarian decision, as it gives more power to regulatory agencies, but upon reflection I wonder if it is true. It is of course profoundly undemocratic. It effectively weakens the ability of Congress to control the regulatory agencies.
Congress is spread far too thin to competently write clear statutes, so there are usually vast gaps and ambiguities for the regulatory agencies to play with.
So the real question for Chevron may be, is the rulemaking process of Congress more or less libertarian the the rulemaking process of the agencies? The answer, unless one reflexively supports "democracy", is by no means clear. If industry lobbying on average reduces regulatory burden (as it did in Chevron) more than it increases it, and (as is likely) the lobbying of regulatory agencies (experts on narrow subject matter) is more efficient than lobbying Congress (experts at nothing), then Chevron will tend to produce more libertarian rules. I'd love to get your opinion on the matter.
Nick Szabo "Unenumerated: In defense of the judicial branch"
行政機関が訴えられないようにしてあった Chevron 法理の廃止は一般的に (小さな政府を掲げる) 共和党保守派の勝利とされているけどね
「シェブロン法理」の無効化、通商分野にも影響か(米国) | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ
Chapter 4: A Mystery Cult of Power | How Dawkins Got Pwned | Unqualified Reservations by Mencius Moldbugでは支持者自身の価値観や利益に照らし合わせても左派の信念は有害だと言っているので、左派が真の意味で「都合の良い」ことを言っていると考えているわけではない(強い意味で利益追求に役立つ / マキャベリ的なものと考えているわけではない) ようにも見える
(もしちょうどぴったり利益を最大化する考えを抱くなら、そんなことはおこらないはず)
不幸の手紙のように、ミームの利益と主体の利益は食い違いうるってこと?
ヤーヴィンは、道徳的な面については、Cathedral の問題は誤信念や権力維持に伴う副次的被害、ineffectiveness であるとしており、搾取 (分配の不公平) や支配 (権力分布の不公平) 自体は、Cathedral が行っていることだと考えるものの、 (少なくとも明示的には) 道徳的観点から問題にしているわけではない
(暗にレトリック的にその点を非難しているところはありそうで、あと報道の人が民主主義を謳うのにそれ自体非民主的であることの一貫性のなさ・偽善性を非難していることはある)。
フォーマリズムを導入すると現在の支配構造をそのまま維持したまま でも Cathedral を廃止でき、権力関係の不公平自体は残るものの、それで問題ないと考えるはず
つまり、現在の支配階級の人々に現在持つ権力に応じて株式を分配したネオカメラリズム政府にすれば、支配階級はそれからは誤信念によって権力を維持する必要がなくなる、とヤーヴィンは考えている
これによりヤーヴィンが道徳的に問題にするところの、誤信念や権力維持に伴う副次的被害、政府の無能さが解決できるため、(分配の問題、支配・搾取の問題は残るものの) 問題がないと考えるだろう
ayu-mushi.iconもしそれが真なら、支配階級にとって (も) 望ましいはずのフォーマリズムがすでに世界に導入されていないのはなぜか。支配階級は権力と利益の追求が下手なのか?
しかし、支配階級が望むことは実現されやすく、フォーマリズムは支配階級にも得とすると、フォーマリズムを導入することが現実に可能と信じる理由にはなる
なので、マルクス主義や批判理論のイデオロギー論との関係は、
事実認識は構造が似ている
道徳的価値判断の面 (それを問題視する理由) については大きく異なる
という感じ?
Cathedralの考えは、マルクスのイデオロギー論/虚偽意識に似ているけどなんか致命的に違うよねと思ってたけど、事実判断の部分/道徳的価値判断の部分に分けるとすっきりするかな。
ヤーヴィンの考えは、以下で批判されているMichael Lindの考えと同じ問題がある気がする
Michael Lind, a kind of culture conservative New Dealer, takes this sort of crude materialism in some extremely bizarre directions, for example arguing that urban elites want to defund the police to create more jobs for social workers. Presumably, lower class types would be against defunding the police because they would be more likely to work as cops and suffer the consequences of increased crime.
Richard Hanania "A Psychological Theory of the Culture War"
https://twitter.com/RichardHanania/status/1404188566402461697
At times, the line between Lind’s brand of materialism and crackpot conspiracies grows thin. In a 2020 column on the George Floyd protests for the “post-left” publication The Bellows, Lind wrote, “The slogan ‘Defund the police’ is interpreted by the bourgeois professional left to mean transferring tax revenues from police officers, who are mostly unionized but not college-educated, to social service and nonprofit professionals, who are mostly college-educated but not unionized,” meaning the seemingly heartfelt protests against police brutality were really a way to create more jobs “for members of the professional bourgeoisie in their twenties and thirties.”
This is absurd. There just can’t be many white police abolitionists who came to that position after thinking, “You know, my surest route to a cushy government job would be to march in support of radical criminal justice policies that have little hope of near-term passage, but which would, in theory, free up fiscal space for investment in social services.”
The Delusions of the Radical Centrist by Eric Levitz
Michael Lind は ヤーヴィンと同じく、ジェームズ・バーナムを評価してるらしい:Michael Lind "The Importance of James Burnham - Tablet Magazine"
学者の重要性を増す考えが広まるため介入主義的 (左派的) な考えが広まる、というのがヤーヴィンの考えに反論してみる:
行政府に対し違憲審査を突きつけるほうが最高裁判所判事や法学者の権力や重要性 は増すので、自由権のイデオロギーを採用するほうが得かもしれない? (ロックナー時代のように)
計画経済の方が経済学者の職は増えるのに、経済学者には自由市場を支持する人が多い。農業で自由市場が機能し、そのことが知られ自由化されれば、「農業経済学者」の社会的重要性は下がるだろう。では農業経済学者は自由市場に反対するのか? 多分そうだった気がする
マクロ経済でケインズ主義やマネタリズムが人気で、オーストリア経済学がアカデミアで人気がないのは、それが経済学者に職を与えないからというのがヤーヴィンの理論だと思うけど、(よく知らないけど) 主流派マクロでもリアルビジネスサイクル理論とか、合理的期待形成理論のように、中央銀行ができることについて疑念を持つものがある:
When I asked a macroeconomist at the University of Michigan why RBC〔リアルビジネスサイクル理論〕 models were still so strangely popular, he shrugged and said “Politics!” RBC theory basically says that neither the Fed nor Congress can stabilize the real economy, so using things like fiscal stimulus or interest rate cuts to try to fight recessions is pointless. The macroeconomist I spoke to suggested that this feature of the models appealed to small-government libertarians, who — at least at that time — had a decent amount of clout in the economics field.
ミシガン大学のマクロ経済学者に、リアルビジネスサイクル理論モデルがいまだに妙に人気があるのかと尋ねたところ、彼は肩をすくめて「政治だ!」と言った。リアルビジネスサイクル理論では基本的に、FRBも議会も実体経済を安定させることはできないので、財政刺激策や金利引き下げといったものを使って不況に立ち向かおうとしても無意味だというのだ。私が話をしたマクロ経済学者は、このモデルの特徴が、少なくとも当時は経済学の分野でそれなりの影響力を持っていた、小さな政府を掲げるリバタリアンにアピールしていると示唆した。
Noah Smith "Politicized science inevitably tends toward pseudoscience"
よく知らないけど、オーストリア学派が学会の主流派にならないのは、数理モデル化を嫌ってる点とか、実証しないとかのほうが大きそう?
なぜ右派はケインズ経済学を嫌うのか? - himaginary’s diary
大きな政府を支持せずにケインズ経済学を支持することは可能。それはケインズ自身の立場だった。Mark Thomaが述べたように、「政府の規模とケインズ的な安定化政策の間に必然的な関連は存在しない。」
オーストリア学派の研究手法と政策への適用 - himaginary’s diary
理論主義*2、個人主義、および主観主義の方法論的原理の上に構築されるとともに、景気循環現象を説明したり予測したりする可能性に対して複雑性によって科される限界、従って政策手段によるコントロールの可能性にも科される限界を心底から認識していることから、オーストリア学派の景気循環理論が政治的玩具として使われることは決してない。それが、経済政策担当者に実際には持っていない知識を持っているように見せかけることを促すマクロ経済学の過度に単純化された手法と違うところである。
たしかにそれなら、公共政策の専門家に人気がなくても不思議ではない
ブライアン・カプランの話を踏まえると、むしろリバタリアンは Cathedral の一部なんじゃないかという気がした。主流派経済学というのはもちろんアカデミアの一部であり、オーストリア学派に比べればそうでないにしても、一般人より自由市場に好意的だ。
リバタリアニズムなどの合理的な保守イデオロギーは大学で代表される機会が過小である訳ではない…むしろ、人々が実際にそれらのイデオロギーを支持している割合と比較すれば、合理的な保守イデオロギーは〔引用者注: 大学では〕過剰に代表されている可能性の方が高いのだ。
ジョセフ・ヒース「保守主義者へのアファーマティブ・アクション?」(2017年 11月9日) – 経済学101
リンク先: Bryan Caplan "The Libertarian Target - Econlib"
"自分は体制側の欺瞞に気づいている"という意識で陰謀論に向かっている思想の一種な気がするね
Curtis Yarvin "The Cathedral and the Bazaar - Modern Government - Tablet Magazine"
(<title>はThe Cathedral and the Bazaar"だけど記事内で表示される記事名は"The Cathedral or the Bizarre"となっている)
political formula というのは
被支配者に支配者を愛させ、奉仕させ、服従させるように説得する考え
支配階級にとっては自分自身が正しいことをしていると正当化し、政府に経済的に依存している人にとっては自己利益を保証し、納税者に対しては服従させるようなもの
であると言っている
福祉についてのゼロサム的/再分配的捉え方?
