The Journal of Koiasology 恋する小惑星 × 地学・天文学 合同誌
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漫画・アニメ『恋する小惑星』に関係する地学・天文学の評論や解説をメインとした合同誌。
初出イベント: コミックマーケット107(2025年冬)
本企画は、たけらぎ・れんず・kn1chtの3名で共同実施した。 計画は冬コミのほぼ1年前の2025年1月から開始し、専用のDiscordサーバーで運営関連の連絡と参加者への連絡を行った。
参加者の募集はtwiplaで行い、最終的に8名の寄稿者が集まった。
twiplaの段階で、重視した点は以下の通り。
教科書形式・解説形式メイン:体験談や感想のみの内容は非推奨
難易度の調整:あらかじめ記事の難易度を高校レベルから大学院レベルまでで規定し、解説の平易さをチェックする
査読:同人誌とはいえ内容の正確さを確保するため、専門分野に詳しい方1名以上による査読を義務付けた
参加者が多く集まったこと、積極的に内容チェックに参加してくださる方がいたことから、最終的には各寄稿で2名以上の査読者を確保できた
twiplaを用意した4月ごろの時点で、即売会までのスケジュールを切り、募集ページに記載した
(当時掲載した締切に各作業期間を加筆したもの)
参加募集開始:2025年4月5日 0:00(JST, UTC+9)※宇佐美綾乃さん誕生日
参加表明締切:2025年9月12日 23:59(JST, UTC+9)※猪瀬舞さん誕生日
(執筆 1~6ヶ月)
原稿提出締切:2025年10月2日 23:59(JST, UTC+9)※鈴矢萌さん誕生日
(査読 1ヶ月)
査読締切 :2025年11月11日 23:59(JST, UTC+9)※伊部小百合さん誕生日
(編集・入稿 1ヶ月)
頒布(C107):2025年12月末
査読をしっかりやることを決めていたために、通常より1ヶ月ほど前倒しで原稿提出締切を設けている
夏コミ(C106)より前に募集を開始していたからこそ設定できたスケジュールかもしれない
査読期間は提出遅延に対するバッファとしても使用予定であったが、寄稿者の皆様がたいへん優秀だったため、多くの記事がスケジュール通りに提出された
提出形式
事前にWord(.docx)およびLaTeX向けのテンプレートを用意し、寄稿者に選択していただいた。 https://scrapbox.io/files/6959e7154c5c41eea64d0745.png
テンプレート(Word用)
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テンプレート(LaTeX用)
最終的に、Word形式で提出した寄稿者が4名、LaTeX形式で提出した寄稿者が3名、漫画原稿のため画像を入れたPDF形式で提出した寄稿者が1名となった。
漫画原稿のレイアウトについて編集期間でたびたび調整する必要が生じた
文章記事ではない場合の余白や解像度などの指定を事前に明確化しておくべきだった
提出の際は、Word/LaTeXともに原稿をPDF化したものおよび、PDF作成に必要なすべてのソースファイル(Wordの場合は.docxファイル、LaTeXの場合は.tex, .bib, 画像データなど)を提出いただいた
これにより、査読の後でも残っている軽微なミスの修正や、記事の開始ページが見開きの右か左かによって変化するとじしろの方向の修正などが迅速にでき、よかった
査読
記事ごとにシートを分けたGoogle スプレッドシートを用意し、査読者にはコメントを、著者には返信(対応した旨、あるいは対応不要と判断したならその理由)を書いていただいた 寄稿者が8名いたため、基本的には記事の分野の知識があるであろう別の寄稿者に査読を依頼した
寄稿者が独自に第三者に査読を依頼することも可としており、所属大学の教員に査読を依頼した寄稿者もいた
コメントの内容は、解説や議論の改善提案、用語やデータのミスについての指摘、校正に関するものなど多岐にわたった
なるべく分野の知識がある方に依頼しているため、単なる校正・校閲にとどまらない本質的な指摘が多く出た点はよかったと考える 査読期間終了後、寄稿者には最終版のデータ提出を依頼した
組版
Word/LaTeXテンプレートで寄稿者が執筆した時点で組版は終わっているようなものである
テンプレート方式にはメリット・デメリットがある
メリットは体裁の統一、編集サイドの負担軽減
デメリットは柔軟性の欠如、フォントの制約(プリインストールされたフォントに限定される)
テンプレートのフォントはWord向けでは游明朝、LaTeX向けでは(環境にもよるけれども)原ノ味明朝
ただ、本誌はテーマ上論文集風の紙面にすることを目指したため、逆に「論文っぽい」組版やフォントになっている方がデザイン方針に合致していた
寄稿者の中には多数の画像を紙面に配置する方もいらっしゃり、著者の理想のレイアウトがそのまま完成紙面に反映されるテンプレート方式は編集側・寄稿者側双方にメリットがあった
また、初回提出(10月)と最終提出(11月)の2回を主要な提出機会とし、後者の提出以降は著者による変更は原則NGとしたことによって、バージョンが入り乱れるリスクが軽減された
寄稿の人数が8名だったので丁寧なマネジメントができたが、多い場合は難しい可能性もある
装丁と紙面作成
標準で用意されているPlaceMultipagePDF.jsxスクリプトがとても便利だった
表紙と紙面がほぼ完成した12月初旬に、SNSや各種Webサイトにおける広報活動を開始した
各種Webサイト:Netlify,にデプロイした告知ページ、コミケWebカタログ、ジンフォ ただ、編集チームの個人アカウントとは別の完全なる新規アカウントでフォロワーや交流も乏しいため、Xのアルゴリズム上自力での拡散には大変苦労した
編集チームメンバーそれぞれも積極的に投稿して拡散を図ったほか、重要な告知は寄稿者にも引用リポストしていただくよう依頼した
それでも冬コミ前のリポスト数は20~30で推移していたが、12/29に発生したバズによって広報問題は(必要以上に)解決することになった
バズりについて
冬コミ前日、ほかの学術合同の告知も相次ぐ中で、編集チームのkn1chtが「学術系の同人誌は査読がないから内容を信用できない(要約)」というような投稿を見かけたことから、これをネタにしようと次のような告知を追加した
@Etoilia_Univ: 恋する小惑星×地学・天文学合同誌は、内容の正確性・分かりやすさ向上のために全記事を2名以上で査読しています! 今回は8件の力作を投稿いただき、厳正な査読を経て8件記事を掲載しました(採択率100.0%)。
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また、kn1chtのアカウントでも引用で査読をネタにした投稿を行った
これがたいへんバズり(2026/1/4現在で4800リポスト、1.6万いいね)、冬コミ当日の売れ行きを完全に変えてしまった
前日搬入をしていたため詳しい経過は不明なものの、研究者界隈を中心に同人誌で査読という点が意外に受け取られたことで拡散したものと考えられる
バズりについては再現性のある手法は当然存在しないが、SNSで盛り上がりやすい話題・今盛り上がっている話題を拾って広報に反映していくことは重要だと思われる
バズったのが冬コミ前日であったために増刷などは一切できず、結果的に開会から50分程度で完売してしまった。買えなかった方申し訳ございません
スペースに来訪される方は、『恋アス』の元々のファン以外にも「Xでバズっていたのを見て興味を持った」「査読つき同人誌とはどういったものか見にきた」という方が多く、恋アス・まんがタイムきらら界隈の外にも話題が波及したと考えられる