RCE-2022S-8
目標
8. 曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート断面の耐力計算の基本仮定
設計のためには断面の破壊時の挙動について把握することが必要であることを理解する。そのための計算の基本仮定を理解する。
寝坊したーーー!
なんで誰も起こしてくれないの~~
暖房つけてもだめだった
zoomで参加する
内容
テスト返却
なんか単位間違えが多かったらしい
テストは来週受け取ろう
zoomだとqualityが下がるな
東平先生がカックカクしている
やっぱこういう授業は教室行かないと意味ないな
あと音声も途切れ途切れ。正確に聞こえない
塑性域の話に入る
目的:RC断面破壊時の曲げmomentを求める
応力でいう強度に相当するパラメタ
耐力(曲げ耐力)と呼ぶ
外力から算出される曲げmomentと比較することでも
終局ひずみ$ \varepsilon'_{cu}
破壊時のひずみ
cはおそらくコンクリートのこと
$ f'_{cd}コンクリートの設計圧縮強度
コンクリート(c)の設計(d)圧縮(')強度(f)
記号がわからんtakker.icon
限界状態設計法で用いられる記号
実験で求められた、応力-ひずみ曲線を単純な非線型曲線でモデル化する(設計用モデル)
設計用コンクリートの応力-ひずみ曲線
https://kakeru.app/ee027d29fb235468f6dfc5a64d23c6ad https://i.kakeru.app/ee027d29fb235468f6dfc5a64d23c6ad.svg
単鉄筋矩形断面の破壊時の応力分布
2022-11-09 09:11:42 RCE-2022S-9のノートもこの続きから書くtakker.icon
$ \sigma_sの向きは負方向ではないのか?
https://kakeru.app/43b129f25cacdb2c764cd48be7a1f87a https://i.kakeru.app/43b129f25cacdb2c764cd48be7a1f87a.svg
構成則が非線型になるため、応力の三角形分布が成立しない
等価応力ブロックを用いて、非線型な応力分布を線型なモデルに置き換える
合力と中立軸周りの力のmomentを変えない変換
https://kakeru.app/9007897b4933425afd5fa8e80ea96903 https://i.kakeru.app/9007897b4933425afd5fa8e80ea96903.svg
設計では、非線型分布ではなく等価応力ブロックを用いて計算する
例題:単鉄筋矩形断面の設計曲げ耐力
曲げ引張破壊の場合
設定
$ b=1000\mathrm{mm} $ d=400\mathrm{mm} $ A_s=1940\mathrm{mm}
鉄筋の断面積が小さいので、鉄筋が降伏する
$ \gamma_c=1.3 $ \gamma_s=1.0 $ \gamma_b=1.15
$ \gamma_bは部材係数
コンクリートの材料係数は1.3
$ k_1=0.85 $ \beta=0.8
$ f'_{ck}=30\mathrm{N\cdot{mm}^{-2}}
コンクリートの設計基準強度
$ f_{yk}=345\mathrm{N\cdot{mm}^{-2}}
鉄筋の降伏強度の特性値
$ f_{yd}={\gamma_s}^{-1}f_{yk}
鉄筋の設計降伏強度
$ f'_{cd}={\gamma_c}^{-1}f'_{ck}
コンクリートの設計圧縮強度
設計曲げ耐力$ M_{ud}を求める
耐力って、「終局曲げmoment」って呼んだほうが一貫性あるしわかりやすいんじゃないかなあtakker.icon
1. 力のmomentの釣り合い式から導出する
中立軸位置の決定方程式の最初の解法と同じ
$ M_u= \int_{y=0}^{y=x}y\times f_c'(y)b\mathrm{d}y+(x-d)\times f_s'
$ f_c':コンクリートの圧縮強度
計算では使わない
$ = (z+(x-d))\times (-C_c')+(x-d)\times T
$ C'_c=k_1f'_{ck}\cdot b\beta x
コンクリートの圧縮合力
C_c'
圧縮正にしているので、符号を反転させている
$ T=\sigma_sA_s
鉄筋の引張合力
RCE-2022S-4でも使った記号だった
T
$ z=d-\frac12\beta x
合力の中心間距離
軸力が0なら偶力のみが働くので、$ -C_c'+T=0である
$ \therefore M_u=zC_c'
曲げ耐力$ M_uに部材係数をかけて設計曲げ耐力$ M_{ud}を求める
$ M_{ud}={\gamma_b}^{-1}M_u
$ ={\gamma_b}^{-1}M_u
$ M_uを求めるのに中立軸位置$ xが必要。$ xを求める
$ C_c'=T
$ \iff 0= \beta x\cdot k_1f'_{cd}-A_s\sigma_s
$ \sigma_sが未知数。ここで鉄筋が降伏しているという仮定を導入して解き進める
$ \iff0=\beta x\cdot k_1f'_{cd}-A_sf_{yd}
$ \iff x=\frac{A_s}{\beta k_1}\frac{f_{yd}}{f'_{cd}}\simeq42.66\mathrm{mm}
2. 幾何中心=0になることをつかう
求められるのかは知らない
以上、鉄筋が降伏していると仮定して、中立軸位置を求めた
しかし、これは本当に降伏しているのか?