納税に注目した区分は、政府を経済的搾取の手段とみなし、それにもとづく階級論を唱えたフランツ・オッペンハイマーっぽい?
私作る人、僕奪ふ人(F・オッペンハイマー) - ラディカルな経済学
I’ve also noticed that a lot of people in tech make hating the media central to their political identity, and in this case it’s understandable. Reading much of the coverage since the Great Awokening, it’s clear that many tech reporters don’t care about tech as such, but see their job as uncovering race and sex discrimination within the industry. As with art critics and sportswriters, it appears that to a large extent the subject of the reporting is almost secondary, and the real point is the narrative.
Nonetheless, just as how a victim mentality is not good for ethnic groups, it’s also self-defeating for political movements. It prevents people from seeing their own flaws and assessing their circumstances objectively, and makes them prone to accept conspiracy theories and engage in catastrophization. I’ve already mentioned the conservative polling disaster of 2022, which misled Republicans about their prospects and may have contributed to them nominating unelectable candidates that campaigned in the general election like they were still in the primary.
…
I think people keep expecting the MSM to go away because they misunderstand the source of its power. Balaji calls what they do “fiat information,” Yarvin refers to “the Cathedral,” and Sailer talks about “the megaphone.” Each of these phrases misleads us about why the press is so powerful.
Richard Hanania "Why the Media is Honest and Good"
Plutocracy Isn’t About Money | Slate Star Codex
Against Rothbard and Keynes, for Marx | Entitled to an Opinion
その他
We don't have to live like this - Gray Mirror
ヤーヴィンがどんな政府もやるべきと考える原理原則を10個まとめている
彼の現在の政府への不満がどこにあるか、がまとまっている
文化戦争問題 (人種関連) への重点が大きいように見える (2,3,4,5と4つあるので)
ayu-mushi.iconこれは2021年のだが、昔のリバタリアニズムに基づく現状の政府への不満と比べると一貫性という点では欠如している印象もうける(昔のが一貫性あるかもそんなに明らかではないが)
(1)は民主主義のように聞こえるが?
(2)と(4), (3)と(5)はそれぞれ整合するのか?
(2)政府や学術は差別してはいけない (4)民間はその雇用の根拠に国籍、宗教、人種、性別などを含めても許されるべき ということ?
まあ営利企業は差別してると競争で損するので政府がわざわざ罰しなくてもいい (ゲイリー・ベッカー) けど、学術は損したとしても採用の意思決定をする人にはそこまでダメージが入らないので差別を防ぐインセンティブがない、という理由で整合させることができるかも
"The private sector must be free to use examinations as well, and any form of discrimination must create liability."という部分からすると民間企業が雇用差別するのも法的に措置できる状態にあるべきと言っているように見えるが、(4)連合結社の自由とはどういう関係にあるのか
もしかすると差別すると (違法ではないが) 損するという意味で liability と言ってるのかも??
(2)は平等を唱えてる。よく考えるとヤーヴィンは平等が悪いとは言っていないのか。
equal protection of the lawsは法の下の平等に当たるものだろうからリバタリアンも擁護するか(これを書いたときのヤーヴィンにリバタリアン要素はもうないが)
しかし、フォーマリズムは「権利について重要なのは明確に定まっているということで、権利が平等かどうかはどうでもいい」という立場に思える
平等にするというのは1つの定め方ではあるけれども
(3)と"Against political freedom"におけるシンガポールの言論統制擁護は矛盾しそう
(10)のように政府が雇用を生み出すために消費者の効用を損なっていいなら、(2)(4)の(政策としての)アファーマティブアクション反対というのは弱くならないか?
アファーマティブアクション政策が悪いと、消費者の効用に訴えずに主張できるのか?
結社の自由を自然権的にとらえたうえでそれに基づいてアファーマティブアクション法に反対するとかなら、消費者の効用に訴える必要はないけど、結社の自由に基づいて雇用主が好きな人を雇う自由があるなら、なぜ外国人を雇うことを政府が禁じる? という問題にやはりなると思う
人種に基づいてその雇用に優先することを強制するのはダメだが、自国民の製品を優先して買うことを強制するのはいいんですかね。どちらも取引/契約の自由を制限しており、消費者に悪い影響を持つ可能性があるという点では同じ問題に見えるが
(10)
自国民の雇用を優先
(そもそもこの時のヤーヴィンはすでにネオカメラリズムをそんなに推してないけど) ネオカメラリスト政府は、そのインセンティブに従えば、より高い税を払う移民を入れることを現在の国民が失業したりすることより優先するはずだが、ヤーヴィンの要求はそれに反している
ネオカメラリズムのもとで国民というのは単にテナントに過ぎないんだから、自国民中心のようなことはあまり意味がなくなるはずなのに?
特に、現在のテナントと、潜在的なテナントの効用について、どっちを優先するとかいうことはないのでは?
企業が新規顧客とリピーターのどちらを優先するかという程度の問題でしかない!
関連リンク
I'm Curtis Yarvin, developer of Urbit. AMA. : r/IAmA
ジェームズ・ダモアet al.vs.Google裁判 p.41
ヤーヴィンがGoogle社を訪問したところ彼が秘密のブラックリストに入っており、退去させるようにする自動指示があったらしい! (実際に退去させられたのかは知らない)
Curtis Yarvin "The Clear Pill, Part 1 of 5: The Four-Stroke Regime", The American Mind
カテゴリ別記事リンク: Moldbuggery -- The Collected Writings of Mencius Moldbug
https://en.wikiquote.org/wiki/Talk:Curtis_Yarvin#Mencius_Moldbug's_external_contributions
外部サイトでのヤーヴィンのコメント
The first complete chronological bibliography of all Unqualified Reservations posts
Medium http://archive.is/https://medium.com/@curtis.yarvin*
ヤーヴィンが元ネタであろう、アメリカ合衆国は王によって統治されるべきだと信じ、カーライルについて講義をする"neo-reactionary monarchist"(新反動主義の君主制主義者)であるMaurice Antonovというブロガーが出てくるシャーロック・ホームズ原作のドラマ (Elementary というタイトル) があるらしい
https://cbselementary.fandom.com/wiki/Evidence_of_Things_Not_Seen
https://thevictoriansage.wordpress.com/2017/06/12/the-last-monarchist-and-elementary/
エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY - Wikipedia
第4シーズン(2015年 - 2016年)"洗脳プログラムの秘密" "Evidence of Things Not Seen"
Scott Alexander "WE SAIL TONIGHT FOR SINGAPORE"
Richard Hanania "Conservatives Win All the Time"
「社会は時代とともにどんどん左翼になる (ヤーヴィンがW-forceと呼ぶ)」という考えへの批判
Do conservatives always lose? This might be the founding myth of the “New Right.”
The truth is much more boring. The right has won many policy victories over the decades through normal politics. They’re just mad about the culture. But that can change too.
https://twitter.com/RichardHanania/status/1640124737430093824
アメリカ政治では、銃、中絶、税、学校について、保守派が勝ってきた。「保守派が負けてきた」と言っている人は、白人が多数派である状態への危機や、LGBTなどマイノリティに関するテーマについて念頭においているのかもしれない (それらのテーマでは保守派が負けてきたので)。
1. Unless you cherry-pick the time and place, it is simply not true that society is drifting leftward.
…
2. A standard leftist view is that free-market “neoliberal” policies now rule the world. I say they’re grossly exaggerating, but there’s a lot more evidence for a long-run neoliberal trend than a long-run leftist trend.
Bryan Caplan "What's Wrong with the Thrive/Survive Theory of Left and Right - Econlib"
ブライアン・カプランは、社会が左翼的になるというトレンドよりも、"新自由主義的"になる長期的トレンドのほうが根拠が多いと言っている (政府支出は増加傾向だけど)。
The article is interesting for how badly it misrepresents American history. Intellectual elitist dominance of US policy is a frequently debated topic throughout the history of the United States.
