卒論題目
2025年度末(2026年3月)卒業生の卒論題目一覧
羽多叶.山地と平地の関係性をめぐる考察:利根川沿岸(刀水橋=昭和橋間)における山岳信仰関連石碑を事例に.
小島都和.VTuberのベースギター演奏は、なぜおかしく見えたのか?:技能の表象をめぐる考察.
本研究では、学術的研究の少ないVTuberについて、違和感を足がかりとして基礎的な考察を試みる。
VTuberが表現する技能として、VTuberによるバンドユニット「2時だとか」の楽器演奏に着目し、VTuberならではの特徴を考察するため、現実と架空合わせて7バンドを比較した。具体的作業として、インターネット上に公開されているコンテンツから楽器演奏シーンをGIF形式等で切り抜き、これを基礎データとして、それぞれのシーンに対する違和感について具体的なコメントを記し、最終的に、切り抜いた楽器演奏シーンに対する違和感を覚えたシーンの割合を計算した。検討した合計203シーンのうち「2時だとか」は全46シーン中の33シーンに違和感を覚えた(約71%)。比較した他の6バンドのうち最高値でも約16%なので、今回対象としたVTuberの楽器演奏は違和感に溢れていることが、単なる印象論ではなく数値としても指摘できる。
単なる違和感の有無だけでなく、さらに考察を深めるために、7バンドの楽器演奏シーンを相対的に位置づけるポジショニングマップを用いて検討した。運指に無理がないなど楽器演奏の物理的な整合性を「リアル感」とし、それとは別に、実際に楽器演奏している臨場感を「ライブ感」として、比較した6バンドを並べると、ライブ感とリアル感には相関性がみられた。現実のバンドの楽器演奏がライブ感・リアル感ともに最高なのに対し、漫画のバンド演奏表現は当然ながらライブ感とリアル感はともに最低である。ところが「2時だとか」は、ライブ感は高いのに、リアル感はそれに見合わないほど低い評価となった。
結論として、VTuberの楽器演奏に対する違和感は、リアル感とライブ感との乖離によって引き起こされる、との仮説を提示したい。今回の、VTuberのファンではない立場からの仮説を、ファンの視点を加えて再検討するのが、次の課題である。
京都民俗学会第17回卒業論文報告会の提出発表要旨原稿
→インタビュー記事「VTuber研究に感じた「学ぶ自由」という贅沢|モノグラム」で紹介。
2024年度末(2025年3月)卒業生の卒論題目一覧
林和真.年中行事の灯火は誰がつくるのか:長野県伊那市西箕輪大萱地区の「百八灯」を中心に.
小川海里.なぜ西新井橋歩道橋は自転車での昇降が困難なのか.
下田翔夢.看板の文字表現に着目した群馬県前橋市中心市街地商店街の研究.
小林平.群馬県前橋市のコインパーキングから考える街の特徴についての研究.
白鳥春男.JR吹上駅周辺地域を事例とした門扉の開閉傾向に関する研究.
本研究の目的は、日常的な景観要素である門扉の開閉状況に注目し、その要因について分析・考察を試みることである。
基礎データとして、対象地域とした埼玉県鴻巣市に所在するJR吹上駅の周辺地区に赴き、住宅の門扉を撮影した。調査期間は2024年の3月8日から断続的に7月29日までの実働21日間である。門扉については開閉状況を確認するだけでなく、門扉の形態・住宅に対する位置・また庭の広さ・駐車場の有無を記録し、現地での視認が困難な場合、Googleストリートビューも併用して検討した。結果、総数154基の門扉についての基礎データを集めた。
今回の調査では、154基のうち開いていた門扉が55基、閉じていた門扉が99基の結果となった。分析すると、まず門扉はその形態によって、開閉状況に相違があることが分かった。両開き型・片開き型・親子開き型などが基本的には閉じている中で、アコーディオン型だけは開かれがち(開き28基/35基のうち)である。また横に長い門扉もまた開かれがち(開き41基/60基のうち)であった。
興味深いのは、同じ形態の門扉でも地区ごとに開閉状況が異なることである。たとえば全体的には閉じられがちな両開きの門扉でも、某地区では(数値としては一桁台ではあるが)すべて開いていた。そもそも門扉は、開かれがちな地区と、閉じられがちな地区がある。その要因を考察するために、迅速測図との照合を試みると、古い集落を起源とする地区は門扉が開かれがちで、明治期に農地であった現在の(新興)住宅地は門扉が閉じられがちであると読み解けた。ただし古い集落を起源としても、周囲を新興住宅地に囲まれると、門扉は閉じられがちである。
京都民俗学会第16回卒業論文報告会の提出発表要旨原稿
2024年度1Q卒業生の卒論題目一覧
𠮷野広大.『頭文字D』に描かれた峠の地誌学的研究.
2023年度末(2024年3月)卒業生の卒論題目一覧
志村颯亮.ゴジラはいかに都市を破壊してきたか.
高橋正和.船橋市内主要駅近傍を事例としたオーニング(装飾テント)の考現学的研究.
望月太一.ライブハウスとの違いからみる音楽空間「クラブ」の基礎的研究.
