QNKSの機能
◯子どもたちがわかりやすい定義
ある概念はその概念を「ちょうどいい解像度で切り分ける」ことで理解しやすくなる。
例えば「自転車の構造」を理解させようと思ったときには、サドルや、ハンドル、ブレーキといった解像度がちょうどいい。サドルの素材や、素材の分子構造まで分解してしまうと、全体が見えなくなる。なんか車輪がついてて走るもの、という解像度でとどまれば、細部が理解できない。
QNKSはその点からみて丁度いい。
◯子どもたちがわかりやすい名称
概念をちょうどよく切り分けてもその概念を表す名称が難しければ使いにくい。当初、研究論文でこの過程を見出したときは「課題要求の把握、要素の抽出、具体的構造化、抽象的構造化」としていた。
機能を明確に定義する際にはこれで良いが、子どもたちに手渡すときには、これをわかりやすい名称に変換する必要がある。
そこで「問いをもとに、抜き出し、組み立て、整理する」とした。
さらにその頭文字をとって「QNKS」とすることでキーワード化した。
すると、「Nをする」とか「Kをする」といったように、1文字の中に多くの情報を含みこませることができた。
この構造がQNKSの「使いやすさ」を生み出している。
◯頭の中の考えをノートに書き出しながらすすめる方法
さらにその進行の方法についても特徴がある。
子どもたちは「QNKS」の各過程をノートに書き出しながらすすめる。
そのために「QNKS」の各過程で書くべき図をひとまず定めている。
入門期などは、これらを形式的になぞることで、考える際にたどるべき表象の推移を学習することができる。
これらの特徴から学習者は自身の活動をメタ認知しながら、今やっていることと次にやるべきことを意識でき、過程に迷わなくなるという効果がある。