Unqualified Reservations: A gentle introduction to Unqualified Reservations (part 1)という記事への批判
Scott Alexander "Right Is The New Left | Slate Star Codex"
Richard Hanania "Towards an Enlightened Centrism"
直接的にヤーヴィンへの言及はないが、ヤーヴィンへの嫌味と見れるものがちょくちょくある (現代リベラリズムの起源をプロテスタント主義に遡るような理論や、リベラルは権力への追求によって特徴づけられるというような 政敵についての包括的理論は単純化のしすぎで役に立たないことが多い、と)
ヤーヴィンの好きなジェームズ・バーナムについても、「現代の行政国家について知りたいなら、アリストテレスやジェームズ・バーナムを読むよりも、法学徒が使う教科書を読んだほうがいい」と言っている (アリストテレスへの言及は、ヤーヴィンがアリストテレスの君主制、寡頭制、民主制の区別をよく使うことを意識していてもおかしくない(知らないけど))
(アリストテレスは君主制、貴族制、民主制としているがヤーヴィンは貴族制を寡頭制にすり替えている)
A New Opportunity, and a Response to Yarvinによると、やはりヤーヴィンを仮想敵としていた模様
Richard Hanania "The Reactionary Case for Democracy"
新反動主義の民主主義批判に対する反論
いわく、もし仮に王政の方が良い統治をするインセンティブを持っているとしたとしても、独裁制国家の統計は ずさんな場合が多いという問題がある。仮にインセンティブは社会全体のものと合致していたとしても、国家の状態についてのまともな知識がなければ良い統治をしようがない
公開されている統計が改ざんされてるだけで、上層部は本当の統計を知ってる可能性もあるけど
Against Kind Informed Voters - by Robin Hanson
民主主義において投票者は知識を持っていなくても、期待より生活水準が下がったら政権交代を求めるということにより、政権には生活水準を期待水準に保つインセンティブがある (上の記事でRichard Hananiaも言及している考え)
Economic voting - Wikipediaというらしい
このトランプの当選結果は、政治学による評論家への偉大な勝利である事も記さねばならない。選挙時のディベートにおける立ち振舞やそこでのヘマのような事象は、大した事象ではない、と政治学は教えてくれる。政治学においては、選挙結果は、極少数の「マクロ」要因に左右される――この要因の最重要要素は、政権与党を変更させたいという〔有権者の〕要望であるとされている。 2
ジョセフ・ヒース『トランプ大統領の省察』(2016年11月10日) – 経済学101
Richard Hanania "Why the Media is Honest and Good"
The Blogger Who Hates America - by Cathy Young - Persuasion
Left Moldbuggism - by משכיל בינה - NonZionism
現状の権力の分析ではヤーヴィンと共通するものの、その権力構造を倒して王政やネオカメラリズムを目指すのではなく 、現状の権力構造は可能な代替案より良いと考え、体制内で改善を目指すべきとする左派モールドバグ主義の説明。
DeepLeftAnalysis、Richard Hanania、Anatoly Karlin(\アッカリ~ン/) らが左派モールドバグ主義とされる。(リベラルエリートによる支配を受け入れているだけで、左派というのは変だけど)
Richard Hananiaによるコメント
DeepLeftAnalysisの応答
Richard Hanania "The Origins of Elite Human Capital Institutions and Communities"
ジョセフ・ヒース「文化政治はなぜ生き残り続け、失敗し続けるのか」(2024年11月15日) – 経済学101
文化は万能の支配力を持ったマインド・コントロールのシステムである、という考え方は多くの人にとって魅力的で、払拭しがたいものだった。それは一つには、学者やジャーナリストに都合のいい自己像を抱かせるからだろう。英文学の教授は、自分の教えている小説が高尚な娯楽に過ぎないのではないかとの疑念に苛まれているので、その解釈手法こそが西洋文明の死を告げる鐘を鳴らしているだ、というような話を聞くのが大好きである。当然エンタメ産業で働いている人々も、自分たちは単なるエンターテインメントの供給業者ではなく、社会正義のための闘争の最前線部隊として、寛容や平等を促進するために人間の心のソフトウェアをプログラミングし直しているのだと考えたがる。こうした考えは、批判として述べられていたとしても、〔文化に携わる人々を〕非常に力づけるものなのだ。
過去数年間の出来事(特に中絶やアファーマティブ・アクションを巡るアメリカ最高裁の判決)を見れば、バノンの議論は根拠に乏しいものとなる(少なくともこうした出来事は、国内政治における国家権力の重要性を再認識するよう迫る)のではないかと思う人もいるだろう。
The View From Neoreaction - by TracingWoodgrains
Democracy, Capitalism and Monarchy (Yarvin) - Marginal REVOLUTION
Contra Yarvin and Hoppe, princely success is economic failure. Absolute monarchs stunted economic growth.
Absolutist monarchs stunted the growth of commerce and industry, as measured by the pace of city growth in western Europe from 1000 to 1800.
Why? Extractive tax policy.
https://x.com/AlexNowrasteh/status/1882064133132349728
Empirical evidence against Curtis Yarvin's preferred system of government.
https://nber.org/papers/w28297
https://x.com/PhilWMagness/status/1882069476608459213
Curtis Yarvin is mistaken when he says that Apple can produce iPhones because it's a monarchy. There are millions of firms ("monarchies") in the world that can't produce anything nearly as impressive as iPhones, from the laundromat down the street to Boeing.
…
https://x.com/dwarkesh_sp/status/1881776987322376435
America's epistemological crisis - by Dan Williams
If the tertiary education sector is so influential on the US, why aren't most US citizens believers in evolution?
Why is Mencius Moldbug so popular on Less Wrong? Answer: He's not. — LessWrong
It really says something about Society that Yarvin became one of the most influential right-wing intellectuals just as most of his major predictions about society were falsified
Many problems that look superficially like deeply embedded structural ones are simply will issues https://x.com/tracewoodgrains/status/1895170229820330164
https://x.com/theojaffee/status/1894771031430062360
My Debate with Curtis Yarvin - by Arnold Kling
架空のディベート
What's Wrong with Rightoids? - by Glenn
Foreign aid received as a share of national income, 2021
Richard Hanania on Substack: "Anyone in DC (think tanks, gov, etc) looking for an intern and would be interested in hiring Curtis Yarvin’s former assistant? He’s currently at Carnegie Mellon and on the market for spring internships. 1590 SAT. DM me if you have something. "
Why do debates over the power of the executive have an ideological valence? In other words, why is conservatism associated with wanting to put a great deal of power in the hands of the executive, while liberals tend to call for a stronger Congress? There are three main reasons for this. First, as a general matter, Democrats want to spend more money, and Republicans less. As will be discussed below, the nature of the Constitution is simply such that there is a better case for the president being able to spend less money than appropriated than more. Everyone agrees that he can’t spend more than what has been allocated by Congress. Yet if the executive branch has wide discretion not to spend certain appropriations, that is a powerful way to cut the size of government and defund certain projects.
Richard Hanania "Trump's Executive Branch Revolution"
Are Neocons Trotskyites? - by משכיל בינה - NonZionism
How much slack should we give thinkers? | Entitled to an Opinion
長い時間Unqualified Reservationsのコメント欄でコメントしていたTGGPは、ヤーヴィンは想像力があり、それを伝える才能があるが、個々の主張はしばしば矛盾したもの、あるいは単に偽であり、これらの特徴は真理の追求よりパフォーマンスアートに近いものだと言っている
The Zeal of a Convert - by Don Moynihan
Beyond the fascistic language, Yarvin’s theory of how public organizations work is also a pure fantasy.