内田太郎.群馬県前橋市の児童遊園施設・るなぱあくの今昔.
平沢英一.河川敷野球場の立地に関する基礎的研究:千葉県市川市を事例に.
本研究では、千葉県市川市が管理する河川敷野球場について、その歴史的経緯を資料に基づいて概観した。河川としては江戸川である。江戸川が流れる市区町村には、江戸川河川敷に野球場を含む運動場が、数多く立地している。その中で、市川市が管轄する河川敷野球場は、市の公式サイトによれば12面ある。現地を訪問して観察できたことに加え、歴史的経緯を調べるため、主に市川市中央図書館を活用し、資料を収集した。自治体史を含め、河川敷野球場はもちろん、河川敷そのものについてまとめられた資料が確認できなかったので、収集した資料それぞれの断片的記載を組み合わせ、市川市河川敷略年表を作成した。
本研究での発見としては、市川市の河川敷野球場が、河川の護岸工事と併行して整備されたことが特筆される。市川市が河川敷野球場を管理するようになったのは1972年(昭和47年)10月からであり、それ以前は市川商工会議所・北越製紙・明治乳業が占有していた。続く1974年9月の市川市議会定例会議録には、近年、グラウンドの水際が侵食され危険であること、雨後の排水も悪いこと、そのため湖岸工事が求められることが指摘されている。1975年の資料「市川市教育調査」には、事業計画のひとつとして「江戸川河川敷緑地整備工事運動施設の整備等」が記載されている。その後、文献資料に球場数が9面(1979年)・11面(1999年)・12面(2017年)と確認できるので、市川市では順調に開発されてきたことがうかがえる。一方、各種地図上に野球場(運動場・グラウンドの表記)が確認できるのは1980年代になってからで、文献資料とはややズレがある。
野球場の研究としては、スタジアムについては散見されるが、グラウンドはほぼ皆無である。本研究では、研究対象にされてこなかったグラウンドの一種として、河川敷野球場に焦点を当てた。
京都民俗学会第15回卒業論文報告会の提出発表要旨原稿
岡野秀美.インターンシップ「女性受入不可」の変遷から考える建設業界における女性の職種別進出状況.
(日常意匠研究室の定例報告会に常連だった学生についても紹介してます)
2022年度末(2023年3月)卒業生の卒論題目一覧
大木健至.空間におけるパブリック/オープン/プライベート区分の再検討:鴻巣市の公園・集会所・社寺を事例として.
岡部創.埼玉県久喜市・百観音温泉前の不定期仮設店舗を事例とした青果販売流通の現在.
岡本昂大.戦後の横浜市における板金業の展開:岡本板金を事例として.
片野佳和.東京都世田谷区における仕切り付き公園ベンチの基礎的調査研究.
小泉修平.五稜郭のデザインからみた龍岡城の特徴.
笹谷勇志.福島県における三大コンビニチェーン店舗の比較検討に基づく風除室の考察:風除室をめぐるネットロアの検証.
竹内実.コロナ禍における伝統芸能の継承:行田市・長野ささら獅子舞保存会の活動を事例に.
【受賞】ものつくり大学同窓会・卒業研究優秀発表賞
本研究では、埼玉県行田市の長野ささら獅子舞を対象に、その保存会がコロナ禍においてどのように活動したかについて、参与観察とインタビューに基づいて明らかにした。長野ささら獅子舞は、いわゆる一人立ちの三匹獅子舞で、行田市の指定無形民俗文化財であり、長野地区の鎮守社である久伊豆神社での秋の大祭で奉納される。保存会の一員である本学学生課職員の紹介で、保存会の練習・本番への参加と、会員へインタビューする機会を得た。
インタビューからは、コロナ禍に翻弄された様子がうかがえた。2020年2月までは会員の親睦も兼ね月一回は練習していたが、3月に練習を中止、その後も中止を余儀なくされた。同年六月下旬に、保存会も所属する奉賛会で、祭礼関連の全面中止が決まった。その年の保存会の活動は、行田市からの補助金による道具類の手入れと買い替えであった。2021年6月もまた中止となった。同年の活動は、新調した幟旗のお披露目で集まったのみであった。
コロナ禍が少し落ち着いたかにみえた2022年の4月下旬に保存会で集まった時、会員間で再開が合意されたので、翌5月下旬に久々の練習会を催した。例年では7月下旬から8月いっぱい本番に向け週一回の練習だったが、今年は5・6・7月それぞれ月一回、そして8月は週一回の練習に取り組んだ。本番は、例年ならば二日間で三演目のところを、今年は一日のみ二演目に縮小しての開催となった。
地区の集会所で行われる練習会では、狭い空間の中で、初心者と熟練者あるいは笛方などそれぞれの立場を按配した配置で練習に取り組んでいた。通しの稽古になったのは八月に入ってからで、それまでは久々の再開だったため、一番の基本演目『笹掛り』を中心に、それも基本の舞いとなる演目冒頭部分を、思い出しながら繰り返し練習していた。発表者も、実際に舞いを教わりつつ観察し、本番当日も『笹掛り』の中獅子を担うことになった。
京都民俗学会第14回卒業論文報告会の提出発表要旨原稿
2022年度1Q卒業生の卒論題目一覧
佐伯蒼巳.椅子を中心とした日本におけるeスポーツの基礎的研究.
