視交叉上核
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a2/Suprachiasmatic_nucleus_and_ventricular_system.gif
培養切片は外界からの調律刺激が無くとも何週間たっても概日振動を示す 一日の時刻情報を全身に送り出し、臓器に存在する概日時計の位相を調律する 細胞間ネットワーク
個々の細胞におけるPer1の発現リズムは常に、背内側部の特に第三脳室に面した領域から始まり、続いて中間部から腹外側部へと波のように広がっていく 神経投射だけでなく液性成分にもリズム惹起能力がある VIP, AVP etc
内部構造
細胞群の違いから腹外側部と背内側部に分かれる
比較的疎で,直径約8-10 μmの円形の細胞
入力に特化:SCNへの求心性繊維のほとんどがこちらで終止
最も細胞密度が大きく,直径約7-8 μmで楕円形の細胞
出力に特化
SPVZへの投射が7割以上を占める
中枢の自律神経系の核群と密接に連絡しており,時間シグナルを中継 入出力
光刺激
光照射刺激は視交叉上核を介して,生体各部位の交感神経活動を上昇させ,副交感神経活動を減弱させる
糖質コルチコイド受容体に作用してPer1の転写を活性化し、臓器の時間をリセットすると想定される 微弱ではあるが、脳幹のノルアドレナリン細胞は背内側部へ投射するとされる
明期に高く暗期に低い概日リズムを示すと報告されている
哺乳類における松果体のメラトニン産生は視交叉上核の完全な支配下にある
→メラトニンの視交叉上核への働きはフィードバック機構の1つと考えられる 起床時にピークとなる概日リズムを示すホルモンとしてよく知られている
従って、糖質コルチコイドは、直接視交叉上核に働くのでは無く、縫線核を介して間接的に働くと思われる
このように、個体レベルでも何重ものフィードバックシステムを介して中枢時計は制御されている
dmSCN
vlSCN
全体
VIPとGABAは腹外側と背内側SCNの統合に重要であると考えられている
出典