この人どれくらいヤーヴィンのこと知ってるのかな。Retire All Government Employees みたいな主張だけ見てコメントしてる感じする。
Invoking Foucault: Why Foucault Is Our Most Cited Public Intellectual
カーティス・ヤーヴィンとフーコーの類似性が指摘されてる
The Strange and Terrifying Ideas of Neoreactionaries - Current Affairs
マルクス、チョムスキーと似てるという指摘
Nature Is Not A Slate. It’s A Series Of Levers. | Slate Star Codex
ヤーヴィンは、プロセス主義・官僚制よりも、個人に強い裁量と責任を与えるシステムが良いみたいなことを言っている (Chapter 3: Carlyle in the 20th Century: Fascism and Socialism | Moldbug on Carlyle | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug )。一方、↑の記事によると、病院で失敗に対する責任を負わせることを重視した場合は失敗が減らなかったのに対し、失敗を責めるよりも睡眠時間やチェックリストなどの環境整備に努めた (プロセス主義、官僚制と言えるでしょう) 病院は改善したらしい。
Against Elegant Political Models - by Bentham's Bulldog
インセンティブ構造に基づく演繹的な話だけでは限界があり、実証的な話もしない限り現実の問題について評価を下すことはできない。この教訓はヤーヴィンにも刺さるのではないかと思う。
まあヤーヴィンは歴史の話もするので、演繹的モデル一辺倒ってだけではないけど
ヤーヴィンが影響を受けたミーゼス、ロスバード、ハンス・ハーマン・ホップらのオーストリア学派経済学は実証を嫌いアプリオリな前提と演繹のみを方法論として認めるからそれの影響っぽい
Bentham's Bulldog "Mencius Moldbug Is Not Not A Blithering Idiot"
Book Review: The Revolt Of The Public - by Scott Alexander
なんとなくヤーヴィンと同じ文脈を感じる (クライメートゲート、イラク戦争、金融危機によるエリートへの不信、インターネット・ブロゴスフィアの勃興)
Jonathan Bowden’s Mad | Entitled to an Opinion
進歩主義運動の (ヤーヴィンの語る歴史における悪役である) Edward Bellamy は意外とヤーヴィンと似てるらしい
Political myths and realities | Entitled to an Opinion
Castes of the United States | Unqualified Reservations by Mencius Moldbugへのコメント
ヤーヴィンが左派をバラモンエリートとすることへの疑念
著者のTGGPによると、実際には大卒者は、学部卒の場合 どちらかというと右派によっている
(年齢の影響があるので学部生自体は条件つけしない確率 (P(左派)) よりは左派によりそうな。同じ年齢で学部卒の人が高卒者より左派によるということはないということか)
ヤーヴィンは軍隊のようなヒエラルキー・指揮系統を右派的な組織の理想と考え、軍が右派に寄るのはそれで説明できるという (Unqualified Reservations: A gentle introduction to Unqualified Reservations (part 1)) が、実際には軍の中でも officer (なんと訳すんだろう。武官?) が保守派寄りであるに過ぎないらしい
Am I part of the unenlightened public? | Entitled to an Opinion
高学歴は必ずしも左翼ではない
Consilience | Entitled to an Opinion
インドのバラモンより中国の官僚にたとえたほうが良かろうというのは自分も思った
でも、インドのバラモンではなく、ボストン・バラモン Boston Brahmin - Wikipedia に由来してるのか
Why shouldn’t belief in HBD and AGW go together? | Entitled to an Opinion
Why Not For-Profit Government? - by Robin Hanson
A Profit-Seeking Government? - by Arnold Kling
THE PRUSSIAN "The Anti-Racialist Q&A" ←新反動主義者の人種についての議論への批判
Social Justice For The Highly-Demanding-Of-Rigor | Slate Star Codex ← 差別に関して
新反動主義者の、「マイノリティが悪いパフォーマンスになっているという統計があると、社会正義運動家は他の原因を検討せずそれは差別のせいだと結論に飛びつく」「その結果、みな差別について考慮することにエネルギーと時間を浪費している」という主張に対し、差別以外の原因では説明できないような統制された厳密な実験/調査を紹介する記事。
無意識の連合テスト、
(無意識の連合テストは最近は批判されているようだが)
他の条件が同等だが人種だけが違う人を集めてきて企業が雇用するかどうかを比べる実験、
全く同じ履歴書で名前を特定の人種や性別っぽく変えた場合に、雇用するかどうかが変わるか調べる実験、
などを紹介している
(履歴書だけでは十分な情報ではないので、それが(真の)統計的差別なのか、誤った偏見、好みの差別なのかは明らかではないという指摘がある) (言っているのは差別があるかどうかであって何による差別なのかではないとも返せるかもしれないけど)
(アファーマティブアクションを含めると同じ学歴でもマジョリティの方が能力が高いだろうから雇用しようと考えてるだけではというツッコミに対しては、大学などのアファーマティブアクションをしている組織をそもそも出ていない人についての調査もあるので、そうではない不合理な差別を示す研究もある、という https://slatestarcodex.com/2013/04/20/social-justice-for-the-highly-demanding-of-rigor/#comment-5162 )
Notes on the Gender Wage Gap - by Sam Atis - Samstack
Scott Alexander Social Justice For The Highly-Demanding-Of-Rigor | Slate Star Codex vs. Bryan Caplan "The Economics of Antipathy and Stereotyping"
どっちが正しい?
追記: 正確に言うと、Slate Star Codexが示すデータは統計的差別説とも整合的であり、カプランの理論的な議論は、生産性の統計的な違いと対応しないような差別をする企業が淘汰されることを示しているものの、企業がゲイリー・ベッカーのいう "統計的差別" を行っている可能性を排除するものではない。格差のうちの大部分が差別を原因とするものではないと言っているだけで、雇用差別がないと言ってるわけじゃない。
Where I differ from Bryan Caplan's *Labor Econ Versus the World* - Marginal REVOLUTION
統計的差別の自己成就とかはどうなのか
Bryan Caplan は労働市場を十分に競争的だと仮定している点に問題があるのでは
いや、売ってる商品の市場が競争的なら労働市場が競争的でなくても成り立つのでは
アレックス・タバロック「差別する会社の方が倒産しやすい」 – 経済学101
別にスコット・アレクサンダーの言ってることとブライアン・カプランの言ってることは矛盾しなくて、雇用差別はあるけど雇用差別する企業は倒産してくってことかな。
いや、カプランは格差の研究は雇用差別が原因ではないと示唆しているって言ってるから、ふたりはお互いに対立してることを言ってる部分はやっぱりある
カプランの議論によれば、市場が均衡状態なら雇用差別はないことになるけど、均衡に至る途中で雇用差別があることとは矛盾しない。
差別する会社の株を空売りしたり、敵対的買収すればすぐ均衡状態に行くと考えられるので、効率的市場仮説と矛盾する?
Noah Smith "Antitrust vs. ESG - by Noah Smith - Noahpinion"に、ゲイリー・ベッカーの「差別する会社は倒産する」という仮説についての4つの文献が紹介されてる。
Matthew Yglesias "Charles Murray’s The Bell Curve about Race and IQ has bad policy ideas | Vox"
Matthew Yglesiasによる『ベル・カーブ』批判
TGGP: コンゴ自由国
Two book reviews | Entitled to an Opinion
Assorted moral posturing | Entitled to an Opinion
[Link] Noam Chomsky Killed Aaron Schwartz - LessWrong 2.0
Link Belief in religion considered harmful? - LessWrong
Continued comments for “Wars we know” | Entitled to an Opinion
http://web.archive.org/web/20090821090912/http://www.haloscan.com/comments/raldanash/4148274575786727351
「計算機科学の研究は役に立たない」 - sumiiのブログ
What's Wrong with CS Research | Hacker News
Unqualified Reservations: What's wrong with CS research
Intriguing critique of university computer science and its relevance : programming
Sam Altman is not a blithering idiot : slatestarcodex
https://web.archive.org/web/20080821055815/http://creativecapitalism.typepad.com:80/creative_capitalism/2008/08/why-not-have-pr.html "Why not have profit-maximizing governments?"
Mouthbreathing Machiavellis Dream of a Silicon Reich
これは独裁制を支持するように見える部分だけを引用し、その理由や限定は引用しないし具体的に反論するわけでもないなかなかアレな記事。よく調べてはいるかもしれない
Yarvin’s Case Against Democracy | Commonweal Magazine
What Peter Thiel, J.D. Vance, and Others Are Learning From Curtis Yarvin and the New Right | Vanity Fair
Arnold Kling (2010/7) https://www.econlib.org/archives/2010/07/the_neo-reactio.html
Arnold Kling http://www.econlib.org/archives/2008/01/mencius_moldbug.html
Patri Friedman https://www.facebook.com/patri.friedman/posts/10152224034719766
タイラー・コーエン https://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2018/01/five-influential-public-intellectuals.html
dark enlightenment roadmap | hbd chick
Mencius Moldbug is a Technocrat | The Ümlaut
Prof. Anti-Moldbug | Entitled to an Opinion
A defeat for Moldbuggism | Entitled to an Opinion
Triumph Forsaken | Entitled to an Opinion
Mencius Moldbug recommended a number of books in this post, and I’ve just gone through a few of them.
Unenumerated: In defense of the judicial branch
Staying Classy | Slate Star Codex
ヤーヴィンの「アメリカのカースト」論と、他のアメリカ階級論との比較がある
Book Review: Albion’s Seed | Slate Star Codex
Many conservatives I read like to push the theory that modern progressivism is descended from the utopian Protestant experiments of early America – Puritanism and Quakerism – and that the civil war represents “Massachusetts’ conquest of America”. I always found this lacking in rigor: Puritanism and Quakerism are sufficiently different that positing a combination of them probably needs more intellectual work than just gesturing at “you know, that Puritan/Quaker thing”.
Consilience | Entitled to an Opinion
On the “Dark Enlightenment,” and of Curtis Yarvin / Mencius Moldbug • The Worthy House
The Problems with Mencius Moldbug’s ‘Neoreaction’ | National Review
Then we have to attribute both the mass slaughter of the 20th century and the lesser slaughter of the golden past to exclusively political rather than technological causes. And that is just absurd. How do you suppose the Muslim conquest of the Maghreb, the Thirty Years’ War, or — Mencius — the Warring States Period would have gone if air forces, heavy artillery, and nuclear weapons had been available?
この記事も良い批判だと思う
Right-Wing Blogger Curtis Yarvin Is Wrong. Democracy Is Good., Jacobin
Cathedral 概念への批判
Mencius Moldbug, 10 years later: a critical retrospective | Carlsbad 1819
Reddit: Absolutist neoreaction
Tyler Cowen "Classical liberalism vs. The New Right - Marginal REVOLUTION"
ヤーヴィンの政治思想は、新反動主義にくわえ、state capacity libertarianism, structural libertarianism, national conservative, new right などに含まれる?