降伏しているか確かめる必要がある
応力-ひずみ曲線で、$ (\sigma_s,\varepsilon_s)が塑性域に突入していることを示せばいい
降伏条件は$ \varepsilon_s\ge\varepsilon_y
鉄筋の降伏ひずみを求める
鉄筋のひずみはその位置のコンクリートのひずみと等しいと仮定するので、コンクリートのひずみを使えばいい
$ \varepsilon_s=\frac{\varepsilon'_{cu}}{x}(d-x)=0.0293>\varepsilon_yなので、この鉄筋は降伏している
https://kakeru.app/aef41c9c40a768d7c4723183a227ffa8 https://i.kakeru.app/aef41c9c40a768d7c4723183a227ffa8.svg
あとは$ M_{ud}を求めるだけ
$ M_{ud}={\gamma_b}^{-1}Tz
$ \simeq224\mathrm{kN\cdot m}
論理が変じゃないか?
鉄筋が降伏すると仮定して、降伏条件を満たさなければ、仮定が間違っていたとわかる
背理法
鉄筋が降伏すると仮定して、降伏条件を満たしたとしても、仮定が正しいとはわからない
鉄筋が降伏する状態$ \sigma_s=f_{yd}と降伏条件$ \varepsilon_s\ge\varepsilon_yが同値だと意味がない
コンクリート工学でわからないことリスト
鉄筋コンクリートの破壊パターン
曲げ引張破壊
破壊時に鉄筋が降伏している
鉄筋が伸びてくれるので、急激な破壊を避けられる
ある程度ひずみが大きくなってから破壊する
,曲げ圧縮破壊
破壊時に鉄筋が降伏していない
急激に破壊してしまう
ひずみが小さい状態で突然破壊してしまうということ
前者が望ましい
鉄筋量が多いほど曲げ圧縮破壊しやすいため、適切な鉄筋量を求める必要がある
曲げ引張破壊と曲げ圧縮破壊を分ける条件は、釣合鉄筋比$ P_bで表される
釣合鉄筋比$ P_b
鉄筋の降伏とconcreteの破壊が同時に起きるときの鉄筋比
鉄筋の降伏ひずみ$ \varepsilon_y($ f_{yd}=E_s\varepsilon_y)
釣合鉄筋比を境に判定する
$ Pは鉄筋比
曲げ引張破壊:$ P\le P_b
曲げ圧縮破壊:$ P> P_b
これらは$ \varepsilon_s\ge\varepsilon_yの判別式と等価
釣合鉄筋比を求めてみる
https://kakeru.app/9c0dad53be6593f4b114da0c4b2c3918 https://i.kakeru.app/9c0dad53be6593f4b114da0c4b2c3918.svg
ひずみから中立軸位置を求める
$ \varepsilon_y=\frac{\varepsilon_{cu}'}{x}(d-x)
$ \iff x\varepsilon_y=\varepsilon_{cu}'d-\varepsilon_{cu}'x
$ \iff x=\frac{\varepsilon_{cu}'}{\varepsilon_y+\varepsilon_{cu}'}d
この辺は後で求める
曲げ圧縮破壊のとき
設定
$ b=1000\rm mm $ d=400\rm mm $ A_s=13400\rm {mm}^2
$ f'_{ck}=30\rm MPa $ f_{yk}=345\rm MPa
$ \gamma_c=1.3 $ \gamma_s=1.0 $ \gamma_b=1.15
$ k_1=0.85 $ \beta=0.8
コンクリートの終局圧縮ひずみ$ \varepsilon_{cu}'=0.0035
鉄筋のyoung率$ E_s=200\mathrm{kN\cdot {mm}^{-2}}
解答
設計強度を求める
$ f_{yd}={\gamma_s}^{-1}f_{yk}
$ f'_{cd}={\gamma_c}^{-1}f'_{ck}
破壊モードの判定
$ P=\frac{A_s}{bd}=0.0335
$ P_b=\cdots=0.0304<P
曲げ圧縮破壊を引き起こす
中立軸位置の計算
例によって偶力から求める
$ C'=T
$ \implies k_1f'_{ck}b\beta x^2=E_sA_s\varepsilon'_{cu}(d-x)
$ \because
$ C'=\underbrace{k_1f'_{ck}}_{等価応力ブロックの応力}\cdot\underbrace{b\beta x}_{面積}
