溶解塩増殖炉(ソルトリアクター)
1500℃クラスの超高温増殖炉
https://gyazo.com/f131d87638af463deae9a2170f614cf7
この見慣れない赤紫色に近い紅の液体は塩が溶けた溶解塩であり、蒸気よりも赤めな気体はそれがさらに蒸発した塩ガスである。 エタノール : 気体に蒸発すると比熱容量が小さくなる ガラス : 液体から固体に凝固すると比熱容量が大きくなる(融解すると比熱容量が小さくなる) 採掘や淡水化装置、シオカズラで入手できる塩もその一つで、この物質は液体から気体に蒸発する時に持っている熱量が増える特殊性を持つ 鋼鉄も同じ特性を持つものの、実質的にそれを利用するのはほぼ無理 鋼鉄のガスの温度では殆どの物質も溶けるか蒸発するので
ただし、本稿で取り上げるコレは火山攻略よりもずっとリスキーなモノであることに注意 事故った時のリカバリーがほぼ不可能なレベルで色々と壊滅的になる
塩の相転移による熱量変化
https://gyazo.com/9e44fda3f8db20ba3f99dc721bc43431
table:塩の状態ごとの熱性能
状態 比熱容量 融点/凝固点
固体 0.700 799.85℃
液体 0.700
気体 0.880 1464.85℃
概ね、「805℃付近で固体の塩から融解、1470℃で蒸発、1460℃で凝結、795℃以下で凝固」だと思っていて良い
この時、気体の塩ガスになった時、相対的に持つ熱量が1.25倍に増幅する。
$ 0.88/0.7 \fallingdotseq 1.257
仮に、1460℃の塩10kgを1470℃に加熱する熱量は70kDTUとなる。
$ 0.700 \times (1470 - 1460) \times 10 = 70_{(kDTU)}
対して、蒸発した1470℃の塩ガス10kgを1460℃に下げる為の負の熱量は-88kDTU
$ 0.880 \times (1460 - 1470) \times 10 = -88_{(kDTU)}
この差分になる18kDTUが「塩を蒸発と凝結を繰り返す度に発生する余分なエントロピー」となる
エタノールの熱破壊に比べれば規模は小さいものの、「塩1kgにたいして1.8kDTUの増大が見込める」 という点に注目
「おおよそ4往復の蒸発と凝結で得るエントロピーを転移させればそれだけで塩を蒸発できる」
「100kg/sほどの塩を蒸発させる ”その度”に180kDTU/sの熱エネルギーを得られる」
と考えるとかなりエグい効果を期待できる
塩1000kgを一度蒸発させた時に発生した熱量を蒸気タービンに電力に変換すると$ 1800 * 0.9686 = 1'743.48_{(J)}
1.7kJぐらいおまけで電力を生み出せることになる
「塩を蒸発させた時だけ上に熱交換をさせて更に塩を蒸発させて…」といった多段の増殖炉を組めば、この肥大化は累乗させていく事ができる
動画による解説
https://www.youtube.com/watch?v=hbH3uOtC98w
こちらは増殖炉を多段に構成して熱エネルギーの肥大を狙っている
ちなみに溶解塩炉は現実にある
こちらはONIと違って融けた塩を用いることで原子力発電において核燃料として都合がよくなったりといった利点によるモノ
放射性物質を練り込んだ塩が燃料にも一次冷却材にも機能する
ただ、ここで言う「塩」っていうのは日常で言われる塩化ナトリウムの事でなく、科学的な『塩』のこと マグマチャンネルを利用した地熱発電の全体のシステム
https://gyazo.com/880aed321698669152a42a3c5b026202
それぞれを詳しく説明しないので下記を参照
これの難しさについて
https://gyazo.com/2f635f5acd1f09b5c00485d0022b6bb1
こういう温度分布になるので「うわっ怖っ無理無理」ってなった人は正しい感性を持ってるので挑戦はいつかにしましょう
サバイバルでEXOスーツを着用して、大きい空間をまるごと真空にしながら施設の枠組みを作る経験が必須
構造
https://gyazo.com/24fa9836359fec69b91091333f7ab0da
正直なところ、塩の量のベストは未検証なので今回は「1基あたり、塩ガスの気圧100kg/tile」で構成
検算のしやすさが理由なので最高効率の量は未だ不明
理想的な連鎖反応で100kg/s蒸発して1部屋ごとに180kDTU/s稼げてくれないかなぁとか思いながら組んだ
この炉に用いる素材は常に融点と熱伝導率を確認しながら選定すること
先の動画で触れられているように、この増殖炉は重ねがけでより大きい比率で熱量を稼ぎ出すことができる
作例の場合、以下のような運びとなる
1. 1500℃以上のマグマの熱で下段が温められ、塩ガスに気化
2. その下段の気化した塩ガスの熱エネルギー増大分を合わせて上段を温めて気化
4. できるだけ沸点/凝結点付近をウロウロしている状態が一番熱肥大を産むので、液体元素センサーで「充分気化したら下段のドアヒートシンクを開放する」ようにする マグマの熱が、蒸気タービンのボイラー室に届くまでに何度も蒸発と凝結を繰り返す連鎖反応を起こすので、マグマの熱をあまり奪わずに長期的に地熱発電を運用できるようになる
塩の搬入自体は難しくない。自動化回路を工夫しドアヒートシンク部を開いた状態のままにしておき、格納庫に指定した量を入れ、解体して余分な瓦礫だけ撤去すればよい 使うのが無理な素材
融点が1750℃以下の物質全て → 塩ガスの熱で溶ける
使っていい素材
自動化回路
https://gyazo.com/aaa01e6ae71bd1ea16422753db677324