Tyler Cowen What libertarianism has become and will become - State Capacity Libertarianism - Marginal REVOLUTION
Tyler Cowen Classical liberalism vs. The New Right - Marginal REVOLUTION
New Rightみたいな名前の付け方、いつかnewではなくなることが分かってるんだからやめてほしいよね(そもそもすでに別のイデオロギーでnew rightと呼ばれているものもあるし: New Right - Wikipedia)
Noah Smith "National Conservatism" has no coherent, workable plan for America (未読)
Jacob Lyles "Down with Policy Libertarianism | The Distributed Republic"
policy libertarianism vs. structural libertarianism
Bryan Caplan "Policy All the Way Down - Econlib"
ブライアン・カプランによれば、structural libertarianismもけっきょくはpolicyの一種であり、structural libertarian のほうがpolicy libertarian より現実的かのような考えは幻想だ。
Biology and Justice: First Cut | Liberal Biorealism
The Human Disposition To Help | Liberal Biorealism
Macaulay on Pessimistic Bias - Econlib
Submissions from unqualified-reservations.blogspot.com | Hacker News
Key Thinkers of the Radical Right: Behind the New Threat to Liberal Democracy - Google Books
A Gentle Introduction to Mencius Moldbug's "A Gentle Introduction to Unqualified Reservations" Peter A. Taylor
Religion and politics - How the cold war reshaped Protestantism in America | Democracy in America | The Economist
universalism
Liberal Fundamentalism: A Sociology of Wokeness - American Affairs Journal
ヤーヴィンの主張に似ている
Miniver Cheevy: NRx — Neoreaction
新反動主義に関するメディアの記事のまとめ
condensed moldbuggery http://archive.is/jAq3q
Boldmug https://lawrenceglarus.wordpress.com/2017/02/12/boldmug-says-scott-aaronsons-blog/
Shtetl-Optimized » Blog Archive » First they came for the Iraniansのコメント欄
"Gray Mirror Of The Nihilist Prince" https://graymirror.substack.com/p/coming-soon
YouTubeにいくつか最近のインタビュー動画がある
Thiblo: Unqualified Reservations
Seastanding Institute on Moldbug https://www.google.com/search?q=moldbug+site%3Ahttps%3A%2F%2Fwww.seasteading.org%2F&oq=moldbug+site%3Ahttps%3A%2F%2Fwww.seasteading.org%2F&aqs=chrome..69i57.5383j0j4&sourceid=chrome&ie=UTF-8
Unqualified Reservations on seasteading | The Seasteading Institute
Moron Lab
The Moldbug transcripts | Entitled to an Opinion
Moldbug Transcripts 2: Electric Boogaloo | Entitled to an Opinion
外交政策について
Moldbug Transcripts 3: Moldbuggier | Entitled to an Opinion
I don’t even like the phrase “foreign policy” | Entitled to an Opinion
Your generation was more violent, by agnostic@GNXP - The Unz Review
社会科学についての議論
ヤーヴィンのGene Expression (GNXP) でのコメントは今はコメント欄のサービスの終了のため見れなくなっているが、Unz Reviewのサイトにクローンがある
https://www.unz.com/comments/all/?commenterfilter=Mencius
What does the decline in homicide rates look like?, by agnostic@GNXP - The Unz Review
歴史上の犯罪率の増減について
Inductivist: Sometimes, "They're all the same and are different from us" is pretty much correct:
コメント欄: Universalism, Puritan, New England
ヤーヴィンは「左派はニューイングランド由来の伝統だ」と言うのに対し、反ユダヤ主義? みたいな人が「左派はユダヤ人の影響が大きい」と言って、論争している
White Nationalism and Anti-Semitism | Age of Treason
コメント欄で反ユダヤ主義について
Austrian Economics http://web.archive.org/web/20090220033204/http://www.haloscan.com/comments/raldanash/6255598336931308181
オーストリア学派経済学について
ヘーゲル
Unqualified Reservations: I wonder if Jonah Goldberg talks about <i>this</i>
Obviously, unlike Daniel Larison(*), I am much too intellectually honest to engage in the notorious pastime of “insulting upward.” (And Daniel, really. Your blog used to be good and now it is starting to suck, because you are turning into a pundit. I’m sure you are quite aware that it is an astonishing abuse of history to describe Hegel, who really made no distinction at all between God, himself, and the State, as a “moderately liberal constitutional monarchist.” Nor is this an isolated misdemeanor. If you could just stop cruelly mocking Jonah, who is not as smart as you and doesn’t deserve to be treated this way, they would probably let you onto the Corner, where I’m beginning to think you’d fit in perfectly.)
コメント欄でDaniel Larisonとの論争が始まる
(*) Eunomia · The Absolute Organic
Eunomia · Hegel
Eunomia · Hegel (II)
Eunomia · Hegel (III)
Eunomia · Hegel (IV)
Wayback Machine larison から検索
A scientist to head OSHA? Quelle horreur! : Effect Measure
Hybrid Vigor http://archive.li/ouesj
Curtis Yarvin "The DAO as a Lesson in Decentralized Governance", urbit.org
Ethereum のThe DAO事件とカール・シュミットの例外状態
On Bacevich, Part I | Center for a New American Security
Overcoming Bias : US Help Red China Revolt?
https://en.wikipedia.org/wiki/Marshall_Mission
中国の喪失 - Wikipedia
Paternalistic conservatism - Wikipedia
クーネルト=レディン、ホップ、ヤーヴィンの王制と自由経済を結びつけようという努力に反し、ウィーン体制で知られるオーストリア外相・(のちに)宰相のクレメンス・フォン・メッテルニヒは保守的社会主義とされる立場を唱え、君主が自由な経済的力に対し人民をパターナリズム的に保護することを掲げていたらしい
(via TGGP)
人種と奴隷制
ayu-mushi.iconこれはヤーヴィンがキャンセルされた/されそうになったときに問題になった論点だからなんとなく野次馬的に載せた項だけど、奴隷制が認められることになるのか? という点は彼のフォーマリズムに関してという意味でも興味深い論点なので けさないで残してある
これが (いくつかの技術系カンファレンスでヤーヴィンが発表するときに問題となった) 人種差別と奴隷制に関する発言かな 〔これはカーライルの意見の紹介という文脈なことを書いておくべきだった〕:
“A Statement with My View on Curtis Yarvin and Strange Loop” | Hacker News (yarvin9 のハンドルで本人がコメントしている)
In all these relationships, the structure of obligation is the same. The subject, serf, or slave is obliged to obey the government, lord, or master, and work for the benefit of same. In return, the government, lord or master must care for and guide the subject, serf, or slave. We see these same relationship parameters emerging whether the relationship of domination originates as a hereditary obligation, or as a voluntary obligation, or in a state outside law such as the state of the newly captured prisoner (the traditional origin of slave status in most eras). This is a pretty good clue that this structure is one to which humans are biologically adapted.
Not all humans are born the same, of course, and the innate character and intelligence of some is more suited to mastery than slavery. For others, it is more suited to slavery. And others still are badly suited to either. These characteristics can be expected to group differently in human populations of different origins. Thus, Spaniards and Englishmen in the Americas in the 17th and earlier centuries, whose sense of political correctness was negligible, found that Africans tended to make good slaves and Indians did not. This broad pattern of observation is most parsimoniously explained by genetic differences.
もちろん、全ての人間が同じに生まれているわけではなく、ある人々の生得的な特質と知能は奴隷より主人に向いている。
他の人々は奴隷に向いている。また、その他はどちらにも向いていない。
それらの性質は異なる起源の人間集団によって異なって分布していると予測できる。
だから、17世紀やそれ以前のアメリカにおけるスペイン人やイギリス人(その政治的正しさへの感覚は無視できる量である)は、アフリカ人は良い奴隷にでき、インディアンはそうでないことを発見した。
この観察の広範なパターンは遺伝的差異によって最も倹約的に説明される。
(from Unqualified Reservations: Why Carlyle matters )
インディアンより黒人の方が奴隷に向いているらしい
インディアンを奴隷にするのやめたのは向いてなかったからなの?(最初の方にエンコミエンダとかで鉱山強制労働はしてたような)
インディアンは奴隷にすると死にやすかったってことか?
"原住民と白人労働者とアフリカ黒人との比較では黒人の価値が圧倒的であったこと" https://bookwor.ms/@neveu/106394229956321096
15世紀末に始まったスペイン・ポルトガルのアメリカ新大陸植民地経営では、当初インディオの奴隷労働が行われたが、急激に人口が減少したため、16世紀からアフリカ大陸の黒人奴隷を供給する大西洋奴隷貿易が始まった。
黒人奴隷/奴隷貿易/黒人奴隷制度
Not all humans are born the same, of course, and Carlyle (following Aristotle) takes the view that the innate character and intelligence of some is more suited to mastery than slavery. For others, it is more suited to slavery. And others still are badly suited to either. These characteristics can be expected to group differently in human populations of different origins. Thus, Spaniards and Englishmen in the Americas in the 17th and earlier centuries, whose sense of political correctness was negligible, found that Africans tended to make good slaves and Indians did not.