村木健太.レイクタウンを事例としたショッピングモールの考現学的研究.
2021年度末(2022年3月)卒業生の卒論題目一覧
武井彩夏.さきたま火祭りで使用される産屋の形状の起源と歴史についての基礎的研究.
本研究では、さきたま火祭りの産屋が現在の形状になった起源と歴史について、関係者への聞き取りと記録映像を含む資料を基に、考察した。
さきたま火祭りは、埼玉県立さきたま古墳公園(行田市)を会場として毎年5月4日に開催され、2021年で第37回となる(ただし2020・21年は、COVID-19の影響で中止)。そのクライマックスでは、「ニニギノ命」と「コノハナサクヤ姫」に扮した演者により産屋に火が放たれ、産屋が炎上する。この演出は、前玉神社の祭神・コノハナサクヤヒメの火中出産神話にならったものである。当初、さきたま古墳とコノハナサクヤヒメに直接の関係がないことを認識した上で、「異論はありますが無理にオワケノオミをくっつけた火祭りにしてしまおうではないかと」(『さきたま火祭り 10 周年記念誌』内の座談会での、第1回実行委員長の発言)開始された火祭りは、「古代のロマン溢れるお祭り」(行田市ホームページの表現)として広報されている。
産屋を含め、さきたま火祭りの準備は、地元の6地区が役割分担している。担当は年毎に持ち回りで、産屋の製作は基本的に図面に基づいている。しかし年毎の産屋の画像を比較検討すると、年毎に微妙な違いがあることが分かる。そもそもこの産屋は、形状としては復元古代住居に近いが、同一形状のものは確認できない。おそらく部分それぞれが別々に模倣されており、総体としては、さきたま火祭りオリジナルのハイブリッドな仮設物件だと考えられる。年によって微妙な違いがあるのも、偶然性を含め担当地区のオリジナリティが発揮されているとみることができる。
京都民俗学会第13回卒業論文報告会の提出発表要旨原稿
三上慧人.現代における「けん玉」の技能伝承現場.
2020年度末(2021年3月)卒業生の卒論題目一覧
苏开放(ソ・カイホウ/蘇開放).日本の雑貨文化が中国に与える影響.
須藤ありす.群馬県市町村広報誌にみるコロナ禍の対応.
安澤紗綾.個人的趣味嗜好が景観に与えるささやかな影響について.
長島勇太.クモ合戦の約半世紀での変化:千葉県を中心に.
2019年度末(2020年3月)卒業生の卒論題目一覧
佐藤香里.顕れる伝説地・隠れる伝説地:安倍晴明伝説を事例にして.
再構成して公刊→佐藤・土居2020「安倍晴明伝説地の四半世紀・覚書」 『比較日本文化研究』第20号
後藤友貴.伝統風町並みの比較研究:アイコンと防火に注目して.
加藤智寛.遊技設備が24時間稼働する店舗実態の考察:行田・上尾・太田の3事例の分析から.
本研究は、埼玉・群馬県でゲーム機筐体を設置する3店舗のドライブインが、深夜零時を過ぎてもゲーム機を稼働させ営業する実態を調査し、その原因を調査した。現地取材から、時間帯によるゲーム機稼働状況の変化、風俗営業取得の有無など、それぞれ三者三様であることが分かった。たとえば稼働台数の変化、店舗内の営業区画の変化などである。またインタビューからは、風営法・風適法との関係、特に風適法にある「10%ルール」が重要であることが分かった。この「10%ルール」を巧妙に運用することで、深夜零時以降もゲーム機を稼働させることが可能となっている。
京都民俗学会第11回卒業論文報告会へ向けて提出した発表要旨原稿(報告会そのものは中止)
大高奈々恵.木製玩具の価値とはなにか:木製品および玩具を取り巻く運動を踏まえて.
斎藤芳昌.サインは外国人に正しく伝わっているのか:川口市と蕨市の現地調査から考える.
2018年度末(2019年3月)卒業生の卒論題目一覧
江川豪.職業・大道具の社会文化史的考察.→大道具の今と一昔前のハナシ
石橋真澄.日本におけるフードコートの成立経緯.
高岡栞奈.学生・市民参加型リノベーションプロジェクトのモノグラフ研究.
本研究が目指すのは、市民参加型の建築プロジェクトへ参加し観察したモノグラフに基づき、関係者相互のコミュケーション不全による問題点を発見し、将来の建築プロジェクト特に市民参加型ワークショップに資する知見を得ることである。取材対象とした「Dプロジェクト」(仮称)は、南関東の山間部H町にある廃屋(木造古民家)を、将来的にコミュニティ施設として活用することを目的としている。関係者は、大工、設計士、施主関係者(Dプロジェクトの中心人物であるS寺住職と、公務員・不動産鑑定士・障害者施設職員など非職人含め約20名)、設計系学生(首都圏の建築系学生によるリノベーションクラブ)、そして発表者を含む本学の学生で、延べ人数は約500名となる。発表者は、2018年5月から9月へかけて関与した。考察に当たっては、セルフビルド建築として蟻鱒鳶ル(東京・三田)を、またリノベーションプロジェクトとしてOJIKAJIMA古民家WORKSHOP(長崎・小値賀島)を、比較対象として取り上げ検討した。
京都民俗学会第10回卒業論文報告会での発表要旨原稿
寺嶋衛.埼玉県におけるドッグラン施設の現状.
