要件定義の要件定義
概要
要件定義とは
顧客の要望を受け、実行可能性とリスク、コストも鑑みた上で、検収条件を立案し、合意形成すること
決して勘違いしてはならぬのは
あくまで「検収条件」の定義であって
「デザインや機能、仕様」の定義とは限らない
とはいえ実務上は
要件定義のゴール=「デザインや機能、仕様」の定義、となりがちである
それは、必ずしも間違いではないのだが
それをゴールにしてしまうと、間違えてしまうことがあまりにも多い
世の受託プロジェクトの失敗とは
要件定義の失敗なのである
要件定義がなんのためにあり、何を目指すべきかをわかっていない
それゆえの失敗なのである
要件定義におけるありがちな失敗
夢物語
クライアント言いなり
難しいところは下流に丸投げ
抽象度高すぎ
抽象度低すぎ
そもそもの問題は
日本社会自体がコンカレントにできすぎているのだ
阿吽の呼吸が得意すぎて
全てを言語化しない、できない
そして、責任を負いたがらない
考えてみれば、要件とは、法律用語である
契約とは、趣旨、要件、効果で構成される
その文脈でいうところの、要件のことなのである
つまり、契約における、取引条件である
なにを、いつまでに納品するか
対価はどうするか
これを定めるのが、要件定義なのである
要件定義工程が請負でなく準委任で実行される通例があるのも、このことを暗示している
つまり、要件定義とは、製造でなく、交渉なのである
これは結構ややこしい問題を引き起こす
いわゆる受託開発の要件定義工程は、成果物としての要件定義書を要請する
しかも、多くの開発者やPMが無反省にここで「設計」に手を染めてしまうのである
それは一体、なんなのか?
民法の世界も、混乱を極めている
例えば、成果完成型の準委任、みたいなキメラ的な概念
実務上の問題として、言わんとすることはわからないでもないが
民法の大改正に携わった専門家達の見識の浅さがここに露呈している気がしてならない
要件定義という役務は、一体全体、何をもってして成立するのか?
これは相当に深い大問題なのである
ここに、「要件定義の要件定義」の必要性が顕現するのである