Chapter 2: Why Carlyle Matters | Moldbug on Carlyle | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug
あ、こっそり編集されて、地の文じゃなくてカーライルがこういう意見を取っているという文になってる
職業のように向いているか向いていないかというの自体、ミスリーディングではないかという気がするが (奴隷化が自分の判断なら別にせよ)。(アリストテレスは奴隷に向いている人がいると考えたけれど)
豚は食べられるのに向いている というのは豚にとって向いているわけではない
すきえんてぃあ@書け on Twitter: "黒人とかいう概念、要らん https://t.co/2gk0YPKdCV" / Twitter
Moldbug: …
Slave labor is actually an excellent example of the Fnargl principle. If you assume security is not a problem, serfdom is always more profitable than slavery and taxation is always more profitable than serfdom.
The profit of slavery is equal to the difference between the price of slave labor and the price of free labor. This vig or rake-off can be replaced with an income tax without changing the economics of the game at all. And once this is done, why shouldn't the slave - now a serf - be able to change jobs? The more he makes, the more you make. -- "対称的主権の魔法"
(この文章はちょっとわかりにくい。the price of free laborというのは雇用者が賃金として払うお金を指しているのだろうか。the price of slavery は奴隷を使役する際にかかる費用なのかな?)
農奴制などとは区別された狭義の)奴隷制を大して評価してないようにも見える
――いや、この奴隷→農奴→臣民という移行が適用できるのは、奴隷が十分に合理的である場合に限るのか
強制労働ではなく自由労働+徴税になるとしても、分配の平等性について何ら気にしないという前提を置かないとその状況は擁護できないのでは
あくまでネオカメラリズム政府が徴税を行うことはその政府が所有権の保護を行うことの価値と比較して許容できると判断しただけなら、所有権の保護も行ってくれない奴隷の主人が徴税を行うことは意味がないしトータル的に悪いのでは
Meditations On Moloch | Slate Star Codexの第III章に奴隷制の経済的インセンティブの話がある。
The Economics of Slavery in the Ante Bellum South: Another Comment
奴隷制はピコ政府で農奴制はミクロ政府なのだという
でもパッチワークでは住む国の選択ができるのに対し、奴隷制の場合は選択ができないのだから、そこは大違いじゃないのか。
exit right の存在という一点で、ネオカメラリズムと奴隷制が異なっていたのに、そこをはずしたために、奴隷制を擁護することになったのではないか
Chapter 6: The Lost Theory of Governmentでは主人を替えれるタイプの奴隷制もしくは後見人制度についても述べているが:
A sensible way to house criminals is to attach them as wards to their revenue streams, but let the criminal himself choose a guardian and switch if he is dissatisfied. I suspect that most criminals would prefer a very different kind of facility than those in which they are housed at present. I also suspect that there are much more efficient ways to make criminal labor pay its own keep.
ヤーヴィンは「主権とは所有権である、所有権とは所有物に何でもできる権利である。憲法による制約など意味がない」という極端な観点をとっているので、奴隷制と主権国家に違いがないということになるのだろう (たしかに絶対王制と奴隷制に被治者の人数以外の違いを求めるのは難しそう)。
概念の定義に基づく議論 (「主権」「政府」のような) は、経験的な内実を持たないので、主権、政府の定義をヤーヴィンのように捉えた場合、単に「その定義ではアメリカ(政府)や日本(政府)は主権国家/政府ではないですね」という結論が得られるだけとなる可能性がある。
ヤーヴィンは、「定義より〜」といって実質のある主張を滑り込ませる議論を多用しているが、このような反論に遭うだろう
裁判などの法に則った手続きを経て拘束を行う近代的な法治国家と、主人の気まぐれでむち打ちできる奴隷制が本当に同じか
それも結局最高裁判所の気まぐれだみたいなことを言っているけど、本当か
ヤーヴィンも法の支配は支持してたはず…
国家一般と奴隷制に違いはないかもしれないが、近代的な法治国家と奴隷制に違いはあるのでは
奴隷制でも原理的にははそのようになることはありえなくはないが。
国家だと、被害者同士が同じ被害を共有できるので話し合いから改善につながりやすそう?
国家が私利の追求によって自分自身の権力の使用を制限し、同様に所有権の生み出すインセンティブによって勝手に奴隷の主人が自分自身の権力を制約する、などということはあるのか ?
ヤーヴィンは警察に身体権を侵害される場合よりも犯罪者に身体権を侵害される場合のほうが多い/重大なのだから、リバタリアンは警察の権限拡大を支持するべきだと論じていたが、その論法で行けば奴隷が鞭打ちなどにより身体権・自己所有権を侵害されているほうが多い/重大なのだから、南北戦争のときに南側の分離の主張を認めないことも支持できるのではないか
(人権侵害国家に武力侵攻することも認められる? フォーマリズムには反するけど。)
ヤーヴィンは「常に非集権的な側を支持すべきだ」というルールを持っているわけではないということだから
むしろリンカーンを 奴隷制の anarcho-tyranny から解放した state-capacity libertarian であると、ヤーヴィンの政治哲学っぽい観点から評価することもできそうだけど
America abolished slavery and brought the states back into union under the leadership of Abraham Lincoln — perhaps the single most state capacity- and liberty-enhancing move in U.S. history.
Three Motivations for State Capacity Libertarianism
Moreover, just because the relationship of slavery or serfdom is personal by default, does not imply that it cannot be made impersonal, like the relationship of subject to government. If the client is not one of Aristotle’s natural slaves, has an IQ over 90, is an adult, and can provide his or her own personal guidance, the subject–government relationship may be a better fit. The master may maximize his economic benefit by simply allowing the slave to negotiate his own employment and living arrangements, and taxing him. Thus the parallel reemerges.
Unqualified Reservations: Why Carlyle matters
IQは1標準偏差が15で (16とする場合もあるらしい)、軽度知的障害が50~70。
平均100, 標準偏差15の正規分布を仮定すると人口の約25%がIQ 90以下だ。
だから、IQ90以上って結構厳しいぞ。
十分条件として言ってるだけかもしれないけど。
もし必要十分条件として言ってるなら人口の約4分の1以上は、ランダムに選ばれて奴隷化されたと仮定した時、その人に職業の自由を選ばせて徴税するのではなく、いちいち指図したほうが良いって言ってるってことだ。
人口の3/4にしか自由は要らないのか?
Yarvin(文中より。ただしこれは奴隷制に関する文章ではなく、自由の概念について): For example, I don't think the conversion of Southern slaves into Southern sharecroppers made anyone much freer, because it created few practical options for the people involved. Before, you were an agricultural laborer who worked on the same farm for your entire life; after, ditto.
たとえば、私は南部の奴隷が南部の分益小作人 (シェアクロッパー) に変わったことで、誰かがより自由になったとは思わない。なぜなら、関連する人々について少しの実際的な選択肢しか生み出さなかったからだ。奴隷解放以前は、全人生を同じ農場で働く農業労働者だった。奴隷解放後は、以下同様。
TGGP: Christ, that's moronic. The option to leave your employment if you do not find it satisfactory is a huge benefit EVEN IF YOU STAY WHERE YOU ARE. Are you unfamiliar with the concept of competition? I seem to recall your "Patchwork" idea being based on it. You even mentioned "fleeing ASAP before the minefields are set" just a few paragraphs above! People actually crossed several states in order to reunite with family, we can be confident they saw themselves as improving their situation.
とんでもない、そいつは馬鹿げてるよ。職を実際には変えないにしても、不満なら職を変える選択肢があるというのはすごい利益がある。お前(=ヤーヴィン)は"競争"って概念を知らないのか?
君のパッチワークの考えは競争に基づいたと記憶しているが。
しかも、この文の数段落前に「地雷が設置される前に可能な限り早く逃げる〔ことができるのは重要であるという〕」ことについて言っていたし。
人々は家族と再び会うためにいくつもの州をまたいだし、彼らが状況が改善していると思っていたことは確証がある。
TGGP:
"Can you demonstrate that the effective wages of former slaves rose over time after 1865 as a result of this competition?"Yes. All it took was a bit of googling. When Murray & Herrnstein set out to make a controversial thesis they buried their audience with data. The "sharecropping = slavery" point rests entirely on assertion.
"あなたは1865年の後にその競争によって以前に奴隷だった者の実効賃金が上昇したことを証明できるか?"
できるよ〔この引用部分によると、シェアクロッパーになったあとには、黒人の農作物の取り分が22%から56%になり、所得ではドルにして30%の向上があったらしい〕。ちょっとググるだけだ。
マレー&ハーンスタインが論争的な主張をしようとしたときは聴衆をデータで葬った。
ヤーヴィンの「奴隷=分益小作人」というのは根拠なく主張しているだけだ。
http://web.archive.org/web/20160630034700/http://unqualified-reservations.blogspot.de/2009/05/democraphobia-goes-slightly-viral.html#2361741476691443823
奴隷と分益小作人の自由度に区別をしないということは、ヤーヴィンはリバタリアン的な形式的自由の概念とは違うより実質的な自由の概念を持っていることになる?
