3-4.学生参加型の同時配信授業の工夫
本ページの作成日:2021/3/15
本ページの最終更新日:2021/3/15
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同時配信授業では、教員-学生間の双方向のやりとりや、学生間のディスカッションなどについて、教室にいる学生と遠隔で受講する学生とで同時に行うためには、やや高度な技術を要するため、同時配信授業の代表的パターンにおいては、このような学生参加型の授業ではなく、教員からの「講義」の配信を念頭に説明をしています。 ここでは、同時配信授業においても、上のような学生参加型の授業を行うためのTipsをいくつかご紹介します。
同時配信を行わない授業であっても、感染対策をとりながら学生参加型の学習活動を行い、従来のような対面授業ではできなかったことをICTを活用して実現する「新しい対面授業」を行うためのご参考にしていただければ幸いです。 (1) アンケートシステムを活用する
あらかじめこれらのサービスにより質問を作成しておき、授業内でこの質問へのURLを学生に知らせます。
遠隔で受講する学生や、教室にいる学生で持ち込みPCのある学生には、kibacoやZoomのチャットでURLを送れば、受講するPCで回答できます。
教室にいる学生で持ち込みPCがなくても、QRコードで提示すれば、手持ちのスマートフォン等ですぐ回答できます。
回答はこれらのサービス上で自動的に集計されるので、これを学生に見せることで、リアルタイムなフィードバックをすることも可能です。
また、回答はデータとして記録されるので、これをなんらかの形で活用することも考えられます。
2020年度のオンライン授業を受講した学生からの声においても、チャットにより質問がしやすくなったという声も多く寄せられています。アンケートシステムを用いるなどすることで、対面授業においてもこうした効果を一部取り入れることが考えられます。 (2) クラウドサービスを使った意見交換・ディスカッションを行う
これらのサービスにより、共同編集用のファイルや作業スペースをあらかじめ作成しておき、共同編集可能な状態に設定し、このURL等を学生に伝えることで、学生がこれらに書き込むことが可能になります。
クラス全員で書き込む、グループごとに書き込むなど、設定のしかたによってさまざまな学習活動が可能です。
Googleドキュメント等、「URLを知る全員が編集可能」といった設定により、ログイン不要で共同編集をすることが可能なサービスもあれば、ScrapboxやSlack等、ログインや編集権限付与の作業が必要なサービスもありますので、その点は注意が必要です(後者の場合、使い方自体のインストラクションが必要になります)。
「授業中」に同時編集を行うことも、「授業時間外」に非同期で編集を行うことも可能です。
授業中に行う場合、教室にいる学生はスマホや持ち込みPCで操作、遠隔の学生はPCで操作する形が標準的と考えられます。
学生の学習活動は授業時間外をメインとし、授業においては講義および「方向づけ」等のファシリテーションを行うことに集中するというのもひとつの考え方です。
グループワークやディスカッション等のプロセスがデータとして記録されるため、従来のような対面授業では細かく把握しきれなかった学生の学習活動のようすを教員が知ることができることも、この方法をとることの重要な効果です。
miroを用いた授業実践事例は、2020年7月開催の本学FDセミナーにて発表されています。以下のURLからは、学内限定で動画も配信中ですので、ぜひご参考になさってください。
事例発表④「観光科学PBL 地域の読み取りから観光計画までの演習におけるオンライン授業の試行錯誤」(都市環境学部観光科学科・川原晋教授)
(3) 教室と遠隔それぞれでグループを組む
教室にいる学生と遠隔の学生が混在したグループで共同作業をする場合は、(2)の方法のように工夫が必要ですが、遠隔で受講する学生がある程度いる場合は、グループワークをする際に、教室にいる学生だけ・遠隔の学生だけでそれぞれグループを組むことが可能になることもあります。
その場合、遠隔の学生は、オンライン授業と同様に、Zoomのブレークアウトセッションによりグループワークを行うことが可能です。