濵﨑将真.首都圏郊外の結婚式教会に関する基礎的研究:東京都八王子市を中心とした10事例から.
2018年度1Q卒業生の卒論題目一覧
西川徹.川崎市中原区における仕切り付き公園ベンチの基礎的調査研究.→仕切りベンチ
2017年度末(2018年3月)卒業生の卒論題目一覧
川野竜司.藤岡市消防団の現状および変遷についての基礎的研究.
岡村孝樹.栃木県の野木村開拓農業協同組合に関する基礎的研究.
高橋快多.埼玉県における水上公園についての基礎的研究.
金濱夏央.旧忍町信用組合店舗移築工事に伴う調査・図面制作(その4).
【指導教員より一言】文化財建造物修復学研究室 http://www.iot.ac.jp/building/yokoyama/ へ出向しての成果。日常意匠研究室への提出論文は、それを踏まえてのモノグラフ研究。移築後の建物は VERT CAFÉ(ヴェールカフェ)http://oshimachicafe.main.jp/
https://gyazo.com/18f9045c3bede88b4bb1412a9a88929c(illustration by K.Kao)
発表者は、大学が所在する地域の近代文化財の復原整備事業(建造物の移築・保存修理工事)に関わる機会を与えられ、最終的に建物の外観および内観の塗装色復原考察に携わった。具体的作業としては、現地の建物痕跡調査、外部委託した古写真カラー解析結果との照会、先行事例および類例調査との照会、最終的には図面に着色し文化財保護審議会へ提案した。結果、提案通りの塗装色が認められ、この年度末には工事が完了し、秋には休憩所兼集会所として活用される予定である。しかし正直なところ、先述した様々な調査それぞれの相互関係が、よく分からないままに取り組んでいたのである。私自身は、所属学科での卒業研究発表会へ向けて、何度も発表練習をしている途中、少し距離を置いて作業を振り返った時に、すべての調査が理路整然とつながった。この報告は、私自身が納得するまでの七転八倒の記録に基いている。京都民俗学会第9回卒業論文報告会での発表要旨
2016年度末(2017年3月)卒業生の卒論題目一覧
長崎拓也.NPO法人アクションおっぱまの設立背景とその現在.
小池拓実.ロードサイド型店舗における植栽の研究:羅布乃瑠沙羅英慕を事例として.
丹羽祐哉.パチンコ・スロット店の内部景観の変遷.
山内裕介.東京都心部におけるコイン精米所の立地状況.→コイン精米所を巡る考察
川村敏弘.高度経済成長期以降の長野県伊那市手良における水利権の変遷.
大川内麟太郎.ローカルヒーローのマスクにみる技術進化.
青木裕平.群馬県安中市における石堂についての基礎的研究.→家型墓石へのアプローチの再検討
2015年度末(2016年3月)卒業生の卒論題目一覧
秋田直輝.コインランドリーを通してみた近年の洗濯事情の変化について.
【指導教員より一言】コインランドリーに子連れの主婦が集うことに気付いたことを契機にして、従来は単身者とくに男性の利用を前提としていたコインランドリーが、80年代前半には主婦による利用が注目され、2000年代に入ってから洗濯物の外干しが困難になりつつある洗濯事情の変化を明らかにした論考。
菅谷紀之.茨城県鉾田市高釜地区における屋号についての基礎的研究.
【指導教員より一言】対象地域において、ゼンリン住宅地図はもちろん地区内向けの詳細地図にも記載されておらず、基本的には会話の中でのみ用いられてきた屋号が、近年になって石造墓地の親柱に刻された意味について考察した論考。
嶺征汰.初期型コイン精米所についての基礎的研究.→コイン精米所を巡る考察
【指導教員より一言】前年の中澤研究を引き継ぎ、埼玉県内で確認された初期型コイン精米所の実地調査に基づき、現在一般的なプレハブ一体型が成立する以前の様々な試行を考察した論考。
2014年度末(2015年3月)卒業生の卒論題目一覧
上野琢己.NPO法人エコシティ志木の成立背景とその現在.
【指導教員より一言】環境NPOへの関与観察に基づき、その成立背景と現在の活動で注目すべき取り組みについて考察した論考。
八ッ代真一郎.解体屋の現代史:1980年代以降を中心に.
【指導教員より一言】見習いとして関与した解体現場の経験を踏まえ、現在の解体業に求められる知識・技能およびその背景となる近年の業態変化について考察した論考。
中澤宏希.コイン精米機の成立と普及についての基礎的研究.→コイン精米所を巡る考察
【指導教員より一言】現在の日常的景観であるコイン精米所の基盤となる、コイン精米機をめぐる小史。
2014年度1Q末卒業生の卒論題目一覧
佐久間亮太.御殿場市イメージの変遷:モーテルからアウトレットへ.