TODO: ロスバードやハンスハーマンホップの奴隷制論と比較する
ヤーヴィンに影響を与えたリバタリアンのロスバードやハンス・ハーマン・ホップは奴隷制についてヤーヴィンとは全然違う主張である。
ロスバードは、世襲的奴隷制のみならず、(ロスバードはリバタリアンだが) 自己奴隷化契約の有効性まで否定した。
ホップは、自己の身体の占有を譲渡することは物理的に不可能である (自分の肉体を動かすことは常に物理的には可能である) というフォーマリズムと似た観点から同じく自己奴隷化契約に反対した。
ヤーヴィンとしては、主権を所有権をみなす都合上、国家が身体を拘束したりできることから他人の身体を占有することはは物理的に可能であるとしているのだろう。
ヤーヴィンは契約については自己奴隷化契約による自発的奴隷制を認めるのみならず(自発的な自己奴隷化契約はウォルター・ブロックも認めていた気がするが)、占有に基づく時効取得としての奴隷制や、先祖が自己奴隷化契約を結んだ結果としての非自発的奴隷制も容認していることがある (昔の記事では先祖の契約により子供が奴隷にすることは認めていないのもある)
主権を所有権の一種として見るフォーマリズムの観点からは、人を合意なく所有できるというのは自然な結論ではある
そうでないなら、政府が人に主権を行使するのにも、合意が必要ということになるだろう
1. This paragraph has proven to be one of the most controversial in the Moldbug corpus. Some feign outrage at the notion that “Africans tended to make good slaves,” intentionally misreading this as an endorsement of the idea, while also stripping it of critical historical context. But the observation that 17th-century Spaniards and Englishmen found Africans to be better slaves than Indians is hardly controversial—how else to explain the transatlantic slave trade?
Meanwhile, there are those who fret about the suggestion that genetic differences between different populations might account for some of their differences in behavior. Such people would do well to educate themselves on the actual research on the subject, as well as to consult their local dictionary regarding the word parsimonious. Genetic differences aren’t the only explanation for the source of the observed disparity—just the simplest (most parsimonious) one.
Indeed, there is no question that genetic differences made Africans better slaves than indigenous Americans in at least one respect: due to superior genetic resistance, Africans were much less likely to die of tropical diseases like yellow fever and malaria. Those who can’t admit that a live person makes a better slave than a dead one are well beyond the reach of reason.
この段落はモールドバグの語録のなかで最も論争を呼ぶものとなった。
ある人々は、「アフリカ人が良い奴隷になる傾向にあった」という文に怒る素振りをしたが、それはこの文を意図的に誤解してその考えの擁護というふうにとり、その批判的な歴史的文脈から切り離している。
しかし、17世紀のスペイン人とイギリス人がアフリカ人がインディアンよりよい奴隷になると考えたことはぜんぜん論争の余地はない。
というのも、それ以外に大西洋を越えて奴隷貿易をする理由が説明できるだろうか。
同時に、ことなる集団間の遺伝的な差異が行動上の差異の一部を説明するという可能性に対しいらだつひともいた。
そういう人は、この主題についての実際の研究を学ぶべきだし、「倹約的」という言葉を辞書で引くべきだ。
遺伝的差異が観察される違いの唯一の説明だと言っているわけではない。もっともシンプル(倹約的)な説明だと言っているのだ。
じっさい、遺伝的差異がアメリカ先住民よりアフリカ人を良い奴隷にする理由のうちの1つは疑いがない: すぐれた遺伝的抵抗性によって、アフリカ人は黄熱やマラリアといった熱帯病に感染しづらかった。
生きている人間が死んでいる人間より良い奴隷になるということを認めない者は理性の範疇を越えている。
(https://www.unqualified-reservations.org/2009/07/why-carlyle-matters/#cha-0_footnote-1, 脚注1より)
うn死んだら奴隷にできないね
黄熱やマラリアはアメリカにもある? >https://www.forth.go.jp/topics/2018/02011308.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/黄熱 "熱帯アフリカと中南米の風土病である。"
I strongly believe that no matter how atrocious the distribution of real power in society, even if it involves actual slavery, law is always better than non-law.
Slavery is not good, but legal slavery is better than illegal slavery.
(Think how much better off both North and South, white and black would have been, for example, if the North had bought the South's slaves rather than fighting for their freedom - okay, they weren't fighting for freedom, they were fighting for the Union, but that's a whole separate argument.)
私は現実の権力分布がどんなに凶悪なものであったとしても、それがもし奴隷制を含むものであったとしてさえ、法がある状態は法がない状態より好ましいことを信じる。
奴隷制は良くないが、法的な奴隷制は違法な奴隷制より望ましい。
(アメリカの南北戦争で、戦争で彼らを解放しようとする代わりに、北が南から奴隷を買ったらどんなに良かったか考えてみてほしい ーーオーケー、北はアメリカ連邦のために戦ったのであって解放のために戦ったわけではなかったね、しかしそれはまた別の話だ)
http://unenumerated.blogspot.com/2007/05/microkernel-government.html?showComment=1181430840000#c552935091030972379
それって新たに奴隷が作られないという仮定の上でしか成り立たなくない?
新たに奴隷が作れるなら、スーダンの奴隷を買うボランティアみたいになるのでは
さらには露骨に悪いのもいる。有名な例では、スーダンには奴隷を買うNGO/NPOと いうのがいる。売られているかわいそうな奴隷を買ってあげて、解放してあげましょ う、というわけ。もちろん、奴隷商人にしてみれば、こんないいお客はいない。ふつうは売れないようなダメ奴隷でも(いやむしろそのほうが)、こいつら喜んで買ってくれるもん。というわけで奴隷商人の上得意客になり果てて、やめさせたいはずの奴 隷取引の延命に手を貸す結果となって、他の団体からガンガン非難されているんだけ れど、かれらは自分たちがいいことをしていると確信しているから、聞く耳持ちやし ないのだ。いやぁ、すごいなあ。でもその人たちの様子が想像つくだけに、笑えないよね。
https://cruel.org/hotwired/hotwired14.html
新たな奴隷の輸入は奴隷解放以前に、既に禁じられていた?
こうした動きの中、アメリカ合衆国では1808年に奴隷の輸入が禁止されたが、綿花プランテーションで奴隷を使役したいアメリカ合衆国南部の農園主による密輸がその後も続いた。最後の奴隷船は、アフリカのベナンからモービルに110人を運び、証拠隠滅のため燃やされたクロチルダ号であった22。その直後に勃発した南北戦争で、奴隷制維持を掲げる南部諸州が結成したアメリカ連合国(南軍)が敗北。1865年に奴隷制が全廃された。
奴隷貿易 - Wikipedia
南北戦争に向かう時代、奴隷を束縛状態から買い上げるために金を集め、…
ヘンリー・ウォード・ビーチャー - Wikipedia
フォーマリズムにおける自己の肉体の所有の扱いはどうなるんだろうか。他のものであれば friction は限定戦争だけど自己の肉体の場合全面戦争になる気がする (いや自分の肉体より重要なものがあるひともいるだろうが)
Redditでの応答で、Nozick "The Tales of the Slave"による、奴隷制と政府の連続性を、ヤーヴィンは参照している。
ノージックは、奴隷制と政府は連続的だから政府は悪いみたいなリバタリアン的議論をしたんだと思うけど、ヤーヴィンは逆に奴隷制と政府に違いないなら、奴隷制の何が悪いのかみたいな。
The fact that people are born and die introduces a complexity into this nice system of interacting agents in a scarce resource environment. A good example is one your question implies: can you sell your children into slavery?
Formalism is not an abstract good. It is not good because it is good. It is good because it achieves its purpose, and its purpose is to prevent violence (actually, I now think "chaos" is a better word, violence is overexposed) - that is, the combination of conflict and uncertainty.
It does this by holding people to their own promises. Holding a person to a promise their parents made for them doesn't compute. It is much more likely to be recognized as invalid by all parties, leading to uncertainty etc.
So a reasonable formalist approach to parental custody, I think, gives parents complete potestas over their children until emancipation at maturity, but no power to contract on their behalf.
Unqualified Reservations: UR's plan to fix Iraq / コメント欄
初期の頃は自分の子供まで含めて奴隷化する契約を結ぶことは認めていない
So, for example, A may promise to B that he will serve B faithfully for the rest of his life, and B may have him whipped if he disobeys. In fact, since parents own their children, A may consign his child C to this same relationship, and so on through the generations. B, of course, presumably makes some promise in return for this remarkable concession.
Chapter XI: The Truth About Left and Right | An Open Letter to Open-Minded Progressives | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug
しかし後には認めている
ネオカメラリズムにおける救貧の問題で言ったように、ヤーヴィンは自己奴隷化契約を貧困への対策として導入したかったらしい。
I admit it: I am a pronomian. I endorse the nomos without condition. Fortunately, I do not have to endorse hereditary slavery, because any restoration of the nomos begins with the present state of possession, and at present there are no hereditary slaves. However, if you want to sell yourself and your children into slavery, I don’t believe it is my business to object. Try and strike a hard bargain, at least. (A slightly weakened form of pronomianism, perhaps more palatable in this day and age, might include mandatory emancipation at twenty-one.)
