6つのマイルストン
概要
もっとも典型的なマイルストンの設定の仕方は、企画、要件定義、設計、製造、テスト、検収 という分け方である
最も典型的なものを以下に図示する
https://gyazo.com/334b42bf640059cd1367cd594039c7bf
マイルストンの理想と現実
https://gyazo.com/88b2db3aec246c9e69708aa14b38a545
しかし、こう進むことは極めて稀である
解くに解けない、卵が先か、鶏が先か問題があるためである
例えばIT開発・導入の場合、要件定義を内製、独力で実行するのは現実的にいって不可能である
よって要件定義の実行には、外出しの費用が伴うのが通常である
しかし、原理的には、要件定義とは、事前に成功を約束することは、これまた不可能なのである
※参考
企業活動における急所は「外に金を払う」「払うための決裁をする」ということにある
決裁には責任が伴い、リスクが生じる
「金を出したが失敗した」は、組織人としてはキャリアに致命傷となる
結果として、実践的には以下のような方策が取られることが多い
https://gyazo.com/1b89d889f8ea9f3bb12a16118a4abd69
一件、誰も損しない合理的な進め方に見えるが・・・
実は全く、そうでないのである
この進め方ではRFP、コンペの段階で十分な情報交換がなされないまま、開発プロジェクトの費用を見積せざるを得ない
そうすると、企画、要件定義段階で、そもそもの狙いの甘さ、作りの悪さが露呈してしまう
プロジェクト活動で「言った、言わない」の問題が起きやすいのは、こうしたところに理由がある
フェーズとマイルストンの間にある、実践的にうまくいきやすい関係
ある程度、実績が多く、関係性が構築できている場合に実践されているのが、以下の進め方である
https://gyazo.com/18ef8232ad41d3fcaa42d57a66e50d30
つまり、事前にある程度、取れる範囲のリスクを取って、次の工程を着手してしまうのである
着手してみて、様子がわかって、そこから見積を出す
書類上は、あたかも事前に見積を出していたかの形でバックデートして残しておく
甲と乙の阿吽の呼吸が必要となるが、うまくいけば、これほどうまくいく進め方もない
甲が余計な金を払うこともないし、乙が取りっぱぐれることもない
しかし、問題がないわけではない
外形的にはこれは「癒着」「談合」「密室」と言われても仕方ないのである
受発注における透明性を優先すると、先述の「よくある関係」を取らざるを得ない
しかしこれは、高い確率で失敗を呼び込むのである
要件定義の失敗も覚悟で「理想の関係」で進めるのがベストなのであるが
なかなかそこがわからない人が多い
掘り下げ考察
上述するフェーズやマイルストンはあくまで「理想」である
つまり「こう進みたい、こうだったらいいな」というものである
実際は、そんなに簡単に流れていくわけではない
「実践的な関係」にしても、「実践的な流れとして、理想」ではあるが
こういうふうに噛み合うことも、なかなか少ない
ルーチンワーク的な色彩の強い場であれば、いともたやすいのだが
この問題に関する根本的な療法を求めるならば、その取り組みがどのような契約関係に基づくのか、あるいは、その取り組みを成就させるために、どのような契約関係を結ぶべきかを考える必要がある