【指導教員より一言】かつてモーテル街として知られた御殿場市が、そのイメージをアウトレットの街へと変遷させた経緯を、雑誌記事を追い丁寧に跡づけた論考。
2013年度末(2014年3月)卒業生の卒論題目一覧
柴崎友江.大道具の知識を得る方法についての研究:東京の高校演劇部を対象として.
【指導教員より一言】高校の演劇部員が(技能も含めた)大道具制作知識をどのように身につけるかについて、複数の高校演劇部へ取材し比較考察した論考。
嶋一茂.近年における喫煙空間の実態について:高崎線沿線を中心としたパチンコ店の事例.
【指導教員より一言】受動喫煙対策が叫ばれる現在におけるパチンコ店の取り組みについて(あえて最先端ではなく)地方における実態調査に基づき考察した論考。
武田咲希.建築する人々とその葛藤.
【指導教員より一言】建築事務所の一員として関与した建築現場をめぐる人々の交渉を描いたモノグラフ。
2012年度末(2013年3月)卒業生の卒論題目一覧
新井雄紀.上尾市におけるフセギ行事「川の大じめ」の基礎的研究.
後藤優也.秋葉原のストリート研究序説:歩行者天国を中心として.
坂口希.ボーイスカウトにおける「スカウト技能」の位置付け.
水口麻緒.埼玉県小川町上古寺の歴史はいかに書かれたのか:エンエンワの記述を中心に.
森大樹.河川敷の畑をめぐる基礎的研究:熊谷市村岡を事例として.
山口直也.日本における花粉症知識の浸透過程.
2011年度末(2012年3月)卒業生の卒論題目一覧
土田陽之輔.沖縄・辺野古沿岸における自然保護活動の基礎的研究:ジュゴンネットワーク沖縄に焦点をあてて.
今井寛行.東松山市における地元学の概要について.
井上雄介.高円寺阿波おどりの時代による変化:江戸浮連を中心として.
宮川セチェットルーカス.在日ブラジル人の生活に関する研究:キリスト教との関わりを中心に.
安野直樹.家意識に関する研究:鴻巣市馬室Y家における盆行事の調査を中心に.
長谷地明仁.小栗上野介忠順顕彰の研究:普門院と東善寺のモニュメントを中心に.
2011年度1Q末卒業生の卒論題目一覧
丸山次郎.白馬岳蓮華温泉のモノグラフ研究.
2010年度末(2011年3月)卒業生の卒論題目一覧
前田知宏.能面教室における技能伝承に関する研究.
黒田達彦.現代日本におけるパワースポットの基礎的研究:出雲地方の須佐神社を中心に.
2010年度1Q末卒業生の卒論題目一覧
Nguen Ha Kien Quoc.在日ベトナム系住民生活空間における拝壇についての基礎的研究.
高村篤志.埼玉県における市町村マスコットキャラクターの基礎的研究.
2009年度末(2010年3月)卒業生の卒論題目一覧
谷口航.産業廃棄物処理業者のモノグラフ:現場における書類の役割に注目して.
板橋甫真.戦後日本における換気扇の普及:1950年代を中心に.
小泉一樹.技能伝承現場を支える構造:西富囃子のモノグラフを中心に.
神奈川県藤沢市西富町一丁目に伝承される西富囃子は、戦争により途絶えたものの、昭和三十年代前半からの活動により、昭和四五年には市指定の無形民俗文化財となった。
かつて教わる子供の立場として、現在では子供に教える立場として西富囃子に関与する発表者は、本研究により西富囃子の技能伝承現場として夏期の子供への太鼓指導(練習会)に注目し、モノグラフ作成を通して、私自身の現場改善の可能性を探ることを目指した。
フィールドワーク先となる練習会には、西富町囃子保存会および子供会が関係する。保存会は現在、会員十六名の大半が六〇歳を超え、五〇歳未満はわずかに三名、うち二〇代は私一人である。保存会が太鼓指導する子供会は、町内の小学生が所属(平成二一年度は三四名)しており、そのうち十五名前後が練習会に参加している。盆休みを挟んで前後それぞれ五日程度ずつ毎晩一時間ほどの練習を経て、諏訪神社の夏祭り(八月)および藤沢市民まつり(九月)では山車に乗り演奏する。
保存会が伝承する六曲のうち、子供へは現在、ショウデン(小太鼓)とキュウバヤシ(小太鼓)の二曲を並行して教えている。ショウデン(小太鼓)を習得したと指導担当者から認定された子供は、ショウデン(大胴=大太鼓のこと)へと進むことができる。なお初参加の子供は、会長自ら口唱和で教えつつ、古タイヤを叩かせることから始める。
子供への太鼓指導は、保存会会長が交代するたびに変化が生じた。約十五年前の前々会長時には、ショウデン小太鼓・同大胴・キュウバヤシ小太鼓・同大胴の順に習得せねばならず、練習場所にも若干の違いがあり、本番の山車に乗るのもキュウバヤシ習得済みの子供が優先された。前会長時に緩和された練習に連動し、子供が山車に乗る条件も緩和された。
現会長時から練習後に反省点など話し合い、今年度も若干の改善を試みた。今後はより長期的観点からの練習環境整備が望まれる。2009年度_民俗学関係卒業論文発表会_提出要旨
2008年度末(2009年3月)卒業生の卒論題目一覧
松岡理平.団地の住み方に関する研究.