$ T=\sigma_sA_s
$ =E_s\varepsilon_sA_s
$ =E_s\frac{\varepsilon_{cu}'}{x}(d-x)A_s
$ \because鉄筋コンクリートのひずみの三角形分布の相似関係より
$ \frac{\varepsilon_{cu}'}{x}=\frac{\varepsilon_s}{d-x}
https://kakeru.app/ee1319be48ad9fa9f070511f3c763330 https://i.kakeru.app/ee1319be48ad9fa9f070511f3c763330.svg
単鉄筋T形断面の設計曲げ耐力
skip
複鉄筋矩形断面の設計曲げ耐力
設定
曲げ圧縮破壊を起こした単鉄筋矩形断面に、圧縮鉄筋をいれたもの
$ b=1000\rm mm $ d=400\rm mm $ A_s=13400\rm {mm}^2
$ d'=50\mathrm{mm} $ A_s'=6700\mathrm{mm}
$ f'_{ck}=30\rm MPa
$ f'_{yk}=f_{yk}=345\rm MPa
圧縮鉄筋の設計降伏強度は実験で求められないので、鉄筋の設計降伏強度と等しいと仮定する
圧縮すると、降伏せずに破壊してしまう
$ \gamma_c=1.3 $ \gamma_s=1.0 $ \gamma_b=1.15
$ k_1=0.85 $ \beta=0.8
コンクリートの終局圧縮ひずみ$ \varepsilon_{cu}'=0.0035
鉄筋のyoung率$ E_s=200\mathrm{kN\cdot {mm}^{-2}}
図
○描くのが面倒なので、線で鉄筋を表現する
ということを現場で先輩がやっていたらしい
https://kakeru.app/bfceb6725a90ee711f718ccd808d28c6 https://i.kakeru.app/bfceb6725a90ee711f718ccd808d28c6.svg
単鉄筋矩形断面の設計曲げ耐力と同様、設計曲げ耐力が偶力をなすことから、中立軸位置$ xと設計曲げ耐力$ M_{ud}を求める
$ C'_c+C'_s=T
$ M_{ud}={\gamma_b}^{-1}((d-0.5\beta x)C_c'+(d-d')C_s')
偶力は作用点をどこにとってもいいので、引張鉄筋まわりで計算する
ちなみに、他の例
圧縮鉄筋まわり:$ M_{ud}={\gamma_b}^{-1}(d'C_c'+(d-d')T)
等価応力ブロックまわり:$ M_{ud}={\gamma_b}^{-1}(d'C_s'+(d-0.5\beta x)T)
$ C'_c=k_1f_{ck}'b\beta x
$ C'_s=\sigma_s'A_s'
$ T=\sigma_sA_s
今日はここまで
降伏の確認は次回
2022-11-16 09:06:59 RCE-2022S-10もここのノートから続ける
連続体力学でわからないことリスト
破壊と降伏と終局の違いがわからないtakker.icon
降伏は塑性域に入った状態
破壊、破断、終局は同義っぽい?
https://kakeru.app/ddf4dc7ed3752f833975bf770bd9bb32 https://i.kakeru.app/ddf4dc7ed3752f833975bf770bd9bb32.svg
安全係数と部分安全係数の違い
設計は難しいけどその気になればわかる
量子力学などとは違う
2022-11-02 10:28:49 scrapbox書籍を並行して作っていたため、全然集中できなかった
対面前提で設計されている授業は対面で受けないと話が入ってこない
まあ今回は別の作業をしていたのが主因だろうけど
✅@2022-11-02T09:00D90 RCE-2022S-8
一番つまらないのがコンクリート工学だったらしい
しかし、限界状態設計法が登場してから、理論体系が確立され始めた
土木工学で有効数字を揃えるのは難しい
取れる精度にばらつきがある
土の単位体積重量
コンクリートの単位量
4桁もとれるのか?
一応、この授業では最終的に3桁で求める
#2022-11-30 08:52:36
#2022-11-16 09:06:47
#2022-11-09 09:41:29
#2022-11-02 08:56:42
#2022-08-09 10:38:28