13-02.筆記修飾構造法
本ページでは、デナスティア語の書き言葉の特殊な構文である筆記修飾構造法について解説している。
筆記修飾構造法
デナスティア語の書き言葉において、修飾構造を明確化させることを試みた筆記構文である。
話し言葉ではほとんど用いられない。書き言葉でも研究など一部の分野でしか用いられていないが、おそらくその思考に対する負荷が大きいためだと思われる。
また、実際はそこまで修飾構造が明確化されるわけではないし、使用されることもまれである。
筆記修飾構造法では、以下二種類の接続詞と前置詞を区別して用いる。
es:並列の接続詞(~と~)
tas:付加の前置詞(接続詞)(~加えて~)
なお、単語の意味としては「asoitia:大きい」「buiria:青い」「tlame:空」「cjuipeh:海」である。
asoitia buiria tlame es cjuipeh
「大きい青い「空と海」」
空と海の両方が大きいかつ青いという特徴を有していると説明している構文である。
asoitia buiria tlame tas cjuipeh
「「大きい青い「空」」と海」
空のみが大きいかつ青いという特徴を有していると説明している構文である。
asoitia tas buiria tlame es cjuipeh
「大きい「「そして青い「空」」と海」」
空のみが大きいかつ青いという特徴を有していると説明し、加えて海も「大きい」という特徴だけは持っていると説明している構文である。
buiria tas asoitia tlame es cjuipeh
「青い「「そして大きい「空」」と海」」
空のみが大きいかつ青いという特徴を有していると説明し、加えて海も「青い」という特徴だけは持っていると説明している構文である。この意味は形容詞の順序を入れ替えなければ成立しない。
「青い」という形容詞は位置関係上、必ず「空」を修飾することになる(入れ替えた場合を除く)。
そのため、「asoitia ? buiria tlame ? cjuipeh」という文で問題となるのは以下の通りである。
「青い」が「海」も修飾するのか?
「大きい」が修飾するのは「空」だけか「海」も修飾するのか?
なお、これをもう一段複雑化させると、以下のようになる。追加された語は「dorotia:遠い」「bucj:森」
asoitia buiria dorotia tlame es bucj es cjuipeh
すべて修飾する
asoitia buiria tas dorotia tlame es bucj tas cjuipeh
「dorotia:遠い」という特徴は「tlame:空」のみが持っている
「asoitia:大きい」と「buiria:青い」という特徴は「空」と「bucj:森」が持っている
buiria tas dorotia tlame es asoitia bucj es cjuipeh
「青い」という特徴は全てが持っている
「遠い」という特徴は「空」だけが持っている
「大きい」という特徴は「森」と「海」だけが持っている
なお、以下のような構文は筆記修飾構造法のみでは不可能である。
「空」:「大きい」「青い」
「海」:「遠い」「青い」
「森」:「大きい」「遠い」
なぜ不可能かといえば、一度修飾を切った形容詞を再び修飾に参加させることは不可能なためである。
もっとも、不格好を許すのであれば完全に不可能というわけではないが、形容詞を二度使用する必要がある。
buiria tas asoitia tlame es dorotia cjuipeh tas asoitia dorotia bucj
「青い「大きい空」と「遠い海」」「と「大きい遠い」森」
上述の通りこの筆記修飾構造法は話し言葉では使われないし、書き言葉でも比較的まれである。
提唱こそされているものの、実際にここまで意識して書いているデナスティア人がどのくらいいるかと言われると、一部研究者が必要に応じて使っている程度なので、そこまで意識して使い分ける必要はない。
むしろ、大半のデナスティア人はesやtasをノリで入れているかもしれないというレベルである。
しかし、修飾関係を明確化させたい場合は試してみるのも悪い手ではないだろう。
ただし、構造上並列関係にない名詞同士で用いることはできない。