本研究のキーワードは「団地」と「住み方」である。
まず、「団地」はそれそのもので一つの町を形成している。例えばいくつもの家があり、その間にはいくつか公園がある。中心には商店街があり、商店街の中には診療所や銀行、郵便局などもある。それらと外を繋ぐ道がある。このような形で「団地」は形成されている。このことから「団地」は建築・土木・環境(自然環境・住環境)に当てはまることが分かる。
もう一つのキーワードの「住み方」は家の中での「住み方」である。なので「住み方」は建築・住環境に当てはまるこから、本研究は建設の中の建築と環境に当てはまるため本学科の卒業研究として認めることができる。このとき問題になるのが図面の正確さである。本研究では正式な図面を使わず私が目視で仕上げた図面なので建築では正統でないと考えられる。しかし、本研究は設計者や工学的な視点からではなく、実際に部屋を使っている人の立場から見た住み方の変化の研究のため、現在の図面で十分である。
小田内光.文化教室の運営側と参加側の目的の違いに関する研究.
教育が行なわれる場所において、指導者と参加者の目的が一致しているわけではなく目的の相違があると考える。本研究では工芸を教えている文化教室を対象に、指導者と参加者の目的の相違について調査したものである。インタビューをすることでより明確に指導者と参加者の目的の相違を明らかにした。
この目的の相違は、調査対象教室だけに限らず本大学においても考えられる。本大学は技能工芸を教えるという場所であり、指導者(先生)が存在し、参加者(学生)が存在している。よって技術などの教えてる内容は異なっても、本研究の調査対象教室と形が同じである。
以上のことから本研究はものつくり大学の建設学科の論文として対応すると考える。
林輝.技能の学習のモノグラフ.
技能の学習は、ものつくり大学技能工芸学部建設技能工芸学科(以下、本学科)の教育において重きを置いていることのひとつである。技能の学習について考えるにあたって、参考にするうえで欠かすことのできない概念として「状況的学習」がある。(Lave and Wenger 1993)
本研究は、ある調査現場における仕事内容のモノグラフを作成し、それが技能の状況的学習であることを明らかにしたものである。
また、本研究によって明らかになった、教育担当者と共に新人が、段階を踏んで現場に参加する、新たな「状況的学習」は、本学科の授業に当てはめて考えることが出来る。この新たな「状況的学習」を、仮に「段階的状況的学習」とする。
本学科の実習では、実際の現場で働いている、または働いていた専門職の方が、講師として何名か参加されることが多い。これは実習において、学生が分からない点などを、すぐに質問できるように、また細やかな指導が行えるように配慮されてのことだと思う。講師と学生がマンツーマンでこそないが、学生が実習という現場に、講師という補助輪付で参加していることから「段階的状況的学習」に当てはまるものである。
つまり、本学科の実習は基本的に、社会に出た後の実際の現場での「状況的学習」の、前の段階である補助輪付の「段階的状況的学習」を用いていることが分かる。
本学科の実習における技能の学習を、この研究を通して考察することが出来た。よって本学科の卒業研究としてふさわしいものと考える。
岩澤友作.ライブハウスの現状と歴史についての基礎的研究.
本論文は、ものつくり大学技能工芸学部、建設技能工芸学科の卒業論文として、当学科の三本柱である、建築、土木、環境の環境に該当します。なぜならば、ライブハウスを建物として、一つの空間として観た時に、その空間の立地環境であったり、音環境であったり、とまだ明らかにされてきっていません。なのでそれを明らかにするための第一歩として、現状の一例であるトラブルと雑誌記事をもとに歴史を遡ることによって、ライブハウスという場所を明らかにすることを目指した論文です。よって当学科の卒業論文として相応しい論文であると私は思います。
2008年度2Q卒業生の卒論題目一覧
西訓寿.ライトノベルにみる現代的空間認識.
なおこの研究を基礎として大幅な加筆修正を加え、2008年人文地理学会大会にて、土居浩・西訓寿「ライトノベルのトポグラフィ/グラフィティ」としてポスター発表しました。
2008年度1Q卒業生の卒論題目一覧
畔上真.立体交差事業前後における千葉市幕張町の変化.
久保山洋一.新宗教の空間利用―創価学会による一般住宅の使用例―.
佐藤雄太郎.成人式の起源に関する研究.
2007年度末(2008年3月)卒業生の卒論題目一覧
気田広樹.東北新幹線八戸駅開業に伴う影響について.
田端仁.近年の外湯施設変化の研究:埼玉県を中心に.
飯島賢介.町工場でのブラケット製作におけるモノグラフ.
