04-01.形容詞の用法・語形変化
本ページでは、デナスティア語の形容詞の用法について解説している。
形容詞とは、各種名詞や動詞などを修飾する品詞である。
修飾する単語の品詞や、修飾する単語との位置関係などによって、名詞や動詞とは異なる変化をする。
また、辞書形は例外なく「-tia、-dia、-tzia、-ria」のいずれかである。
ここから、形容詞の語形変化表では-iaが前置修飾形(辞書形)の基本語尾として扱われる。
なお、逆は必ずしも真ならずであり、例えば「litia:金の」という単語は名詞として「litia:金」という単語としても用いられる。
形容詞の変化語尾は以下の通りである。
table:表
語形名 語尾 用例
前置修飾形(辞書形) -ia 修飾する名詞の前に置く。直後の名詞をその格によらず修飾する
副詞形 -es 修飾する動詞の前後、または文末に置く
性質形 -i 「~なこと」の意味で用いられる。一般名詞の単数主格形としても扱う
分量形 -im ある形容詞の度合いを示す。また、一般名詞の単数主格形としても扱う
後置修飾単数形 -oi 修飾する単数形(扱い)の名詞の後ろに置く
後置修飾複数形 -eo 修飾する複数形(扱い)の名詞の後ろに置く
準体法単数形 -oi この変化形は一般名詞の単数主格形としても扱う
準体法複数形 -eo この変化形は一般名詞の複数主格形としても扱う
後置修飾単数形敬体 -ai 修飾する単数形(扱い)の、尊敬人称代名詞で受ける名詞の後ろに置く
後置修飾複数形敬体 -eih 修飾する複数形(扱い)の、尊敬人称代名詞で受ける名詞の後ろに置く
準体法単数形敬体 -ai この変化形は一般名詞の単数主格形としても扱う
準体法複数形敬体 -eih この変化形は一般名詞の複数主格形としても扱う
以下、上記各種変化形の用法について説明していく。
前置修飾形(-ia)
前置修飾形は、形容詞の辞書形でもある、最も基本的な形である。
直後の名詞を修飾する役割を果たす。各種代名詞や固有名詞も修飾可能である。
kucjetia Milehcjat asoitia pava
小さいミレーシャの大きい父親
デナスティア語の形容詞は、それが固有名詞や02-01.代名詞についてであったとしても修飾することができる。
また、主格や対格の名詞だけではなく、属格の名詞も修飾することが可能である。そのため、語順には細心の注意を払う必要がある。
なお、具体的にどこまで修飾するのかは文脈により、名詞の並列があった場合には曖昧さが残ってしまう。
属格と形容詞の修飾構造については13-01.修飾構造のページを参照のこと
asoitia buiria tlame es cjuipeh
大きい青い空と海
この例では、大きいのが(そして青いのが)空だけなのか、海も同様なのか判断がつかない。
ただし、13-02.筆記修飾構造法と呼ばれる、前置修飾形の形容詞の修飾関係を明確化しようとした試みも存在する。
副詞形(-es)
副詞形は主に動詞を修飾する変化形である。
ただし、副詞とは異なり、原則として他の形容詞を修飾しない。
動詞の直後や文末に置かれることが多いが、まれに動詞の前にも置かれる場合もある。
さらに、文頭に置かれることで文全体を修飾することもある。
Ja docjes vosaltes. 私は長く走る
性質形(-i)
性質形は「~なこと」という性質を示すための形である。
名詞の単数主格形としても扱い、また形容詞でもあるので副詞での修飾が可能である。
Asoiti dat jitoi. 大きいことはよいことだ。
「asoitia:大きい」「jitia:よい」
なお、補語のところに現れている-oiという語形(準体法)については後述する。
分量形(-im)
文量形はその形容詞の度合いを示すための形である。
名詞の単数主格形としても扱い、また形容詞でもあるので副詞での修飾が可能である。
「asoitim:大きさ」「vosaltim:長さ」などと訳される。
後置修飾形(-oi、-eo)
後置修飾形は名詞に後置され、直前の名詞を修飾する。
前置修飾形と異なり、後置修飾形はその形容詞の前にある名詞ひとつだけしか修飾できない。
ただし、前置修飾形同様に種々の代名詞や固有名詞を修飾することも可能である。
また、被修飾語の数に一致する。単数形の場合-oi、複数形の場合-eoという語尾を取る。
tlame ruiroi青い空(前置修飾形→buiria tlame)
準体法(準体形)(-oi、-eo)
準体法は形容詞を名詞として用いるための変化形である。
名詞の単数主格形としても扱い、また形容詞でもあるので副詞での修飾が可能である。
「~なこと」あるいは「~なもの」と訳され、通常の名詞と同様に単数形と複数形の区別がある。
その語形から後置修飾形と同一視する説もあるが、本書では念のため分けて解説している。
Ja das asoitoi. 私は大きいものである=私は大きい
ある性質を示す文の補語となる場合、主語に数を一致させる。
Ja klaunes asoitoi. 私は大きいものを食べた
単独で名詞としても使用できる。
Ja klaunes tcemitia asoitoi. 私は黒い大きいものを食べた
形容詞での修飾も可能である。
△Ja klaunes asoitoi tcjemitoi. 私は黒い大きいものを食べた 私は大きいもの、黒いものを食べた
可能ではあるが、「大きいもの、黒いもの」と別々に解釈される可能性があるので、基本的に母語話者は使用しない傾向が強い。逆に、「大きいもの、黒いもの」の意味であればよく使用される。
後置修飾形敬体(-ai、-eih)
後置修飾形と同様、名詞に後置され、直前の名詞を修飾する。
つまり、前置修飾形と異なりその形容詞の前にある名詞ひとつだけしか修飾できない。
ただし、前置修飾形同様に種々の代名詞や固有名詞を修飾することも可能である。
通常の後置修飾形と異なるのは、敬意の存在である。
また、被修飾語の数に一致する。単数形の場合-ai、複数形の場合-eihという語尾を取る。
準体法敬体(-ai、-eih)
準体法に敬意を込めたもの。
後置修飾形敬体と同様、準体法に敬意を込めたものとして使用される。
Ma som asoitai. わたくしは大きい(ものでございます)