Chapter XI: The Truth About Left and Right | An Open Letter to Open-Minded Progressives | Unqualified Reservations by Mencius Moldbug
現在の占有を守るので、現在奴隷がいない以上、奴隷制を擁護する必要はないといってる。
しかし、自分とその子供を含めて奴隷として売ったとしても問題ないと言っている (自然な解釈では、自分は売らないで子供だけ売る(至言)というのも認めていることになる気がする)。
slavery
https://slatestarcodex.com/2014/02/23/in-favor-of-niceness-community-and-civilization/#comment-41981
LessWrongと新反動主義の関係
が指摘されるが
Why is Mencius Moldbug so popular on Less Wrong? [Answer: He's not.]
結論: あまり関係無いらしい。という割にはディスカッションが長く続いてるけど…関係がないと言うか、単に支持者が少ないという統計かな。
"rationalistは自閉症の集まりで、その中で特に社会性に欠けたろくでなしがNRx, TPOT, e/accを形成する。"
https://gyazo.com/4c4a8c0c7b63f6e1b79585597a1a46f5
https://gyazo.com/89242ddd3b211ba59c78aecdba4fd4d2
https://x.com/AccPocari/status/1803750064386654639
[EDIT by E.Y.: The answer is that he's not popular here. The 2012 LW annual survey showed 2.5% (30 of 1195 responses) identified as 'reactionary' or 'Moldbuggian'. To the extent this is greater than population average, it seems sufficiently explained by Moldbug having commented on the early Overcoming Bias econblog before LW forked from it, bringing with some of his own pre-existing audience. -- ]
https://www.lesswrong.com/posts/6qPextf9KyWLFJ53j/why-is-mencius-moldbug-so-popular-on-less-wrong-answer-he-s
〔どうしてLessWrongでメンシウス・モールドバグが人気なのかという問いへの〕答えは、モールドバグはLessWrongで人気というわけではないということだ。2012年のLessWrongの年毎調査では、2.5%(1195の回答のうち30人)が「反動主義」もしくは「モールドバグ主義」と自認していた。一般的な人口における平均よりも高い率に関しては、LessWrongが Overcoming Biasの経済ブログからフォークする以前、モールドバグがそこでコメントしていて、もともといた彼の読者を連れてきたことによって十分に説明されるだろう。
ユドコウスキー(E.Y.)としては評判上あまり結び付けられたくないという思惑もあるだろうので、このようにコメントしたのかもしれない。
ヤーヴィンとエリエゼル・ユドカウスキーは、会ったことはあるようである
Optimize Literally Everything | This isn’t going to work, but for the record, and...
Question: LessWrong, Bayes, and the DE : DarkEnlightenment
Scott Alexander says:
April 18, 2014 at 7:08 pm
“Why does there seem to be such a strong overlap in the sorts of personalities drawn to these ideologies and those who like reading Less Wrong, a site that is as ostensibly apolitical as possible?”
Aside from the other theories mentioned here: LW is 2.4% reactionary and 1% conservative. America as a whole is to a first approximation 0% reactionary and 50% conservative.
When you get smarter and more philosophical, conservativism becomes less and less popular. My guess is that there are about 3.5% conservatives on Less Wrong, but in order to differentiate themselves from other conservatives who are unpopular and often presumed stupid (which is very serious on a site that takes intelligence seriously), two-thirds of them adopted a new label for themselves that trades off looking stupid against looking evil.
Someone Writes An Anti-Racist FAQ | Slate Star Codex
ユドコウスキーはヤーヴィンのコンピュータ・サイエンスに関する記事から好意的に引用したことがある。
"It's possible to describe anything in mathematical notation. I recall seeing some paper once in which someone had created a mathematical description of C. (I forget whether or not this included the preprocessor.) As an achievement, this is somewhat like building a full-size model of the Eiffel Tower out of tongue depressors. It's clearly not the act of a talentless man, but you have to wonder what he said when he applied for his grant."
-- Mencius Moldbug
Rationality Quotes 1 - LessWrong
@ESYudkowsky: @Meaningness @EgeErdil2 Curtis Yarvin isn't a "trope". This is the same guy who mocked me for worrying that an AI could take over computers given Web access, saying that I didn't know how the HTTP protocol worked and that nobody could take over the Internet if only allowed HTTP GET requests.
The first mention of Bitcoin on Less Wrong, a post called Making Money With Bitcoin, was in early 2011 - when it was worth 91 cents. Gwern predicted that it could someday be worth "upwards of $10,000 a bitcoin". He also quoted Moldbug, who advised that:
> If Bitcoin becomes the new global monetary system, one bitcoin purchased today (for 90 cents, last time I checked) will make you a very wealthy individual...Even if the probability of Bitcoin succeeding is epsilon, a million to one, it's still worthwhile for anyone to buy at least a few bitcoins now...I would not put it at a million to one, though, so I recommend that you go out and buy a few bitcoins if you have the technical chops. My financial advice is to not buy more than ten, which should be F-U money if Bitcoin wins.
Scott Alexander A LessWrong Crypto Autopsy - LessWrong
上で言及した "Anti-Reactionary FAQ" が投稿されたSlate State Codex(Scott Alexanderによる)は、LessWrongコミュニティから評価されているブログであり、またAlexanderはLessWrongに寄与している。https://en.wikipedia.org/wiki/LessWrong#History
ミハエル・アシニモフというLessWrongに居た新反動主義者はLess WrongというのにモジってMore Rightというサイトを運営していたが、ユドコウスキーはMore Right はLess Wrong公認ではなく、Less Wrongの側から大してリンクされていないとして関係を否定している。
Two Views of Survey Data: The Modal Motte User | A Ranking of Everything, From Scott Alexander to Stalin : r/TheMotte
https://imgur.com/ynZWa8F
yudkowsky: ...
"More Right" is not any kind of acknowledged offspring of Less Wrong nor is it so much as linked to by the Less Wrong site. We are not part of a neoreactionary conspiracy. We are and have been explicitly pro-Enlightenment, as such, under that name. Should it be the case that any neoreactionary is citing me as a supporter of their ideas, I was never asked and never gave my consent. Some kind of note in the article to this effect seems appropriate. Thanks.
Also to be clear: I try not to dismiss ideas out of hand due to fear of public unpopularity. However I found Scott Alexander's takedown of neoreaction convincing and thus I shrugged and didn't bother to investigate further. Democracy has many known malfunctions and it may be that some better way for human beings to organize themselves will be discovered. That way, however, shall not be aristocracy, any more than the next theory of gravitation after General Relativity might be Newtonian mechanics. The ratchet of progress turns unpredictably, but it doesn't turn backward.
I'm reasonably sure Patri Friedman (grandson of Milton Friedman) isn't a neoreactionary either, though I can't actually speak for him and you'd have to ask him personally.
http://archive.is/c53jN#selection-3679.6-3679.7 のコメント欄より
http://slatestarcodex.com/2018/04/01/the-hour-i-first-believed/
http://slatestarcodex.com/2016/05/30/ascended-economy/
http://slatestarcodex.com/2014/06/07/archipelago-and-atomic-communitarianism/
ヤーヴィンはElizer Yodkowsky が寄与していたグループブログOvercomingBiasの寄稿者であるロビン・ハンソンと、ハンソンのFutarchy (「ある政策をしたらどうなる」という条件付き予測の予測市場を利用して政治的意思決定を行う政治システム) について対談している
https://www.youtube.com/watch?v=Tb-6ikXdOzE
Alexander is a disciple of the equally humorless "rationalist" movement Less Wrong, a sort of Internet update of Robespierre's good old Cult of Reason, Lenin's very rational Museums of Atheism, etc, etc. If you want my opinion on this subject, it is that - alas - there is no way of becoming reasonable, other than to be reasonable. Reason is wisdom. There is no formula for wisdom - and of all unwise beliefs, the belief that wisdom can be reduced to a formula, a prayer chant, a mantra, whatever, is the most ridiculous.
I know a lot of people involved in Less Wrong and I have a lot of sympathy. I even met its charismatic leader, Eliezer Yudkowsky, once. For a reason which at the time I couldn't quite place, he made me think immediately of a historical figure: Shabbatai Zvi. But why? Reading through the comments on Mr. Jones' article, I finally realized why:
Unqualified Reservations: Mr. Jones is rather concerned
この記事ではヤーヴィンはLessWrongをロベスピエールの理性の祭典やレーニンの無神論博物館に喩えて揶揄している。
が、LessWrongに知り合いは多いとも言っている。
ヤーヴィンの元助手の Werner K. Zagrebbi は、Right Rationalismというブログを持っている: Right Rationalism | Werner K. Zagrebbi | Substack
(LessWrongの Eliezer Yudkowsky はScott Alexanderの"Anti-Reactionary FAQ"を以って反動主義を拒絶する理由としている。http://archive.is/c53jN のコメント欄を参照。)
Unqualified Reservations: Interstitial comments on Dawkinsで、Yudkowsky と ヤーヴィンが論争している。
ミハエル・アニシモフ
ミハエル・アニシモフ
エリエゼル・ユドコウスキー
エリエゼル・ユドコウスキー 『ハリー・ポッターと合理主義の方法(日本語訳)』
Blogging The Anissimov – Smith Reaction Debate | Slate Star Codex
ミハエル・アニシモフとノア・スミスの論争があるらしい
参照用:
Mencius Moldbug "Unqualified Reservation"