2006年度末(2007年3月)卒業生の卒論題目一覧
鯨岡浩輔.たたらを復元する意義.
兼政公一.外食産業の歴史と現在.
濱田紘仁.造園業の剪定・伐採におけるモノグラフ研究:徒弟制による技能伝承の再考.
金子隆司.茅葺き屋根修復のモノグラフ研究:NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部の活動を通して.
2005年度末(2006年3月)卒業生の卒論題目一覧
平野恒祐.交通事故の主原因である知覚不全を発生させる路上駐車の検証.
小笠原喜康が書いた『大学生のためのレポート・論文術』では、論文について以下ように記されている。
論文というのは、先行研究を批判的に乗り越え、自らの主張の妥当性を論証するために書かれるものである。したがって、単に調べてまとめただけのものや、実地調査しただけのもの、あるいはまた単に形をまねただけの実験の報告は、これから論を構築するための資料としての研究ノートではあっても論文とはいいがたい。
つまり、論文というのは先行研究を批判的に乗り越えなければならない。そしてそれが何よりも難しい。それが出来て、ようやく自分なりのオリジナリティー(自分なりの考察や主張など)がでてくる。そして論文はオリジナリティーが一番大切であり、重要なのである。平たく言い返せば、たとえ先行研究を批判的に乗り越えたとしても、オリジナリティーがないものは論文とはいえないのである。それは、考察の仕方は人それぞれ独自のものであり、それであってオリジナリティーがないということは、もう自分以外の誰かが同じ考察や主張をしてしまっていることを意味するため、ようは誰かの論文をコピーしたのと同じであるためである。しかし、ものつくり大学の平野の論文は、先行研究を批判して検討しており、考察についても平野独自のものである。つまり平野の主張は、まだ誰も唱えていないものである。
ものつくり大学の平野は、先行研究を何度も批判してきた。しかしその度、似たような論文が存在してしまい、やり直す日々であった。そして、何度の失敗を繰り返してようやく平野だけのオリジナリティー(平野独自の考察・主張・分析)が完成した。
平野は交通事故の主原因について、誰もが触れていない知覚不全について触れ、推測ではあるが違法路上駐車がドライバーや交通参加者の知覚不全を発生させると主張している。また違法路上駐車調査についても平野独自の調査方法である。それは違法路上駐車についての調査は、今まで多くの方が行なってきているが、違法路上駐車をするドライバーに着目したものは平野だけであるためである。
最後に平野の論文が、ものつくり大学・技能工芸学部・建設技能工芸学科の卒業論文としてふさわしいかを検討する。
平野の論文は、交通事故の主原因である知覚不全を招く要素として、違法路上駐車が挙げられることを推測し、なぜドライバーがどのような理由で違法路上駐車をしてしまうのか検証している。そしてそれを検証したあと、今後の課題として、ドライバーが無料の駐車場を利用しなかったことについて検証すると述べている。
そもそも乗用車は、排気ガスやCO2が出てしまい、大気汚染や地球温暖化に影響してしまう。そして違法路上駐車は交通事故を発生させることだけでなく、交通渋滞なども引き起こしてしまう。そのことから、乗用車から排出される排気ガスやCO2は、走行中よりも多くなり、大気汚染や地球温暖化に大きく影響してしまうと判断できる。そのことから、よりよい街づくりにするために違法路上駐車は、大きくかかわる要素のひとつであるといえる。次にドライバーが無料の駐車場を利用しなかったことについて検証することで、駐車場の立地にも気配りできると考えられる。以上のことから、平野の論文は、ものつくり大学・技能工芸学部・建設技能工芸学科の卒業論文としてふさわしい内容である。
佐藤正信.中小建築会社のISO導入について.
私が書いた中小建築会社のISO導入についての論文は、ISOについても説明しているので、ISOどんなものか分からない人でも論文を読むことでISOを理解することが出来るので建設学科の学生などの資料として使うことが出来る良い論文であると思う。
既に本や雑誌、先行研究に載せられているISOのメリットが中小建築会社においても適用されるのかが、インターシップの実体験をもとに考察されており中小建築会社の業務内容を読者が読むことで理解が出来るのでより分かると考える。
以上のことを考えこの論文が建設学科の卒研として相応しいものであると私は考えます。
松野幹也. 工務店における現場監督のエスノグラフィ.
この論文は、専門インターンシップで経験した工務店(就職先)での現場監督の仕事を基に書いたものであるので、建設と深く関わっていると言える。内容にしても、自らがインターンシップで経験した仕事を、現地の人々からの視点ではなく、観察者の視点から見て、監督の役割を追究することで、監督に何が足りないのか、何に気をつけるべきかを発見できた今までにない論文と言える。
また、ものつくり大学は、現場の知識だけでなく、現場の作業のことも知っている監督を育てることが目的であるので、講義や実習で学んだことがインターンシップ先で大いに役立ったのである。
そして今回行った研究では、監督には何が必要なのかを発見できたので、ものつくり大学の将来のカリキュラムを考えるに当たって、とても役に立つ研究であると言える。また私は、監督の仕事を研究したことにより、この大学の目的である、現場の知識と現場の作業を兼ね備えた監督となるので、建設技能工芸学科としてふさわしいと言える。よってこの研究は成功である。
若林秀人.建設現場における技能習得のエスノグラフィ.
本研究『建設現場における技能習得のエスノグラフィ』は建築学科の卒研としてふさわしいものである。それは現在、建設業界では機械化などが進んだことにより、職人の技能低下が起こっている。そのため、現場での技能習得を解明することでこれからの職人の育成に役立つことができるためである。本学も職人育成を第一に実習を多く取り入れて技能習得を行っている。それは講義だけでは技能習得ができないことを意味しており、今回の発見で習得に作用している要因を発見できたことは、非常に意味があると言える。調査方法としても実際の建設現場に参加し、自らが技能習得の過程を経験したことからこの発見を導いている。そのため大学で学んだことを現場で生かして調査ができたのである。
また本学のインターンシッップ制度が持つ意味を、状況的周辺参加を体験することができるため有意義なもとであることも示した。そのようなことからも本研究が建設学科の卒研としてふさわしいといえる。
石井寛子.館ノ下焼を通して見た相馬市民の生活.
この論文は、ものつくりの中にある焼物を取り上げている。また近年、建築物への保存が積極的に行われており、建築物の保存については、ものつくり大学のカリキュラムに入っている。建築物がどの立場で、どのような過程で保存されていくのか学んだ。筆者はインターン中に相馬市で焼かれた館ノ下焼という焼物を知り、その焼物がどの立場から保存していくべきか、検討し提案している。
またこの論文は、館ノ下焼が展示されないことを嘆き、展示されるべきであるという筆者の感情論ではない。先行文献を整理した上で展示されない理由を考察し、民俗資料としての位置づけができないか提案している。そこで使用した人へ聞き取り調査を行い、『相馬市水道史』が看過された事実を発見している。この発見は、水道が通水されるまで電動ポンプを使用していた事と、それを水道と呼んでいたことである。
京都府の公式サイト「京都アース」には電動ポンプの記述があり、電動ポンプを研究対象としていることから、決して看過されるものではないと思われる。
筆者は、相馬駒焼のように美術品として展示することは難しいとしているが、民俗資料として展示するべきであると提案している。
また館ノ下焼の使用状況を書き残すことで、民俗資料として位置づけられることから、相馬市が保管している館ノ下焼の使用状況を書き残すことを自らの今後の課題にしている。
最後に、生活史を研究している人にとって、この論文が一つの資料となると思われる。
桐川雅史.過去と現代の営業能力の相違:大宅壮一文庫を基に.
桐川論文は営業パーソンの過去に求められていた能力を明らかにし、現代に求められる能力と何が違うのかを分析し考察したものである。
ものつくり大学、建設学科の授業では建設に関する基本的なことを学ぶという授業が多く、コミュニケーションに関わる授業は全体に比べて少ない。建設の現場や社会に出て行く上でコミュニケーションは欠かすことのできない能力である。チームワークがなければ失敗も多くなり、重大なミスにもつながってくる、それは誰もがわかっていることだがコミュニケーションに求められる能力は個人としての能力であり天性のものといっても過言ではない。そのため個人によって差がついてしまうのである。
その差で大きく収入が異なる職業が営業職である。ものつくりというのはものを作るだけでは売ることができない。自己満足の世界でのものつくりなら一向に構わないが、社会に入ったらものが売れなければ経営も伸ばすことができずに良い商品であろうと営業の態度や話し方で売れずに経営を伸ばすことができない。
その営業能力を過去から現代にいたるまでどのように表現されてきたかを明らかにしたのが桐川論文である。50年代から70年代までの好景気から不景気に移り変わる時代の営業パーソンに求められていた能力と現代に求められる能力が同じなのではないかという仮説をたて分析し、もし同じならば現代に出版されている営業本は過去からいわれていることであり新しいとはいえないという警鐘を鳴らした論文である。
ものを売るという道に進む人には現代に求められる能力を知ることができ、営業本は過去と変わらない本であるということがわかる論文なので、推薦したいと思う。
2005年度3Q卒業生の卒論題目一覧
村田祐眞.松本城の文化財指定における経緯についての研究.
河野力哉.インドネシア家具の生産と流通に関する研究.
2004年度末(2005年3月)卒業生の卒論題目一覧
三浦洋一.〈耐震〉から〈免震〉へを検証する.
青木巧.『床の間』と『掛け軸』:茨城県にあるA邸の考察.
中野健.建設業におけるリフォームとリサイクルの研究.
池知真由美.保育園建築に関する調査研究:居心地の良い保育園へ向けての一試論.
林ちひろ.行田市の街区公園の植栽について.
別府洋輔.非日常から日常への回復:新潟県中越地震、復興の過程.
木村冬悟.環境保全型農業と環境教育を核とした地域興しの可能性についての研究.
生方裕一.鴻巣市と桶川市の都市計画の比較に関する研究.
高村知加.飛騨木工家具メーカーにおける顧客サービスに関する基礎的研究.
園部隆之.建設現場と実践における学習のエスノグラフィ.
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